青い無人島の映画館

アカデミー賞を中心に映画を語っています。映画に興味のある方、アカデミー賞に興味のある方、ぜひ足を運んで頂けると幸いです。

第94回アカデミー賞 ノミネーション最終予想

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第94回アカデミー賞全部門ノミネート最終予想

皆様、こんにちは!

ついに...
第94回アカデミー賞ノミネーション最終予想
です!!!

というわけで、短編も含む全部門の予想をします!

コメントも各部門しているので、ぜひ読んでいってくださいね🤗

※順序はアルファベット順(冠詞を除く)、演技賞はファミリーネームのアルファベット順です。監督賞は作品のアルファベット順で並べています。

作品賞

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  • Being the Ricardos『愛すべき夫婦の秘密』
  • Belfast『ベルファスト
  • CODA『コーダ あいのうた』
  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • King Richard『ドリームプラン』
  • Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
  • tick, tick... BOOM!『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』
  • West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』
その他

Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』
House of Gucci『ハウス・オブ・グッチ』
Nightmare Alley『ナイトメア・アリー』
The Lost Daughter『ロスト・ドーター』
The Tragedy of Macbethマクベス
C'mon C'mon『カモン カモン』
Spider-Man: No Way Home『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』など...

 

 今年から作品賞の候補数は10本に固定されました。というわけで、受賞を狙う『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『ベルファストのノミネーションはLOCKとみて良いかなと思います。『DUNE/デューン 砂の惑星もSFというオスカー好みではない作風とはいえ、これまでの勢いを考えると候補入りまでは間違いなさそうです。

 当初、受賞可能性も囁かれていた『ウエスト・サイド・ストーリー』は、組合賞や英国アカデミー賞(BAFTA)で思ったよりふるわなかったことから、若干後退。とはいえ枠は10本なので、候補入りはできそうな気がします。批評家に愛されたリコリス・ピザ』は、逆に英国アカデミー賞(BAFTA)で愛され、より勢いが増しているように思います。

 サンダンス映画祭で注目された『コーダ あいのうた』は、サマーリリースであるというディスアドバンテージを吹き飛ばす強さを前哨戦で発揮しており、ノミネーションは勝ち取りそうです。『ドリームプラン』も、当初ほどの勢いはないものの、一定の支持は得ており、こちらもノミネートまでは間違いなさそうです。

 今年最も賛否の分かれた作品は『ドント・ルック・アップ』。アダム・マッケイ監督らしく政治色の強い作りで、圧倒的な否定評がある一方、支持している層はかなりの熱量で推しているそうで、一位票をかき集めると思われます。

 以上の8本は他の作品に大きな差をつけて勢いのある作品で、波乱がなければ8本全てノミネーションを勝ち取りそうです。というわけで問題は残り2枠。前哨戦を信じるならば『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』は入りそうです。天才リン=マニュエル・ミランダが初めてメガホンをとった一本で、全米製作者組合賞(PGA)などにノミネートされているのを見る限り、入りそうかなと思っています。

 本当に難しいのが最後の1枠。可能性があると考えられているのは、評価の伸び悩んだ『愛すべき夫婦の秘密』『ハウス・オブ・グッチ』、批評家に愛され圧倒的な強さを見せる日本映画『ドライブ・マイ・カー』、オスカー受賞済の名監督らが監督を務める最新作『ナイトメア・アリー』マクベス、マギー・ジレンホールが初監督を務め、主演女優賞や脚色賞の候補入りも狙っている『ロスト・ドーター』...などなど。このうち『ドライブ・マイ・カー』を推す声が日本では非常に強く、また実際に前哨戦では圧倒的な強さでしたが、最も重要と言われる組合系の賞で姿を見せなかったのをみると作品賞候補は若干難しいのではというのが私の考えです。そうすると評価は伸び悩んだものの、全米製作者組合賞(PGA)に滑り込み、ニコール・キッドマンのみならずハビエル・バルデムが全米俳優組合賞(SAG)に候補入りした『愛すべき夫婦の秘密』を予想したいと思います。俳優人気も高いですし、アーロン・ソーキンの脚本はかなりアカデミー会員のお気に入りなので...。

 ちなみに、スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は圧倒的興行収入で話題沸騰中ですが、さすがにそれだけで候補入りできるとは思えず(もちろん評価は高いですが)、さすがに作品賞候補はないかなと思っています。

監督賞

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その他

ケネス・ブラナー『Belfast』
アダム・マッケイ『Don't Look Up』
ジュリア・デュクルノー『Titane』など...

 

 監督賞は、作品賞を狙う作品としては必ずといっていいほどノミネートしておきたい部門です。過去、この部門でノミネートされずに作品賞を受賞した作品はたったの5本です。

 というわけで、作品賞の受賞に最も近い『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェーン・カンピオンの候補入りはLOCKでしょう。すでに『ピアノ・レッスン』で候補入り経験もあり、非常に尊敬されている女性監督です。また、『DUNE/デューン 砂の惑星』のドゥニ・ヴィルヌーヴもかなり強く、監督賞候補は当確と言ってよいでしょう。

 当初もしかしたら候補入りしないのではと言われていたリコリス・ピザ』のポール・トーマス・アンダーソンは、賞レース後半で着実に勢いを増しており、ほぼ当確の位置まで近づいています。私個人としても大好きな監督なので、応援したいと思います。

 『ウエスト・サイド・ストーリー』のスティーヴン・スピルバーグは、英国アカデミー賞(BAFTA)で候補漏れしてしまったものの、全米監督組合賞(DGA)などでは着実に結果を残していること、圧倒的な知名度があることを考慮すると、候補入りまではいけるかなと予想をしてみました。...が残念ながらノミネーション落ちしてしまう可能性は、なきにしもあらず...というのが正直なところです。ベルファスト』のケネス・ブラナーも、全米監督組合賞(DGA)に入ったものの、俳優が監督した時はなぜか監督賞で無視される例が多く(ブラッドリー・クーパーベン・アフレックなど)、候補漏れの可能性は高いと言われています。もっともケネス・ブラナーは『ヘンリー五世』で監督賞にあがってはいるのですが...。

 さて仮にスティーヴン・スピルバーグケネス・ブラナーが候補落ちした場合、そこに入るのは誰なのか。最も可能性が高いのは、我らが『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介でしょう。全米監督組合賞(DGA)では候補入りしなかったものの、英国アカデミー賞(BAFTA)で候補入り。そもそもこの監督賞という部門は、作品賞よりも外国語映画に対して懐が広いことでも知られていて、今までも『アナザーラウンド』『COLD WAR あの歌、2つの心』『愛、アムール』『潜水服は蝶の夢を見る』などがその例として挙げられます。『パラサイト 半地下の家族』や『ROMA ローマ』ほどの勢いはないものの、サプライズに上がる可能性は高く、希望を込めて今回は濱口竜介を予想してみました。

主演女優賞

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その他

アラナ・ハイム『Licorice Pizza』
レイチェル・ゼグラー『West Side Story
ジェニファー・ハドソン『Respect』
エミリア・ジョーンズ『CODA』など...

 

 賞レース前、受賞は『スペンサー ダイアナの決意』のクリステン・スチュワートで決まりと言われていました。オスカーは実在の人物を演じると受賞しやすいと言われており、それもあのダイアナ妃。実際クリステン・スチュワートの演技は前評判に負けないほど素晴らしいようで、瞬く間にBUZZは拡大していきました。

 しかしながらゴールデングローブ賞では受賞を逃し、最も重要な賞である全米俳優組合賞(SAG)ではまさかの候補落ち。これは全ての予想屋を震え上がらせたと言っても過言ではないでしょう。おそらくクリステン・スチュワートが『トワイライト』シリーズで有名になったスター女優というイメージが未だに業界内では強いのかもしれません。スキャンダルが頭に残っている映画人も多いのも一つの要因でしょうか。監督が独特な作品を撮るパブロ・ララインであり、大衆受けしていないのも大きいのかもしれません。実際『スペンサー ダイアナの決意』は他の部門の組合賞でも無視されており、英国アカデミー賞(BAFTA)などでも衣装デザイン賞や作曲賞で無視されているのを考えると作品パワーの弱さが影響しているのかもしれません。(批評家からの評価は高いのですが...。)

 ではゴールデングローブ賞クリステン・スチュワートを破ったのは誰か。それは『愛すべき夫婦の秘密』のニコール・キッドマンでした。すでにオスカーを受賞済みの大スター。そんな彼女が一歩オスカーに近づいています。

 しかし今回、ゴールデングローブ賞、ブロードキャスト映画批評家協会賞、全米俳優組合賞(SAG)、英国アカデミー賞(BAFTA)という重要な4つの賞をコンプリートした主演女優はたったの一人、『ハウス・オブ・グッチ』のレディー・ガガです。作品が賛否分かれていたことが彼女の足を引っ張ると思われていましたが、今の所、勢いをキープしており、候補入りまでは間違いないように思います。

 その他、『タミー・フェイの瞳』のジェシカ・チャステイン『ロスト・ドーター』のオリヴィア・コールマンなどが強いと言われています。ジェシカ・チャステインはすでに2度の候補経験がありそろそろ受賞するべき女優さんとも言われているほどの名優さんです。今回はメイクアップの力も借り実在の人物を見事に演じているようです。オリヴィア・コールマンは『女王陛下のお気に入り』でオスカーをすでに受賞した女優さん。本当に演技が巧く、スピーチも毎回ユーモアに富み非常にチャーミング。アカデミー会員に好かれているのもあり、非常に有力です。

 もしクリステン・スチュワートが前述の理由で候補落ちするとしたら誰が入るでしょうか。批評家系の賞で強かったリコリス・ピザ』のアラナ・ハイムでしょうか。『ウエスト・サイド・ストーリー』のレイチェル・ゼグラー『コーダ あいのうた』のエミリア・ジョーンズなどの作品パワーが強いかつ若手の女優さんがくるのでしょうか。全米俳優組合賞(SAG)にサプライズ候補入りした『リスペクト』のジェニファー・ハドソンの可能性も捨て切れません。でも個人的には結局クリステン・スチュワートがくるのでは、いやきて欲しいと願っています。

 最後に一部の人が予想している『Parallel Mothers』のペネロペ・クルスについて。ペネロペ・クルスは『それでも恋するバルセロナ』でアカデミー賞をすでに受賞している名優で、実際今回も候補入りする可能性もあるにはありそうです。しかしながら、ゴールデングローブ賞、ブロードキャスト映画批評家協会賞、全米俳優組合賞(SAG)、英国アカデミー賞(BAFTA)という重要な4つの賞のどこにも候補入りしていないことを考えると非常に厳しいように思います。今まで重要賞に現れず候補入りした例としては、『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』のラキース・スタンフィールドや『ROMA ローマ』のマリナ・デ・タヴィラなどですが、どちらも作品賞パワーが非常に強く、それに引っ張られた形でノミネートされています(もちろん演技が素晴らしいのもあります)。一方『Parallel Mothers』は国際長編映画賞のスペイン代表に選出されていないだけでなく、他の部門でも作曲賞以外の浮上は難しい状況。作品自体の評価は高くても、賞レースでのパワー不足は否めず、ペネロペ・クルスの候補入りは難しいと考えます。私個人としては『Parallel Mothers』は非常に期待している作品なのですが...。

主演男優賞

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その他

ハビエル・バルデム『Being the Ricardos』
ニコラス・ケイジ『Pig』
ホアキン・フェニックス『C'mon C'mon』
マハーシャラ・アリSwan Song』など...

 

 批評家に最も愛されたのは間違いなく『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のベネディクト・カンバーバッチです。ジェーン・カンピオンの新作での彼の存在感は圧倒的で、本当に素晴らしい演技でした。もう一人の本命は『ドリームプラン』のウィル・スミスです。映画界が誇る大スターであり、オスカーの候補経験もあるウィル・スミス。今回ついにオスカーも受賞するのではと言われています。この二人は間違いなく候補入りすると思われます。

 上記のTop2を追いかけるのは、tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』のアンドリュー・ガーフィールドマクベス』のデンゼル・ワシントンです。どちらも英国アカデミー賞(BAFTA)では候補落ちをしてしまいましたが、英国アカデミー賞(BAFTA)の投票方法は2021年より変わっており、ノミニーが尖っている傾向にあるのでそこまで痛手ではないはずです。どちらも確実とは言い切れませんが、ネームバリュー・評価共に高く、強いことは間違いないでしょう。

 以上で4枠が埋まるとすれば、あと1枠。この1枠に頭をかかえる人も多いでしょう。賞レース中盤まで勢いのあったのは『シラノ』のピーター・ディンクレイジです。テレビドラマで活躍しながら、映画界でも『スリー・ビルボード』などの傑作にも出演を続ける俳優さんです。今回はジョー・ライト監督のミュージカル映画で、素晴らしい演技を披露していると話題沸騰中です。ただし実は作品自体の評価はそこそこにとどまっており、映画の全米公開日も遅いことから作品がしっかりアカデミー会員に浸透していない可能性が考えられます。実際、ピーター・ディンクレイジは最も重要な全米俳優組合賞(SAG)で候補入りを逃しています。これが一体何を意味するのか。

 では全米俳優組合賞(SAG)で代わりに候補入りしたのは誰か。そう、『愛すべき夫婦の秘密』のハビエル・バルデムです。作品自体の評価は低めではあるものの、作品のBUZZは伸びていて、ニコール・キッドマンと一緒にノミネートされる可能性は非常に高いと思います。また、候補入りは厳しいと言われていた『ドント・ルック・アップ』のレオナルド・ディカプリオ英国アカデミー賞(BAFTA)にノミネートされてから再び勢いが増しています。ただし英国アカデミー賞(BAFTA)は、アカデミー賞の投票終了後にノミネーション発表されたため、どこまで影響するかは未知数というのが正直なところです。(英国アカデミー賞(BAFTA)の演技賞の投票方法は2021年から変わっていて、トップの2人以外は少人数の審査員による調整が入るようで、米国のアカデミー賞の投票方法とは大きく異なっています。)

 批評家系の賞で非常に強かったのは『Pig』のニコラス・ケイジです。既にオスカーを受賞している名優ニコラス・ケイジですが、近年はあまり評判の良くない作品を連発しており、完全に下降気味。そんな彼が久々に素晴らしい作品で素晴らしい演技を披露していると批評家の中で非常に話題になっています。ただし、賞レース前半で快走したからといってアカデミー賞にもノミネートされるとは限らないのが賞レースの面白いところであり、残酷なところで、例えば『魂のゆくえ』のイーサン・ホークや、『ヘレディタリー 継承』のトニ・コレット、『アンカット・ダイヤモンド』のアダム・サンドラーのように、評判が非常によく前半勢いあったにもかかわらず、オスカーまで届かないパターンになってしまうかもしれません。

 そのほか、『カモン カモン』が後半伸びれば、『カモン カモン』のホアキン・フェニックスが来るかもしれませんし、『スワン・ソング』のマハーシャラ・アリが滑り込む可能性もあります。個人的な希望はピーター・ディンクレイジですが、最後の一枠は大きく開かれており、誰が来てもおかしくないです。

助演女優賞

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その他

アン・ダウド『Mass』
リタ・モレノWest Side Story
マーリー・マトリン『CODA』
ケイト・ブランシェット『Nightmare Alley』
ジェシー・バックリー『The Lost Daughter』など...

 

 『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズは、助演女優賞の受賞が確実と言われており、候補入りはほぼ当確と言えるでしょう。『ウエスト・サイド・ストーリー』の勢いはやや下降傾向ですが、作品自体の評価は非常に高く、彼女の圧倒的なパフォーマンスは圧巻という声は非常に大きいため、ノミネーションは間違いないと思われます。オリジナル版で同じ役柄で助演女優賞を受賞し、今回も主演している『ウエスト・サイド・ストーリー』のリタ・モレノとの票割れのみがやや気がかりですが、勢いをかき消すほどの心配要素ではないでしょう。

 重要賞でノミネーションされているベルファスト』のカトリーナ・バルフも強いでしょう。実は批評家の賞では受賞はほとんどしておらず、その点ではやや不安ですが、それでも候補入りまでは大丈夫なのではと思います。批評家好みで終わるかと思われた『PASSING 白い黒人』のルース・ネッガも強いです。作品が小品であることが気にかかりますが、候補経験もある女優さんで、作品・演技ともに評価が高いことから、候補入りが期待されます。白人と偽り生きる女性を繊細に大胆に演じており、本当に素晴らしい演技でした。

 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のキルスティン・ダンスト英国アカデミー賞(BAFTA)で候補漏れ、『ドリームプラン』のアーンジャニュー・エリスは最重要である全米俳優組合賞で候補漏れしてしまいましたが、携えている作品はどちらも勢いのある作品で、アカデミー賞では候補入りまでは安全なのではと考えています。特に英国アカデミー賞は独特な選考方法なので、そこまで影響はないかなと思います。絶対とは言い切れませんが...。

 その他有力なメンバーとしては、リタ・モレノをはじめ、『Mass』のアン・ダウド『コーダ あいのうた』のマーリー・マトリン『ナイトメア・アリー』のケイト・ブランシェットあたりでしょうか。個人的に応援しているのはアン・ダウドです。テレビや映画などの名バイプレイヤーとして知られる女優さんで、今回の作品も非常に素晴らしい演技との声があがっています。作品規模が非常に小さく、賞レースでもそこまで快走していないことを考えると、やや難しいかなと思っています。可能性は0ではないので、個人的には滑り込んで欲しいのですが...。全米俳優組合賞(SAG)でサプライズ候補となったケイト・ブランシェットも有力ですが、他メンバーが強力なため、オスカー候補入りの可能性はそこまで高くないように思います。

助演男優賞

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その他

ジェシー・プレモンス『The Power of the Dog』
ジェイミー・ドーナン『Belfast』
ベン・アフレック『The Tender Bar』
J・K・シモンズ『Being the Ricardos』
マイク・ファイスト『West Side Story』など...

 

 今年も混沌が予想されていた助演男優賞部門ですが、トップのメンバーたちは固まってきたように思います。批評家に最も愛され、現在フロントランナーと言われているのは、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のコディ・スミット=マクフィです。作品がお披露目された段階では、主演のベネディクト・カンバーバッチや、キルスティン・ダンストなどの方が注目を集めており、コディ・スミット=マクフィは候補入りすら怪しいと言われておりました。しかしながら蓋を開けてみると、ノミネートどころが受賞も近い位置に。今最も勢いのある若手俳優さんです。

 彼の受賞に待ったをかけるのが、『コーダ あいのうた』のトロイ・コッツァです。重要賞全てに候補入りし、作品内でも圧倒的な存在感・ユーモアセンス、そして素晴らしい演技を披露しており、勢いは増すばかり。私も拝見しましたが、最後には彼に泣かされること間違いなしの演技です。彼の候補入りもLOCKとして良いでしょう。

 全米俳優組合賞(SAG)での衝撃はベルファスト』のキアラン・ハインズ、及びジェイミー・ドーナンが候補落ちしたことです。近年、助演部門は同じ作品からのダブルノミネートが続いていて、今年もそれが実現すると思われていましたが、今の勢いを見る限りどちらかが候補漏れしてもおかしくないように思います。キアラン・ハインズは勢いがあるため候補入り可能性はたかそうですが、ジェイミー・ドーナンはノミネーションも怪しい位置にいるでしょう。

 全米俳優組合賞(SAG)に入ったのは『ハウス・オブ・グッチ』のジャレット・レトリコリス・ピザ』のブラッドリー・クーパー『僕を育ててくれたテンダー・バー』のベン・アフレックです。ジャレット・レトは作品評価が低いものの、圧倒的なメイクの力を借り全くの別人に返信。俳優人気も高そうなので、酷評を吹き飛ばし候補入りするかもです。ブラッドリー・クーパーは皆が認める演技派でありスター俳優でもありますが、今回は出演時間がごくわずか。そこがマイナスになるかもしれません。

 他に考えらるのは『愛すべき夫婦の秘密』のJ・K・シモンズ『ウエスト・サイド・ストーリー』のマイク・ファイストなど。もし『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の勢いに乗った場合、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェシー・プレモンスがサプライズで入るかもしれません。今年の助演でのダブルノミネートはベルファストではなく『パワー・オブ・ザ・ドッグ』なのでは...、とも言われているようです。

脚本賞

  • Being the Ricardos『愛すべき夫婦の秘密』
  • Belfast『ベルファスト
  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • King Richard『ドリームプラン』
  • Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
その他

The French Dispatch『フレンチ・ディスパッチ』
C'mon C'mon『カモン カモン』
Mass
The Worst Person in the World など...

 

 Original Screenplayこと脚本賞のトップ5はかなり固まってきていて、予想しやすいと言えるでしょう。逆に言えば、予想する側としてはあまり面白くない部門かもしれません。

 その5本というのは、『愛すべき夫婦の秘密』ベルファスト『ドント・ルック・アップ』『ドリームプラン』リコリス・ピザ』です。このうちベルファスト『ドント・ルック・アップ』『ドリームプラン』リコリス・ピザ』の4本はかなり強いでしょう。

 もし大きなサプライズがあるとしたら『愛すべき夫婦の秘密』の枠でしょうか。『愛すべき夫婦の秘密』を押しのけて候補入りする可能性があるのは、『フレンチ・ディスパッチ』『カモン カモン』『Mass』『The Worst Person in the World』あたり。特に現実的なのは『フレンチ・ディスパッチ』かもしれませんが、個人的にはThe Worst Person in the World』がくるかもと思っています。脚色賞の『ドライブ・マイ・カー』と並んで外国語映画が脚本で評価される可能性はそう低くないと思います。

 ただ、結局は『愛すべき夫婦の秘密』で落ち着くのかなと思っています。監督と脚本を務めたアーロン・ソーキンが非常に脚本部門で愛されている、というのがその根拠です。

脚色賞

  • CODA『コーダ あいのうた』
  • Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • The Lost Daughter『ロスト・ドーター』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

その他

tick, tick... BOOM!『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』
West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』
Nightmare Alley『ナイトメア・アリー』
The Tragedy of Macbeth『マクベス
Passing『PASSING -白い黒人-』など...

 

 Adapted Screenplay、つまり脚色賞は原作などが存在する脚本へ与えらえる賞です。フロントランナーは、作品賞本命である『パワー・オブ・ザ・ドッグ』です。また原作が大変有名な『DUNE/デューン 砂の惑星も、SFでありながら非常に有力です。この2作品は余程のことがない限りノミネートされるでしょう。

 フランスの映画『エール!』をリメイクした『コーダ あいのうた』も非常に有力です。全米脚本家組合賞にも候補入りしており、作品の勢いもあることを考えると、こちらもノミネートまでは安全かなと思っています。

 残りの2枠が難しいのですが、順当にいけばマギー・ジレンホールの『ロスト・ドーター』がくるように思います。日本からは『ドライブ・マイ・カー』英国アカデミー賞(BAFTA)にノミネートされており、安全とは言えませんが候補入りする可能性は大いにあり得そうです。『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』『ウエスト・サイド・ストーリー』などがくる可能性もありますが、ミュージカル映画というのがどこまで影響するか。特に『ウエスト・サイド・ストーリー』は元々有力候補だったにもかかわらず英国アカデミー賞(BAFTA)では落選。案外厳しい立ち位置にいるのかもしれません。

撮影賞

その他

West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』
The French Dispatch『フレンチ・ディスパッチ』
Cyrano『シラノ』
No Time to Die『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』など...

 

 全米撮影組合賞とブロードキャスト映画批評家協会賞、そして英国アカデミー賞(BAFTA)でコンプリートノミネートされた作品で且つ、候補入りも安全圏内だと思われるのはで『DUNE/デューン 砂の惑星『パワー・オブ・ザ・ドッグ』マクベスの3本だと思います。

 一方で当初強いと思われていた『ウエスト・サイド・ストーリー』は完全に失速。個人的に予告編を観る限り、なぜ『ウエスト・サイド・ストーリー』がここまで撮影賞で無視されているのが理解ができないのですが、大変厳しい位置にいることは間違いないようです。代わりに前述した3つの賞をコンプリートしたのは『ナイトメア・アリー』です。『ナイトメア・アリー』もオスカーでノミネートを勝ち取りそうだなと思っています。

 最後の一枠は、全米撮影組合賞などで快走しているベルファストかなと思っています。他の作品の方がノミネートされるべきという声もちらほら聞こえてきますが、白黒映画というのはこの部門では愛されがちなので、私はベルファストを予想したいと思います。

 その他、『ウエスト・サイド・ストーリー』をはじめ、『フレンチ・ディスパッチ』『シラノ』『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』あたりが匂う気がします。

編集賞

その他

No Time to Die『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』
West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』
King Richard『ドリームプラン』
tick, tick... BOOM!『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』
Summer of Soul (…Or, When the Revolution Could Not Be Televised)『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』など...

 

 編集賞は、監督賞や脚本・脚色賞に並び非常に重要な部門と言われています。作品賞受賞を目指す作品は、是非ともこの部門のノミネートを勝ち取っておきたいものです。

 ということで作品賞本命の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』英国アカデミー賞(BAFTA)を落としているものの、オスカーでは復活できるのではと思っています。その他『DUNE/デューン 砂の惑星』『ベルファストも非常に強く全米編集者組合賞などで候補入りしていることから、オスカーでもノミネーションを勝ち取るだろうと言われています。

 さて残り2枠の戦い。有力なのは『ドント・ルック・アップ』『リコリス・ピザ』『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』などでしょうか。今回の予想では、個人的に編集が素晴らしいと思った『ドント・ルック・アップ』と、監督を応援しているリコリス・ピザ』を予想しました。『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』英国アカデミー賞(BAFTA)に候補入りしていますが、なんとなくイギリス映画だったからという要素もあったと思うので、今回は外しました。

 ダークホースは『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』でしょうか。『ウエスト・サイド・ストーリー』は完全に失速。また、個人的に編集が本当に素晴らしいと思ったのはドキュメンタリーの『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』。まぁ何れにしても、上位の作品を打ち破るのは困難な気がします。

美術賞

その他

Cyrano『シラノ』
Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
Cruella『クルエラ』
Belfast『ベルファスト』など...

 

 映画のセットや小物などの美しさを思いっきり堪能するのも映画の醍醐味の一つですよね。毎年美術賞に候補入りする作品たちは、みているだけで美術の美しさにうっとりしてしまうものばかりです。

 今年候補落ちが考えられないと多くの予想屋が太鼓判を押すのが、『DUNE/デューン 砂の惑星』『フレンチ・ディスパッチ』『ナイトメア・アリー』『ウエスト・サイド・ストーリー』の4本です。ウェス・アンダーソン作品の美術の美しさはもちろんですし、ギレルモ・デル・トロ作品の美的センスも独特で素晴らしい、『DUNE/デューン 砂の惑星のSFらしいスケールの大きい美術も見ものです。『ウエスト・サイド・ストーリー』は、英国アカデミー賞(BAFTA)の他部門では無視されがちだったものの、美術賞はしっかりおさえており、この部門の候補入りは安全圏内です。

 残り一枠に頭を抱えているのですが、私はマクベスを予想。本当に美しい美術でしたので、是非皆さんも観てみてください。マクベスの代わりに他が入るとすれば、『シラノ』リコリス・ピザ』などでしょうか。特に『シラノ』がどこまでアカデミー会員に浸透しているのか、ピーター・ディンクレイジの主演男優賞と含めて注目です。

衣装デザイン賞

その他

Cyrano『シラノ』
The French Dispatch『フレンチ・ディスパッチ』
The Green Knight など...

 

 候補入り安全圏内に入っていると言えるのは、『クルエラ』『DUNE/デューン 砂の惑星でしょう。特に『クルエラ』は衣装が主題の映画であり、エマ・ストーンはじめとするキャラクターたちが着ているゴージャスでアイデア満載の衣装を、たくさん堪能できる映画でしたよね。

 また、『ナイトメア・アリー』も非常に有力でしょう。全米衣装デザイナー組合賞をはじめとした様々な賞に候補入りしており、順当に行けば候補入りまではいけるのではと思います。

 衣装主体の映画といえば、あのグッチ一族を描いた『ハウス・オブ・グッチ』です。英国アカデミー賞(BAFTA)では候補漏れしたものの、レディー・ガガの主演女優賞BUZZと共にこちらも勢いありで、なんとかノミネーションは勝ち取るのではと思われます。

 ギリギリのラインにいるのは『ウエスト・サイド・ストーリー』英国アカデミー賞(BAFTA)での候補落ちによりやや勢いは下降気味...、ではあるものの、予告を見る限り本当に素晴らしい衣装ばかりで、普通に考えればノミネートされそうだと思っています。もし仮に別の作品が入るとすれば、『シラノ』『フレンチ・ディスパッチ』などが強いと思われます。

メイクアップ&ヘアスタイリング賞

  • Coming 2 America『星の王子 ニューヨークへ行く2』
  • Cruella『クルエラ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • The Eyes of Tammy Faye『タミー・フェイの瞳』
  • House of Gucci『ハウス・オブ・グッチ』

その他

Being the Ricardos『愛すべき夫婦の秘密』
Nightmare Alley『ナイトメア・アリー』
Cyrano『シラノ』
The Suicide Squad『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』
West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』

 

 全米メイクアップアーティスト&ヘアスタイリスト組合賞やブロードキャスト映画批評家協会賞などの重要賞にノミネートされた『クルエラ』『DUNE/デューン 砂の惑星』『タミー・フェイの瞳』『ハウス・オブ・グッチ』の4本は圧倒的な強さがあり、どの作品も候補入りまではかたいと思います。

 もし上記の4作品が入るとすると、他の作品は残りの一枠をかけた戦いになると考えられます。その座を狙うのは、『星の王子 ニューヨークへ行く2』『愛すべき夫婦の秘密』『シラノ』『ナイトメア・アリー』『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』など。この中だと『愛すべき夫婦の秘密』『ナイトメア・アリー』あたりが作品力を携えて滑り込む可能性がありそうですが、個人的には『星の王子 ニューヨークへ行く2』を予想します。年寄りメイクなどは非常にオスカー好みであり、コメディ映画は何気にこの部門は強いため、この作品を予想したいと思います。

 その他ショートリストに残っているのは、『ウエスト・サイド・ストーリー』。サプライズももしかしたらあるかもしれません。

音響賞

その他

Belfast『ベルファスト
The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
The Matrix Resurrections『マトリックス レザレクションズ』
tick, tick... BOOM!『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』
Last Night in Soho『ラストナイト・イン・ソーホー』

 

 前回より録音賞と音響編集賞が一つに。今回の予想は全米録音監督組合賞と全米音響効果監督組合賞の両者を参考にしながら、作成いたしました。

 有力なのは、『DUNE/デューン 砂の惑星『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』です。どちらも大作であり、それぞれSFとスパイアクションというジャンルであり、非常に音響が効果的に使われています。『DUNE/デューン 砂の惑星が作品として合わなかった人も、音響の素晴らしさだけは同意していただけると思います。

 また大作といえば、MCUの特大ヒット作、スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が有力と言われています。またこの部門はミュージカル映画も有力で、今年でいうと『ウエスト・サイド・ストーリー』『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』がそれにあたります。この2本だと『ウエスト・サイド・ストーリー』がより候補可能性が高そうです。

 そして今回私はちょっと挑戦的にクワイエット・プレイス 破られた沈黙』を予想してみました。前作もオスカーの音響編集賞に候補入りしているため、この作品を予想してみました。『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の可能性も高そうですが...。

視覚効果賞

その他

Godzilla vs. Kong『ゴジラvsコング』
Free Guy『フリー・ガイ』
Ghostbusters: Afterlife『ゴーストバスターズ アフターライフ』など...

 

 確実に候補入り、そしておそらく受賞するのは『DUNE/デューン 砂の惑星でしょう。こちらの候補入りは当確として良いと思います。また『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』『マトリックス レザレクションズ』の2作品も非常に強く、視覚効果賞候補入りも安全圏内です。

 残りの2枠がやや流動的で迷いどころですが、興行成績が無視できないスパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム』と、同じくMCUでそれなりの評価を得ている『シャン・チー/テン・リングスの伝説』を予想しました。どちらも超大作で、わかりやすい視覚効果をふんだんに使用しているので、そういう意味でも強力です。

 逆転を狙うのは、ゴジラvsコング』『フリー・ガイ』ゴーストバスターズ アフターライフ』でしょうか。後者2作品は英国アカデミー賞(BAFTA)、前者1作品は全米視覚効果組合賞にノミネートされており、可能性は0ではありません。

 その他ショートリストに残っているのはMCU『エターナルズ』『ブラック・ウィドウ』。ただしどちらも難しい位置にあると言って良いでしょう。

作曲賞

  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Encanto『ミラベルと魔法だらけの家』
  • The French Dispatch『フレンチ・ディスパッチ』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

その他

Being the Ricardos『愛すべき夫婦の秘密』
Pararell Mothers
Spencer『スペンサー ダイアナの決意』など...

 

 受賞を狙うのは『DUNE/デューン 砂の惑星ハンス・ジマーです。彼の候補落ちはないでしょう。また『ドント・ルック・アップ』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』も非常に強く、候補入りまでは順調にいけるのではと言われています。

 常連である『フレンチ・ディスパッチ』アレクサンドル・デスプラは、ブロードキャスト映画批評家協会賞で候補漏れしてしまいましたが、他では強く、こちらもかなり有力です。

 残りの枠に収まりそうなのはおそらく『ミラベルと魔法だらけの家』『愛すべき夫婦の秘密』『Pararell Mothers』のどれか。『愛すべき夫婦の秘密』が入りそうな気がしていますが、ディズニー映画でスコアも絶賛されている『ミラベルと魔法だらけの家』を予想してみました。

 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』といえば、同じ作曲家の『スペンサー ダイアナの決意』も有力ですが、賞レースではふるっておらず、難しいでしょう。

歌曲賞

  • "Down to Joy"『ベルファスト
  • "Just Look Up"『ドント・ルック・アップ』
  • "Dos Oruguitas"『ミラベルと魔法だらけの家』
  • "Be Alive"『ドリームプラン』
  • "No Time to Die"『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』

その他

"Somehow You Do"『Four Good Days
"Here I Am (Singing My Way Home)"『リスペクト』
"Beyond the Shore"『コーダ あいのうた』
"Guns Go Bang"『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール:報復の荒野』など...

 

 今年の主題歌のラインナップは非常に豪華。ビリー・アイリッシュ"No Time to Die"『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』ビヨンセ"Be Alive"『ドリームプラン』を筆頭に、アリアナ・グランデ"Just Look Up"『ドント・ルック・アップ』も非常に有力です。

 またあのリン=マニュエル・ミランダが曲を手がけた"Dos Oruguitas"『ミラベルと魔法だらけの家』も候補入りしそうです。もともとディズニー音楽は強いですからね。

 作品の勢いを信じれば"Down to Joy"ベルファストも強そうです。無冠の女王であるダイアン・ウォーレンの"Somehow You Do"『Four Good Daysも注目です。ネームバリューでいえば、キッド・カディとジェイ・Zの"Guns Go Bang"『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール:報復の荒野』がくるかもしれません。もちろん曲も素晴らしいです。ゴールデングローブ賞にノミネートされた"Here I Am (Singing My Way Home)"『リスペクト』も可能性はありそうです。

長編アニメーション賞

  • Encanto『ミラベルと魔法だらけの家』
  • Flee
  • Luca『あの夏のルカ』
  • The Mitchells vs. the Machines『ミッチェル家とマシンの反乱』
  • Raya and the Last Dragon『ラーヤと龍の王国』

その他

Belle『竜とそばかすの姫』
Vivo『ビーボ』
Ron's Gone Wrong『ロン 僕のポンコツ・ボット』
The Summit of the Gods など...

 

 この部門はほぼノミネーションは固定されていて、波乱なければ5本はもう決まっています。その5本とは...、『ミラベルと魔法だらけの家』『Flee』『あの夏のルカ』『ミッチェル家とマシンの反乱』『ラーヤと龍の王国』です。ディズニー映画から『ミラベルと魔法だらけの家』『ラーヤと龍の王国』ピクサーから『あの夏のルカ』、そしてNetflixソニーからは『ミッチェル家とマシンの反乱』が参戦。ドキュメンタリー映画でアニメーションでもあるという異色の作品Flee』も圧倒的な強さを発揮しています。受賞は『ミラベルと魔法だらけの家』『ミッチェル家とマシンの反乱』のどちらかでしょう。

 日本からは『竜とそばかすの姫』がノミネートを狙っていますが、上位5本が強すぎるため、やや難しいというのが正直なところでしょう。

長編ドキュメンタリー賞 

  • Flee
  • Procession『プロセッション -救済への行進-』
  • The Rescue『THE RESCUE/奇跡を起こした者たち』
  • Summer of Soul (…Or, When the Revolution Could Not Be Televised)『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』
  • The Velvet Undergroundヴェルヴェット・アンダーグラウンド

その他

Ascension
Attica
Julia
President
Billie Eilish: The World’s a Little Blurry『ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている』など...

 

 この部門は毎年波乱が起こりやすい部門です。毎年最も賞レースを快走していた作品がなぜかノミネートされないという事件が起きているからです。

 そんな中今年賞レースを快走しているのは3本。それは『Flee』『THE RESCUE/奇跡を起こした者たち』『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』です。何もなければ全てノミネートされそうですが、前述の通りフロントランナーでも平気で候補漏れする部門なので、どの作品も確実とはいえません。...が、色々考えても何も始まらないので、とりあえず3本全部が候補入りするとして予想を立てました。ちなみに『THE RESCUE/奇跡を起こした者たち』は試写会で、『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』は劇場で鑑賞しましたが、どちらも大大大傑作でしたのでぜひ。

 残りの枠は非常に難しく、とりあえずよく耳にしたヴェルヴェット・アンダーグラウンド『プロセッション -救済への行進-』を予想しました。

国際長編映画賞 

  • Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』(日本)
  • Flee (デンマーク)
  • The Hand of God『The Hand of God』(イタリア)
  • A Hero『英雄の証明』(イラン)
  • The Worst Person in the World (ノルウェー)

その他

Compartment No. 6 (フィンランド)
I'm Your Man『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』(ドイツ)
Prayers for the Stolen (メキシコ) など...

 

 アカデミー賞常連の監督といえば、イランのアスガー・ファルハディ監督。同じくオスカー受賞済みのイタリアのパオロ・ソレンティーノ監督。彼らは今回それぞれ『英雄の証明』『The Hand of God』を携えて参戦。非常に有力です。

 また我らが日本からは、濱口監督の『ドライブ・マイ・カー』参戦。正直他の作品よりも圧倒的な強さで、受賞も最も近い位置にいます。

 その受賞に待ったをかけられる作品はノルウェー『The Worst Person in the World』かもしれません。今回参戦しているどの作品よりもチャーミングで素晴らしいという評価もあがっており、受賞可能性もあります。

 『Flee』は誰も成し遂げていない長編ドキュメンタリー賞・長編アニメーション賞・国際長編映画賞のトリプルノミネートを目指します。実現すれば歴史的出来事として語り継がれるでしょう。もしかするとフィンランド『Compartment No. 6』、ドイツのアイム・ユア・マン 恋人はアンドロイドがそれを阻止するかもしれませんし、メキシコのPrayers for the Stolenのサプライズもあるかもです。非常に注目の部門ですね!

短編映画賞

  • Censor of Dreams
  • The Long Goodbye
  • Tala'vision
  • When the Sun Sets
  • You're Dead Helen

 

 他には『天空の下で』『あのクリスマス』なども有力です。

短編アニメーション賞

  • Only a Child
  • Robin Robin『ことりのロビン』
  • Step into the River
  • Us Again『あの頃をもう一度』
  • The Windshield Wiper

 

 ディズニーから『あの頃をもう一度』が参戦。『ことりのロビン』Netflixで観れます。

短編ドキュメンタリー賞

  • Audible『オーディブル:鼓動を響かせて』
  • Coded: The Hidden Love of J.C. Leyendecker
  • The Queen of Basketball
  • Three Songs for Benazir『ベナジルに捧げる3つの歌』
  • When We Were Bullies

 

 オーディブル:鼓動を響かせて』『ベナジルに捧げる3つの歌』Netflixですでに観ることができますので是非。

まとめ

さていかがでしたか?大変長い駄文になってしまいましたが、楽しんでいただけたら幸いです。あくまで予想なので外れる可能性の方が高いですが(笑)

第94回アカデミー賞は現地時間2/8の朝に発表予定となっています。

皆さんもぜひ予想を立てて挑んでみてください。

それでは、また、次回!