第78回ゴールデングローブ賞 映画部門ノミネート予想
こんにちは。今回はゴールデングローブ賞ノミネート予想です。
アカデミー賞と違い、作品賞と主演部門は「ドラマ部門」「コメディ/ミュージカル部門」に分かれています。また、オスカーとは主演助演を逆にキャンペーンを行う作品もあるようです。さらに、外国語映画賞に関しても、アカデミー賞は各国一本までという決まりがありますが、ゴールデングローブ賞ではその制限はなく、その代わりアメリカ映画でも外国語が多く占めると外国語映画とみなされる点がオスカーと異なります。今回でいうとアメリカ映画である『ミナリ』は韓国語が多くを占めるという理由で外国語映画扱いとなり、作品賞の対象外となってしまいました。これに対して多くの批判があがっています。
ゴールデングローブ賞は外国人記者が投票する賞で、簡単に言ってしまえば「映画に対して素人」(素人というのは悪い意味ではなく、プロ・映画業界人の反対語としての意味)の賞です。つまり「映画を観るプロ」批評家の賞ではなく、オスカーのような「映画を作るプロ」(俳優・監督など)の賞でもありません。よってゴールデングローブ賞は、大衆よりになることが多いです。
今回は、映画部門の全部門の予想をしていきます。
作品賞〈ドラマ部門〉
【コメント】
ドラマ部門はアカデミー賞の順位にも近い形になるかもしれません。特に作品賞を争うであろう『シカゴ7裁判』『ノマドランド』は候補入りほぼ確実。『Mank マンク』は大衆受けが良くないのが不安要素で、大衆よりのゴールデングローブ賞でどう評価されるか気になるところ。6位以下にした作品もどれがきてもおかしくありません。
主演女優賞〈ドラマ部門〉
- フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』
- ヴィオラ・デイヴィス『マ・レイニーのブラックボトム』
- ヴァネッサ・カービー『私というパズル』
- キャリー・マリガン『Promising Young Woman』
- ゼンデイヤ『マルコム&マリー』
- ソフィア・ローレン『これからの人生』
- エイミー・アダムス『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』
- ケイト・ウィンスレット『Ammonite』
- シドニー・フラニガン『Never Rarely Sometimes Always』
- ロビン・ライト『Land』
【コメント】
上位4人はオスカーでも有力な俳優さんたちの戦いになりそう。最後の枠が難しい...。ゼンデイヤの『マルコム&マリー』は公開時期が遅いので、投票段階では作品評価が浸透していない可能性があります。一方映画史に名前を残すこと間違いなしの大ベテラン、ソフィア・ローレンや、エイミー・アダムスも可能性がありそうです。
主演男優賞〈ドラマ部門〉
- チャドウィック・ボーズマン『マ・レイニーのブラックボトム』
- アンソニー・ホプキンス『ファーザー』
- デルロイ・リンドー『ザ・ファイブ・ブラッズ』
- リズ・アーメッド『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』
- ゲイリー・オールドマン『Mank マンク』
- トム・ハンクス『この茫漠たる荒野で』
- ラキース・スタンフィールド『Judas and the Black Messiah』
- スティーヴン・ユァン『ミナリ』
- ジョン・デヴィット・ワシントン『マルコム&マリー』
- タハール・ラヒム『The Mauritanian』
【コメント】
こちらも上位4人はオスカー有力な人たち同士の争い。個人的にはオスカーではラキース・スタンフィールドが強くなるような気がしますが、『Judas and the Black Messiah』の公開時期が遅くまだ世間にそんなに浸透していないかなと考え、ゴールデングローブ賞ではゲイリー・オールドマンを予想してみました。トム・ハンクスが来る可能性も非常に高いような気がします。
作品賞〈コメディ/ミュージカル部門〉
【コメント】
コメディ/ミュージカル部門は今回はこれっといった作品はない印象。『パーム・スプリング』を評価は高いもののインディーズ映画であるし、『続・ボラット』はあまりにも特殊すぎるし、『ハミルトン』は舞台を収録したものである点が気になる。となると評価が芳しくなかった『ザ・プロム』が強いかも...?うーん。ゴールデングローブ賞は大衆よりでスターが好きであることを考えると、やっぱり『ザ・プロム』が強いのかもしれません。納得できない人は多いだろうけど。
主演女優賞〈コメディ/ミュージカル部門〉
【コメント】
オスカーを含む他の映画賞では助演でキャンペーンされているマリア・バカローヴァは、ゴールデングローブ賞では主演でプッシュ。その他スターを好むゴールデングローブ賞では、メリル・ストリープ、ミシェル・ファイファーなどが強いと予想。エミリー・ブラントの『Wild Mountain Thyme』は作品評価が伸びてないので、そこが不安要素です。
主演男優賞〈コメディ/ミュージカル部門〉
- サシャ・バロン・コーエン『続・ボラット』
- アンディ・サムバーグ『パーム・スプリングス』
- デヴ・パテル『どん底作家の人生に幸あれ!』
- ピート・デヴィッドソン『The King of Staten Island』
- リン=マニュエル・ミランダ『ハミルトン』
- レスリー・オドム・Jr『ハミルトン』
- ジェイミー・ドーナン『Wild Mountain Thyme』
- マッツ・ミケルセン『Another Round』
- ウィル・ファレル『ユーロビジョン歌合戦 ファイア・サーガ物語』
- ジェームズ・コーデン『ザ・プロム』
【コメント】
サシャ・バロン・コーエンは主演と助演のW候補も狙えるかも。今年はコメディ/ミュージカル部門は全体的に予想が難しく、とりあえず今はこのメンツで予想してみます。読めないのが舞台を収録した『ハミルトン』。この作品は評価が高いものの舞台映像ということでオスカーなどではエントリー資格がありません。リン=マニュエル・ミランダやレスリー・オドム・Jrがどう評価されるか気になるところです。
監督賞
【コメント】
今年は例年以上にコメディ/ミュージカル部門が弱く、ドラマ部門の強力コンデンターがこの部門も強いと予想。特に『ノマドランド』のクロエ・ジャオは受賞も狙える勢い。女性監督というくくりで語るのはよくないかもしれませんが、今年もクロエ・ジャオ、レジーナ・キング、エメラルド・フェネルなど素晴らしい作品を手がけた女性監督が活躍。去年のように無視されないことを祈るばかりです。
助演女優賞
- アマンダ・セイフライド『Mank マンク』
- オリヴィア・コールマン『ファーザー』
- エレン・バースティン『私というパズル』
- ユン・ヨジョン『ミナリ』
- グレン・クローズ『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』
- シアーシャ・ローナン『Ammonite』
- ジョディ・フォスター『The Mauritanian』
- ドミニク・フィッシュバック『Judas and the Black Messiah』
- ヘレナ・ゼンゲル『この茫漠たる荒野で』
- 二コール・キッドマン『ザ・プロム』
【コメント】
マリア・バカローヴァはゴールデングローブ賞では主演でキャンペーンされるらしいので、この部門の上位4人はかなり強いんじゃないかなと思います(もちろんまだわからないけど)。最後の枠が誰になるのかが注目です。ベタランやスターを好むゴールデングローブ賞だとグレン・クローズ、ジョディ・フォスター、ニコール・キッドマン、シアーシャ・ローナンらが来てもおかしくないでしょう。
助演男優賞
- ダニエル・カルーヤ『Judas and the Black Messiah』
- レスリー・オドム・Jr『あの夜、マイアミで』
- サシャ・バロン・コーエン『シカゴ7裁判』
- ポール・レイシー『サウンド・オブ・メタル聞こえるということ』
- マーク・ライランス『シカゴ7裁判』
- チャドウィック・ボーズマン『ザ・ファイブ・ブラッズ』
- ビル・マーレイ『オン・ザ・ロック』
- フランク・ランジェラ『シカゴ7裁判』
- ヤーヤ・アブドゥル=マーティン・セカンド『シカゴ7裁判』
- キングズリー・ベン=アディル『あの夜、マイアミで』
【コメント】
ダニエル・カルーヤは『Judas and the Black Messiah』をどのくらいの人が鑑賞したかにかかっていると思います。多くの投票者が本作を観ていれば間違いなくノミネートされるでしょうが、公開時期が本作は遅めなので、投票者に作品の浸透が行き渡っていないとかなり危ないと思います。ちなみに『あの夜、マイアミで』のメンツはゴールデングローブ賞では皆助演でキャンペーンするそうです。
脚本賞
- The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』
- Nomadland『ノマドランド』
- Mank『Mank マンク』
- The Father『ファーザー』
- One Night in Miami『あの夜、マイアミで』
- Promising Young Woman
- Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
- Soul『ソウルフル・ワールド』
- News of the World『あの茫漠たる荒野で』
- Minari『ミナリ』
長編アニメーション映画賞
外国語映画賞
- Minari『ミナリ』
- Another Round
- The Life Ahead『これからの人生』
- I'm No Longer Here『そして、俺はここにいない。』
- Night of the Kings
- Collective
- Quo Vadis, Aida?
- Notturno
- My Little Sister
- A Sun
作曲賞
歌曲賞
- "Speak Now"『あの夜、マイアミで』
- "Io Sì (Seen)"『これからの人生』
- “Rocket to the Moon”『フェイフェイと月の冒険』
- “Wear Your Crown”『ザ・プロム』
- "Only the Young"『ミス・アメリカーナ』
- “Hear My Voice”『シカゴ7裁判』
- “Turntables”『すべてをかけて:民主主義を守る戦い』
- "Husavik (My Hometown)"『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』
- “Just Sing”『トロールズミュージック★パワー』
- “Carried Me with You”『2分の1の魔法』
まとめ
いかがだったでしょうか。ゴールデングローブ賞の予想、皆さんも教えてください。
他の賞と違いゴールデングローブ賞は、最も大衆の好みに近いと言われています。ぜひ授賞式を皆さんで楽しみに待ちましょう!
それではみなさん、また次回!