アカデミー作品賞にノミネートされた9本の作品
第92回アカデミー賞は2月9日、日本時間では2月10日に行われます。
そこで、それぞれの作品に詳しくなってもっとアカデミー賞を楽しもう!ということで、この記事を書きました。
ぜひこれをみて、劇場に足を運んでアカデミー賞に臨んでください!一気にアカデミー賞が楽しく感じられますよ。
それぞれの映画のプチ情報と感想
今回ノミネートされた9本の作品のちょっとした情報と、僕なりの簡単な感想を書きたいと思います。
まだ観ていない作品や日本で公開されていない作品も多いので、感想は今後追記していきます。
僕は批評家ではないので大した感想は書けませんが、自分の覚書程度の気持ちで書きましたのでよろしくお願いします。
Ford v. Ferarri『フォードvsフェラーリ』
監督:ジェームズ・マンゴールド
作品賞・編集賞・録音賞・音響効果賞の4部門ノミネート
- マット・デイモンとクリスチャン・ベイルのW主演。
- フェラーリに対し憎悪を抱くフォードが、ル・マン24時間レースで最強の成績を誇るフェーラーリに立ち向かおうとするお話。
- マット・デイモンが実在のカーデザイナー、クリスチャン・ベイルが凄腕レーサーを演じる、実話を基にしたストーリー。
- レースに挑む姿に常にワクワクドキドキ。友情や愛情、レースの熱さなど、とにかく興奮して感動する臨場感MAXの一本。
日本では2020年1月10日に公開。
興奮のレース!!!
...だけではなく、会社の決断をめぐるドロドロした部分も描いていて、思ったよりもディープだったなと。
もちろん家族愛、友情にも常に心を動かされました。
特に最後のあたりのシーンでは泣きそうになった...
もう、流石ですなと。
カーレースはあまりよく知らず、
こんな歴史的なことがあったのか!と思いました。
レースに詳しくない私でも、というか詳しくない人の方が常にどうなるのかハラハラドキドキですし、かなり深いところまでついているのでオススメです。
Thε Irishman『アイリッシュマン』
監督:マーティン・スコセッシ
作品賞・監督賞・助演男優賞(×2)・脚色賞・撮影賞・編集賞・美術賞・衣装デザイン賞・視覚効果賞の9部門10ノミネート
- 監督マーティン・スコセッシ、出演ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシというレジェンドが集まった映画。
- 常に傑作を作り出すマーティン・スコセッシ。今回は十八番のマフィア映画!
トラック運転手からマフィアの世界に入っていったフランク・シーランの生涯を描いた映画。 - 3時間半ほどの超大作。壮大で心を揺さぶる物語に時間が経つのも忘れてしまいます。
そんな野望の詰まった映画を実現したのは、Netflix。 - "スコセッシ版タイタニック"とも言わせた映画をぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
Netflixで配信中。一部では劇場公開もされています。
私は渋谷にて劇場で観させてもらいました。最高でした。
とにかく長いのは長いのですが、劇場で観たからかあまり気になりませんでした。やっぱりラストシーンでぐーっと引き込まれましたね...
哀愁漂うあの姿は、未だに頭から離れません。俳優陣の演技も注目。
マフィア映画とは言え、決して派手ではない映画なのでスマホやテレビ画面で集中力が持つのかどうかは若干疑問です。
もちろんNetflixには素晴らしい映画・ドラマも多いですし、何度も見直せるという最強の武器もありますが...
なんとなく『アイリッシュマン』に関しては劇場が向いていると感じました。
Jojo Rabbit『ジョジョ・ラビット』
監督:タイカ・ワイティティ
作品賞・助演女優賞・脚色賞・編集賞・美術賞・衣装デザイン賞の6部門ノミネート
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』の監督、タイカ・ワイティティが送る、いわゆるユダヤものの映画。
- 空想の友達がヒトラーといういじめられっ子の男の子が、ある日母親が匿っていたユダヤ人の女の子と出会い...というストーリー。
ちなみに監督自身がヒトラーに扮しています。 - この映画はあえてコメディで描くというリスキーな挑戦をした作品ですが、それがかえって人々の心をがっちり掴み離さない。
監督の勇気に拍手。 - もちろん否定意見は一定数あるものの、トロント国際映画祭で観客賞をとり一気に加速!
日本では2020年1月17日に公開。
まさかこんなに泣けるとは...
涙で服がぐしょぐしょになりました。
コメディであり子供目線での第二次世界大戦下のドイツのお話なんですけど、だからこそ戦争の悲惨さがより伝わるというか、なんというか...
戦争の悲惨さを語り継ぐことの大切さをひしひしと感じました。
主人公の男の子を演じたローマン・グリフィン・デイヴィスくんが衝撃的に可愛いし、無理のない演技で本当に引き込まれました。
トーマサイン・マッケンジーも最高。
とにかく、キャスト全員最高。
こんなに号泣するとは思わなかった...
Joker『ジョーカー』
監督:トッド・フィリップス
作品賞・監督賞・主演男優賞・脚色賞・撮影賞・編集賞・衣装デザイン賞・録音賞・音響効果賞・メイキャップ&ヘアスタイリング賞・作曲賞の11部門ノミネート
- バッドマンの天敵、ジョーカーの過去をオリジナリティーたっぷりに描いています。
- 現代社会がジョーカー作り出したのだ、我々の住む世界はジョーカー生み出しうるのだというメッセージに体が硬直。今年のテーマは格差社会だ!
- ホアキン・フェニックスの役作りに世界が騒然。公開されるとすぐに大きな話題に。彼の演じるジョーカーが今の社会を映し出す。
- 今回最多ノミネートを達成!
賛否両論分かれましたが、興行成績を武器に熱狂的ファンを巻き込みます!!
日本では2019年10月4日にすでに公開。
終わった後は何も言えなかったです。
恐ろしいと思う自分の傍にホッとしている自分がいて、それにまたゾッとしました。
ただ応援している場面もあるけど、決して完全に共感しているわけじゃないんですよね...
ダークナイトからさらに一歩先にいった社会風刺映画です、これは。
ジョーカーという仮面を被った社会風刺映画です(二回目)
人にオススメできるかどうかというとちょっとわからないけど、すごい完成度。洗脳に似た気持ちになりました。
ホアキン・フェニックスの演技がとにかくすごくて、それだけでもこの映画は見る価値が非常に高い映画だと思います。
デッドプールの女の子も素敵だった...
Little Women『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
監督:グレタ・ガーウィグ
作品賞・主演女優賞・助演女優賞・脚色賞・衣装デザイン賞・作曲賞の6部門ノミネート
- あの『レディ・バード』で華々しい監督デビューを飾ったグレタ・ガーウィグの監督作品2作目。
- 皆が知っているあの古典作品『若草物語』を題材に、新たな視点を交えつつ映画化。マーチ姉妹の生活が生き生きと描かれています。
- 主人公は監督のお気に入り、シアーシャ・ローナン。
13歳で初ノミネートを飾ってからすでに4度もノミネート。
メリル・ストリープも出ているよ。 - 公開が遅かったため賞レースでは出遅れましたが、無事6部門ノミネート。
日本では2020年3月に公開。
今までもたくさん若草物語に触れる機会はあったのだけど、この映画にはいくつかの新たな解釈や、現代的な視点が加えられて見応えがありました。
まず、フローレンス・ピュー演じるエイミー。彼女は他の若草物語の中でも結構嫌われているキャラクターですが、今回はいかにして彼女がそうなったのか、そういう選択をしたのかなども描かれており、非常に新鮮でした。
またジョーの生き方を軸に置き、現代的な考え方を提示する一方でそれを押し付けない描き方も好印象でした。
基本的には4姉妹のすべての価値観を否定することなく、「価値観の多様性」を描いたことは非常にスマートな印象でした。
ラストですが、あれはおそらくいくつかの解釈ができると思います。僕はジョーが揺れ動きながらも意志を貫くのかなと思っているので、ラストシーンは「小説の中身」だと解釈しました。
Marriage Story『マリッジ・ストーリー』
監督:ノア・バームバック
作品賞・主演男優賞・主演女優賞・助演女優賞・脚本賞・作曲賞の6部門ノミネート
- 「離婚」というシンプルそうで複雑なものを題材に、夫婦、そして愛について描いています。練られた脚本に心を打たれる人多数。
『2019年のクレイマー、クレイマー』と言われているらしいです。 - 演技賞強し。3人が演技賞ノミネート。アダム・ドライヴァー、スカーレット・ヨハンソン、ローラ・ダーン、全員2019年は他にも高評価作品を抱えていて、2019年の顔が勢ぞろい。
- 監督はノア・バームバック。
『イカとクジラ』でアカデミー脚本賞にノミネートされてから、インディペンデント映画で活躍している彼が、ついにアカデミー賞に戻ってきた!
Netflixで配信中。一部では劇場公開もされています。
脚本が素敵でした。
二人は愛し合っているからこそ美しく、残酷で、心乱される。そんな映画だと感じました。
本当にリアル。でも、、
正直僕が未熟すぎて全ては感じ取れなかった可能性も...!
まだ大学生なので離婚などという経験はゼロなわけで。ただ、共感できる部分があるのも事実。
互いに嫌いになって、愛なんてなくなったから離婚するんじゃない。
細かい感情を描いていて、本当にオススメ。
あと役者陣が最高すぎた。皆良い。最高。
1917『1917 命をかけた伝令』
監督:サム・メンデス
作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞・美術賞・視覚効果賞・録音賞・音響効果賞・メイキャップ&ヘアスタイリング賞・作曲賞の10部門ノミネート
- 第一次世界大戦の物語。なんとワンカットに見える撮影。
こんなにリスキーでハードルの高いことをやってのけるのは、サム・メンデスだから。彼の最高の演出を目撃しに劇場に行こう! - サム・メンデスは『アメリカン・ビューティー』でアカデミー賞の主役になった経験あり。今回も作品賞本命の一つだけれども、さてさて...
- 技術部門で大量ノミネート。一方で演技賞ノミネートなし。
演技賞ノミネートゼロで作品賞受賞した作品は第81回の『スラムドッグ$ミリオネア』以来ないですが、果たして...
日本では2020年2月14日に公開。
これは完全に大きいスクリーンでの体験が最高。
確かにワンカットじゃなくても名作だとは思いますが、個人的には
この映画はワンカットであることが欠かせなかったと思いました。
つまりワンカットとの親和性が非常に高かったなと。
途中ハラハラするシーンも多く心臓がバクバクでしたが、最後は思わず涙。
どのように撮影したのかの動画を拝見しましたが、めちゃくちゃ大変な撮影だったんだな...と感心。
本当に素敵な映画体験でした。
Once Upon a Time...in Hollywood『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞・脚本賞・撮影賞・美術賞・衣装デザイン賞・録音賞・音響効果賞の10部門ノミネート
- あのクエンティン・タランティーノの9作目。10本撮ったら引退するらしい!チャンスはあと2回だよ!!
- こんなに映画愛を感じる監督はあまりいないです。劇中も映画ファンが喜ぶ仕掛けが多々あり。
- シャロンテート殺害事件を題材に、あの頃のハリウッドの様子を描き出しています。
現実と虚構が入り乱れている映画。
日本では2019年8月30日にすでに公開。
僕はあまりタランティーノ監督の映画は好みではないのですが、
今回は一番見やすかった
そんな印象です。
とにかくあの頃のハリウッドの感じが僕は好きでそれだけでも楽しかったですし、監督の映画愛溢れるキャラクター、風景、ストーリーに心を持っていかれました。
最後の忌まわしい事件に対する復讐とも言える演出は、まさにタランティーノといった感じでガッツポーズをしたくなるような愛に溢れる映画でした。
あとマーゴット・ロビーが本当に美しい。
映画館で自分の映画を観るシーンなんて最高じゃないですか。
Parasite『パラサイト 半地下の家族』
監督:ポン・ジュノ
作品賞・監督賞・脚本賞・編集賞・美術賞・国際長編映画賞の6部門ノミネート
- 韓国の巨匠、ポン・ジュノが放つ問題作。ポン・ジュノファンは日本にも多いのでは?
- 観た人は口を揃えて「傑作だ!」と言っているそう。
先の読めない展開、コメディとホラー、スリラー...全てのジャンルが素晴らしく入り混じっていて、観る人たちの体をスクリーンに惹きつけて離さない!
ネタバレ厳禁。あのブラッド・ピットもこの映画のファンだとか。 - アカデミー賞とこれまで縁のなかった韓国映画が、いきなり主要部門に絡む大金星をあげたポン・ジュノ監督。やっぱり天才だわ...
日本では2020年1月10日に公開。
最高だった!
とにかく最初から最後までハラハラしていました。
最初のあたりはまるでミッションインポッシブルを観ているような感じで、コメディのようなスリラーのようなタッチ。
だけど気づいたらホラーになっていて、最後は格差社会の現実を突きつけられるシリアスさに映画観終わったあとも、
しばらく席を立てなかったです。
ただこういう格差社会!みたいな映画が苦手な人でもこの映画はおすすめです。
だって面白いんだもの。完成度高いんだもの。
演技も素晴らしいから必見。
まとめ
いかがですか?気になる映画はありましたでしょうか?
今年は本当に傑作だらけでどれがとっても文句なし!という意見が多いような気がしています。
僕のこの記事がアカデミー賞準備の参考になれば幸いです。
感想も随時追加していきますので、Twitterをチェックしていただけると嬉しいです。
ということで、また次回お会いしましょう〜。バイバイ!