第93回アカデミー賞ノミネート予想
早速アカデミー賞ノミネート予想第一弾です。
とは言っても、まだこの時期なので作品賞(多めに)10本のみ予想しながら、それぞれ他の部門何にノミネートされそうかも考察していきます。若干自分の希望も入ってますが...
まぁ、この時期に当てるのは恐ろしく難しいです。去年ですと『パラサイト』『マリッジ・ストーリー』などを去年のこの時期に予想していた人はほとんどいなかったと思います。
ただ一方で、いくつかの作品は今のうちからあからさまに有力であるオーラを出している作品もあります。去年でいうと『アイリッシュマン』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』など巨匠の作品は予想しやすいです。
それらをふまえつつ予想をしていきましょう!(順番は個人的な可能性が高いと思う順序です。)
作品賞ノミネートざっくり予想
作品賞ノミネート予想ランキング
- Mank
- Nightmare Alley
- West Side Story
- Hillbilly Elegy
- Dune
- The Trial of the Chicago 7
- Da 5 Bloods
- Minari
- The French Dispatch
- Tenet
各作品について
1.Mank
『市民ケーン』の脚本家、ハーマン・J・マンキーウィッツの伝記映画です。
- 監督がデヴィット・フィンチャー
- 脚本家を題材としている
- ゲイリー・オールドマンが主演
デヴィット・フィンチャー監督は『セブン』や『ファイト・クラブ』をはじめとした様々な名作を生んでいる監督さんです。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『ソーシャル・ネットワーク』では作品賞にノミネートされました。
一方『ドラゴン・タトゥーの女』『ゴーン・ガール』では演技部門などでノミネートされたものの、作品賞にはノミネートされませんでした。
では、今回はどうでしょうか。
"Mank"という作品は、『市民ケーン』という名作を生んだ脚本家についての映画ということで、映画関係の映画が好きなアカデミー会員にはたまらないのではないでしょうか。
つまりアカデミー賞好みの作風ではない『ドラゴン・タトゥーの女』『ゴーン・ガール』よりも圧倒的にアカデミー賞好みということです。
また、主演が名優ゲイリー・オールドマンということも注目でしょう。
『裏切りのサーカス』まで賞レースにゆかりのなかったゲイリー・オールドマンですが、『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』ではついに主演男優賞に輝きました。
今回もまた彼が演技賞に絡んでくるかもしれません。
2.Nightmare Alley
1947年の『悪魔の往く町』のリメイクです。
- ギレルモ・デル・トロ監督の最新作
- ”Nightmare Alley”という傑作小説
- 豪華俳優陣が勢ぞろい
ギレルモ・デル・トロ監督といえば『シェイプ・オブ・ウォーター』で作品賞・監督賞などを獲得したメキシコの監督さんです。
『パンズ・ラビリンス』など不思議な世界観の傑作を作り出す監督だからこそ、期待する声が大きいのも納得です。
おそらく映像も綺麗なものになるので、撮影賞ノミネートにも期待がかかります。
この映画は、"Nightmare Alley"という同名小説の映画化『悪魔の往く町』のリメイクです。
つまり、作品の題材はお墨付き。
また、出演俳優がやたら豪華。
ブラッドリー・クーパー、ケイト・ブランシェット、トニ・コレット、ウィレム・デフォー、リチャード・ジェンキンス、ルーニー・マーラ、ロン・パールマン、デヴィット・ストラザーン...
演技賞でも大健闘しそうです。
3.West Side Story
『ウェスト・サイド物語』の2度目の映画化作品です。
- 巨匠スティーブン・スピルバーグ監督作品
- 名作ミュージカルの1961年版に続く2度目の映画化
- アンセル・エルゴートら出演
ブロードウェイ・ミュージカルが映画化された1961年の『ウェスト・サイド物語』は第34回アカデミー賞で作品賞・監督賞など10部門受賞を果たしました。
今回はその再映画化となるわけです。
そのプレッシャーの大きそうな仕事を担当するのは、スティーブン・スピルバーグです。
『ジョーズ』『E.T.』など誰もが知っている作品が多すぎてきりがないそんな巨匠がこのプロジェクトを監督します。
彼は幅広い作品を生み出しており、『レイダース 失われたアーク』『カラー・パープル』『プライベート・ライアン』『ミュンヘン』などアカデミー賞がらみの作品も非常に多いです。
『シンドラーのリスト』はアカデミー賞作品賞・監督賞などを受賞しており、その年のアカデミー賞の主役でした。
ここ数年だけ見ても、『戦火の馬』『リンカーン』『ブリッジ・オブ・スパイ』『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』などが作品賞などにノミネートされています。
今回も大量ノミネートなるのでしょうか。
4.Hillbilly Elegy
ロン・ハワード監督といえば、『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』『インフェルノ』などを思い浮かべるでしょうか?
作品賞にノミネートされた『ビューティフル・マインド』『フロスト×ニクソン』を思い浮かべるでしょうか?
それとも『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』『ラッシュ プライドと友情』でしょうか?
人気作や高評価作品でアカデミー賞にもよく絡む監督さんで、その次回作がベストセラーの"Hillbilly Elegy"の映画化です。
二代無冠の女王。エイミー・アダムスは6回ノミネート、グレン・クローズは7回ノミネートでどちらもまだ受賞はしていません。
特にグレン・クローズは、第91回アカデミー賞で『天才作家の妻 40年目の真実』で本命視されながら、獲ることができませんでした。
無冠だけどいうまでもない名優の演技賞ノミネートにも注目の一本です。
5.Dune
『デューン』のリブート映画です。
今を代表する映画監督ドゥニ・ヴィルヌーブ。
最新作は、日本でも『砂の惑星』として有名な『デューン』のリブート映画です。
ドゥニ・ヴィルヌーブといえば、『プリズナーズ』『ボーダーライン』『ブレードランナー 2049』が有名で、名作『メッセージ』では作品賞・監督賞などにノミネートされました。
一体どんな雰囲気なのかわかりませんが、技術部門での大量ノミネートも期待されます。
また、出演者にも注目。
ティモシー・シャラメやオスカー・アイザック、レベッカ・ファーガソンなど今注目の俳優さんが多数出演しています。
賞レースの活躍次第では演技賞も大きく期待されます。
予告が待ちきれません。
6.The Trial of the Chicago 7
シカゴ・セブンの裁判の様子を描くドラマ映画です。
- 脚本家としても有名なアーロン・ソーキン監督作
- 政治的な題材でオスカー好みっぽい
- 充実のアンサンブルキャスト
アーロン・ソーキンといえば『ソーシャル・ネットワーク』『マネーボール』『スティーブ・ジョブズ』などの脚本をつとめています。
『モリーズ・ゲーム』では監督もつとめ、高評価を獲得。監督としても今後が期待されています。
彼の次の作品は、ベトナム戦争に反対したデモ参加者のうち告訴された7人(シカゴ・セブン)についてのお話。
もともとスティーブン・スピルバーグも監督として名乗りを上げていたという題材で、多くの人が待ちわびたプロジェクトです。
キャストもベテラン俳優から期待の若手など充実しており、SAGのアンサンブル賞などにもノミネートされるかも!?
7.Da 5 Bloods
スパイク・リー監督の最新作です。
- 監督がスパイク・リー
- ベトナム帰還兵についての物語を豪華キャストで
- ニュートン・トーマス・サイジェルの撮影
監督はスパイク・リー。
『ドゥ・ザ・ライト・シング』でアフリカ系の監督として道を開いだ名監督。
意外とアカデミー賞に絡むかどうかは判断しづらいスパイク・リー監督作ですが、『ブラック・クランズマン』ではその年の主役の一本として高評価を得た名残があり、注目度は高いです。
この映画は、ベトナム帰還兵が再びベトナムを訪れる様子を描きます。
『ブラックパンサー』のチャドウィッグ・ボーズマンや『リチャード・ジュエル』のポール・ウォルター・ハウザーなどが出演。
また、『ドライブ』で撮影を担当したニュートン・トーマス・サイジェルが撮影を担当するということで、撮影賞ノミネートもありうるかも。
作曲賞や演技賞も含めどこまでいけるか目が離せません。
8.Minari
韓国系移民についての物語です。
リー・アイザック・チャン監督作品です。
先日行われたサンダンス映画祭で最高賞を受賞。
信用できるかは別として、Rotten Tomatoesでは今のところ100%をキープしています。
A24で、アジア人キャストで、家族の物語でいうと『フェアウェル』を思い浮かべるかと思います。
こちらの作品も賞は受賞できなかったものの、サンダンス映画祭で話題沸騰。賞レースでも活躍しましたが、アカデミー賞ではスルーされてしまいました。
その原因として、公開日が早すぎたのが一つだと思います。
ではこの作品はどうでしょう。実はまだ公開日が決まっていないので、年の後半公開かつうまく話題をキープできればノミネートは可能だと思います。
サンダンス映画祭で公開された作品としては、『リトル・ミス・サンシャイン』『プレシャス』『6才のボクが、大人になるまで。』『セッション』の例もあるので...
また演技賞でもユン・ヨジョンの助演女優賞やスティーブン・ユァンの助演男優賞も期待されています。
9.The French Dispatch
ウェス・アンダーソン監督の最新作です。
- ウェス・アンダーソン監督の最新作
- ジャーナリストの物語を充実のアンサンブルで
- 不思議で美しい美術に音楽
予告を見る限り、ウェス・アンダーソン節が炸裂してそうな最新作です。
好き嫌いが分かれそうな不思議な世界観を持つウェス・アンダーソンですが、『ファンタスティック Mr. Fox』『ムーンライズ・キングダム』『グランド・ブダペスト・ホテル』『犬ヶ島』などがアカデミー賞に絡んできました。
今回もその世界観が炸裂。
おそらく美術賞や作曲賞などでノミネートも期待できるでしょう。
では、作品賞はどうでしょうか。
公開が早すぎる気もしないではないので、公開された際の評価が大きなカギを握ることになるでしょう。ノミネートのためにも、できるなら大絶賛が欲しい...
キャストももちろん豪華。
ティルダ・スウィントン、ティモシー・シャラメ、エイドリアン・ブロディ、ベニチオ・デル・トロ、フランシス・マクドーマンド、ビル・マーレイ...
演技賞は、どうなるでしょうか。
10.Tenet
クリストファー・ノーラン監督の最新作。
- クリストファー・ノーラン監督による作品
- たくさんのひねりが効いてそうな物語
- ジョン・デヴィット・ワシントン主演
『インセプション』『ダンケルク』で作品賞にノミネートされたクリストファー・ノーラン監督。他にも『メメント』『ダークナイト』『インターステラー』なども手掛ける名監督です。
この監督の作品は、若干難しい感じ(?)の作品の時も多く、この映画もアカデミー賞好みではない可能性があり、技術部門のみに終わる可能性も捨てきれないです。
「インセプション 2.0.」になるかどうかが注目です。
演技部門はどうでしょうか。
『ブラック・クランズマン』で高評価を得たジョン・デヴィット・ワシントンが主演を務めます。合わせ技を使えばいける???いけない???
日本では『TENET テネット』として、9月18日公開予定です。
Runner-up
Nomadland
News of the World
Next Goal Wins
Ammonite
Soul
In the Heights
Red, White, and Water
On the Rocks
The Last Duel
Stillwater
などなど...
まとめ
いかがだったでしょうか。
まだ3月なので簡単な予想でしたが、ワクワクしてきたでしょうか?
今はウイルスの影響で映画館に行きづらくなっていると思いますが、健康に気をつけながら家で映画を楽しみましょう! (この記事の中にもたくさん過去作のタイトルに言及しているので、それらをみかえしてみても良いと思います!)