第92回アカデミー賞のノミネートについて、部門別の考察をしてみました。
各部門考察(一部)
作品賞
アカデミー賞の作品賞は今現在、5-10本という取り決めとなっています。上位10本のうち得票数が5%以上のものがノミネートされるのが、その理由です。今年は9本でした。
今回、作品賞に関しては大きなサプライズはなかったと思います。候補ギリギリだった『フォードvsフェラーリ』や『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』がノミネートされたことで、候補数が9本になったと思われます。
また、『パラサイト 半地下の家族』が韓国映画ながらも、作品賞にノミネートされました。韓国映画は、国際長編映画賞(旧 外国語映画賞)にすらノミネートされたことがなかったので、これは歴史的なことであるとかなりニュースになっています。
作品賞についてはまた今度、一つ一つの作品について書いていきたいと思います。
監督賞
- マーティン・スコセッシ(アイリッシュマン)
- トッド・フィリップス(ジョーカー)
- サム・メンデス(1917 命をかけた伝令)
- クエンティン・タランティーノ(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド)
- ポン・ジュノ(パラサイト 半地下の家族)
監督賞は作品賞を占う上でも重要な賞です。ここでのサプライズは『ジョーカー』のトッド・フィリップスでしょう。ゴールデングローブ賞等でノミネートはされていましたが、今年は激戦だったためこれはやや驚きの結果だと感じました。
代わりに『マリッジ・ストーリー』のノア・バームバックや『ジョジョ・ラビット』のタイカ・ワイティティが落選、『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』のグレタ・ガーウィグをはじめとした女性監督もノミネートなりませんでした。
主演男優賞
- アントニオ・バンデラス(ペイン・アンド・グローリー)
- レオナルド・ディカプリオ(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド)
- アダム・ドライヴァー(マリッジ・ストーリー)
- ホアキン・フェニックス(ジョーカー)
- ジョナサン・プライス(2人のローマ教皇)
私は、アントニオ・バンデラスとジョナサン・プライスの代わりに、クリスチャン・ベール(フォードvsフェラーリ)とタロン・エガートン(ロケットマン)を予想していました... この二人は結構前哨戦でノミネートされていたので、かけていたのですが... ちょっぴり悲しい。
今のところのフロントランナーは『ジョーカー』のホアキン・フェニックスでしょう。ジョーカーが公開されてから、彼の演技が爆発的に話題となり、前哨戦でも快走。受賞まで一歩手前まできています。圧倒的な演技だったから、個人的にもとって欲しい。
対抗は『マリッジ・ストーリー』のアダム・ドライヴァーかな。
主演女優賞
- シンシア・エリヴォ(ハリエット)
- スカーレット・ヨハンソン(マリッジ・ストーリー)
- シアーシャ・ローナン(ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語)
- シャーリズ・セロン(スキャンダル)
- レニー・ゼルウィガー(ジュディ 虹の彼方に)
私はシンシア・エリヴォの代わりに、アジア系アメリカ人のアウクワフィナ(フェアウェル) を予想してました。結構応援していたので残念... ただ彼女は大作に多く出て知名度が急上昇しているので、今後の活躍が期待です。
『マリッジ・ストーリー』のスカーレット・ヨハンソンは意外や意外、初ノミネート。実は助演女優賞でも今回ノミネートされていて、Wノミネート達成。初ノミネートがWノミネートってどういうことやねん。
今のところのフロントランナーは、『ジュディ 虹の彼方に』のレニー・ゼルウィガーです。
助演男優賞
これは完全に予想が当たりました(自慢)
ソン・ガンホ(パラサイト 半地下の家族)やジェイミー・フォックス(黒い司法 0%からの奇跡)などが落選。
おそらく受賞は今のところ、ブラッド・ピットでしょう。
助演女優賞
ここでの最大のサプライズは、『リチャード・ジュエル』のキャシー・ベイツでした。最初の発表が助演女優賞だったので、最初から腰が抜けました(笑)
そう、代わりに落選したのはジェニファー・ロペス(ハスラーズ)。絶対にノミネート確実という位置にいたので、本当にびっくりしました。一部の予想屋は、この落選を予想していたようですが、、、
受賞は、ジェニファー・ロペスが落選したことで、ローラ・ダーンになる可能性がさらに高まりました。
脚本賞・脚色賞
脚色賞は基本サプライズなし、脚本賞はフェアウェルが涙の落選。
長編アニメーション賞
ここにもサプライズ。『アナと雪の女王2』の落選。
『失くした体』か『クロース』かどちらかという予想でしたが、どちらもノミネートされたことで、アナ雪がアウトとなってしまいました。ちなみに失くした体とクロースはどちらもNetflix映画です。Netflixはここでも強さを発揮しています。時代ですね...
まとめ
いかがでしたでしょうか。なんとなく今年のアカデミー賞が見えてきたでしょうか。
2019年はアメリカにとって、非常に映画に恵まれた年になっており、傑作たちの激戦だったといってよいでしょう。
また作品ごとの紹介や俳優さんらの情報などは追ってしていきたいと思います。
お楽しみに!