青い無人島の映画館

アカデミー賞を中心に映画を語っています。映画に興味のある方、アカデミー賞に興味のある方、ぜひ足を運んで頂けると幸いです。

第27回全米映画俳優組合賞(SAG) ノミネート予想

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第27回全米映画俳優組合賞 映画部門ノミネート予想

今回はアカデミー賞の演技賞を占う上で最も重要な賞全米映画俳優組合(以下、SAG)の予想です。

アカデミー賞はアカデミー会員が投票する賞であり、その中でも会員の多くは俳優が占めています。SAGは俳優が俳優を選ぶ賞であり、アカデミー賞との合致度が高いのも納得です。

ただもちろん完全一致というわけではなく、スクリーナーが遅れてしまうなどの理由で多くの投票者がまだ作品に触れられていない作品が無視されてしまうことも多いです。例えば今までだと、オスカーでは存在感を放っていた『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』『ビール・ストリートの恋人たち』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『ジャンゴ 繋がれざる者』などはスクリーナーの問題で無視されていました。

今年はJudas and the Black Messiah』などが公開時期が遅く、スクリーナーの問題で無視される可能性があるように思えます。もちろんこういった作品はこのSAGで無視されても、その後作品評価が十分に浸透すれば、オスカーで浮上することが大いに可能です。

今回は、映画部門全部門の予想をしていきます。

主演女優賞

  1. フランシス・マクドーマンドノマドランド』
  2. ヴィオラ・デイヴィス『マ・レイニーのブラックボトム』
  3. キャリー・マリガン『Promising Young Woman』
  4. ヴァネッサ・カービー『私というパズル』
  5. エイミー・アダムスヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』
  6. ゼンデイヤ『マルコム&マリー』
  7. アンドラ・デイ『The United States vs. Billie Holiday
  8. ソフィア・ローレン『これからの人生』
  9. エリザベス・モス『透明人間』
  10. ケイト・ウィンスレット『Ammonite』

主演男優賞

  1. チャドウィック・ボーズマン『マ・レイニーのブラックボトム』
  2. アンソニー・ホプキンス『ファーザー』
  3. リズ・アーメッドサウンド・オブ・メタル聞こえるということ』
  4. デルロイ・リンドー『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  5. ゲイリー・オールドマン『Mank マンク』
  6. キングズリー・ベン=アディル『あの夜、マイアミで』
  7. タハール・ラヒム『The Mauritanian』
  8. ティーヴン・ユァン『ミナリ』
  9. ベン・アフレック『ザ・ウェイバック』
  10. トム・ハンクス『この茫漠たる荒野で』

助演女優賞

  1. アマンダ・セイフライド『Mank マンク』
  2. エレン・バースティン『私というパズル』
  3. グレン・クローズヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』
  4. オリヴィア・コールマン『ファーザー』
  5. ユン・ヨジョン『ミナリ』
  6. マリア・バカローバ『続・ボラット
  7. ジョディ・フォスター『The Mauritanian』
  8. ヘレナ・ゼンゲル『この茫漠たる荒野で』
  9. シアーシャ・ローナン『Ammonite』
  10. ドミニク・フィッシュバック『Judas and the Black Messiah』

助演男優賞

  1. サシャ・バロン・コーエン『シカゴ7裁判』
  2. レスリー・オドム・Jr『あの夜、マイアミで』
  3. ビル・マーレイオン・ザ・ロック
  4. ダニエル・カルーヤJudas and the Black Messiah』
  5. チャドウィック・ボーズマン『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  6. ポール・レイシー『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』
  7. フランク・ランジェラ『シカゴ7裁判』
  8. マーク・ライランス『シカゴ7裁判』
  9. ヤーヤ・アブドゥル=マーティン・セカンド『シカゴ7裁判』
  10. グリン・ターマン『マ・レイニーのブラックボトム』

キャスト賞(アンサンブル賞)

  1. The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』
  2. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
  3. Promising Young Woman
  4. One Night in Miami『あの夜、マイアミで』
  5. Hillbilly Elegyヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』
  6. Minari『ミナリ』
  7. The Prom『ザ・プロム』
  8. Da 5 Bloods『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  9. Mank『Mank マンク』
  10. Judas and the Black Messiah

第78回ゴールデングローブ賞 ノミネート予想

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第78回ゴールデングローブ賞 映画部門ノミネート予想

こんにちは。今回はゴールデングローブ賞ノミネート予想です。

アカデミー賞と違い、作品賞と主演部門は「ドラマ部門」「コメディ/ミュージカル部門」に分かれています。また、オスカーとは主演助演を逆にキャンペーンを行う作品もあるようです。さらに、外国語映画賞に関しても、アカデミー賞は各国一本までという決まりがありますが、ゴールデングローブ賞ではその制限はなく、その代わりアメリカ映画でも外国語が多く占めると外国語映画とみなされる点がオスカーと異なります。今回でいうとアメリカ映画である『ミナリ』は韓国語が多くを占めるという理由で外国語映画扱いとなり、作品賞の対象外となってしまいました。これに対して多くの批判があがっています。

ゴールデングローブ賞は外国人記者が投票する賞で、簡単に言ってしまえば「映画に対して素人」(素人というのは悪い意味ではなく、プロ・映画業界人の反対語としての意味)の賞です。つまり「映画を観るプロ」批評家の賞ではなく、オスカーのような「映画を作るプロ」(俳優・監督など)の賞でもありません。よってゴールデングローブ賞は、大衆よりになることが多いです。

今回は、映画部門の全部門の予想をしていきます。

作品賞〈ドラマ部門〉

  1. The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』
  2. Nomadland『ノマドランド』
  3. Mank『Mank マンク』
  4. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
  5. Promising Young Woman
  6. The Father『ファーザー』
  7. One Night in Miami『あの夜、マイアミで』
  8. Judas and the Black Messiah
  9. Da 5 Bloods『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  10. News of the World『この茫漠たる荒野で』

【コメント】

ドラマ部門はアカデミー賞の順位にも近い形になるかもしれません。特に作品賞を争うであろう『シカゴ7裁判』『ノマドランド』は候補入りほぼ確実。『Mank マンク』は大衆受けが良くないのが不安要素で、大衆よりのゴールデングローブ賞でどう評価されるか気になるところ。6位以下にした作品もどれがきてもおかしくありません。

主演女優賞〈ドラマ部門〉

  1. フランシス・マクドーマンドノマドランド』
  2. ヴィオラ・デイヴィス『マ・レイニーのブラックボトム』
  3. ヴァネッサ・カービー『私というパズル』
  4. キャリー・マリガン『Promising Young Woman』
  5. ゼンデイヤ『マルコム&マリー』
  6. ソフィア・ローレン『これからの人生』
  7. エイミー・アダムスヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』
  8. ケイト・ウィンスレット『Ammonite』
  9. シドニー・フラニガン『Never Rarely Sometimes Always』
  10. ロビン・ライト『Land』

【コメント】

上位4人はオスカーでも有力な俳優さんたちの戦いになりそう。最後の枠が難しい...。ゼンデイヤの『マルコム&マリー』は公開時期が遅いので、投票段階では作品評価が浸透していない可能性があります。一方映画史に名前を残すこと間違いなしの大ベテラン、ソフィア・ローレンや、エイミー・アダムスも可能性がありそうです。

主演男優賞〈ドラマ部門〉

  1. チャドウィック・ボーズマン『マ・レイニーのブラックボトム』
  2. アンソニー・ホプキンス『ファーザー』
  3. デルロイ・リンドー『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  4. リズ・アーメッドサウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』
  5. ゲイリー・オールドマン『Mank マンク』
  6. トム・ハンクス『この茫漠たる荒野で』
  7. ラキース・スタンフィールド『Judas and the Black Messiah』
  8. ティーヴン・ユァン『ミナリ』
  9. ジョン・デヴィット・ワシントン『マルコム&マリー』
  10. タハール・ラヒム『The Mauritanian』

【コメント】

こちらも上位4人はオスカー有力な人たち同士の争い。個人的にはオスカーではラキース・スタンフィールドが強くなるような気がしますが、『Judas and the Black Messiah』の公開時期が遅くまだ世間にそんなに浸透していないかなと考え、ゴールデングローブ賞ではゲイリー・オールドマンを予想してみました。トム・ハンクスが来る可能性も非常に高いような気がします。

作品賞〈コメディ/ミュージカル部門〉

  1. The Prom『ザ・プロム』
  2. Borat Subsequent Moviefilm『続・ボラット
  3. Palm Springs『パーム・スプリングス』
  4. Hamilton『ハミルトン』
  5. On the Rocks『オン・ザ・ロック
  6. Happiest Season『ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト』
  7. The King of Staten Island
  8. Let Them All Talk
  9. French Exit
  10. The Personal History of David Copperfield『どん底作家の人生に幸あれ!』

【コメント】

コメディ/ミュージカル部門は今回はこれっといった作品はない印象。『パーム・スプリング』を評価は高いもののインディーズ映画であるし、『続・ボラット』はあまりにも特殊すぎるし、『ハミルトン』は舞台を収録したものである点が気になる。となると評価が芳しくなかった『ザ・プロム』が強いかも...?うーん。ゴールデングローブ賞は大衆よりでスターが好きであることを考えると、やっぱり『ザ・プロム』が強いのかもしれません。納得できない人は多いだろうけど。

主演女優賞〈コメディ/ミュージカル部門〉

  1. マリア・バカローヴァ『続・ボラット
  2. メリル・ストリープ『ザ・プロム』
  3. ミシェル・ファイファー『French Exit』
  4. ラシダ・ジョーンズオン・ザ・ロック
  5. エミリー・ブラント『Wild Mountain Thyme』
  6. アニャ・テイラー=ジョイ『Emma.』
  7. テッサ・トンプソン『シルヴィ 恋のメロディ』
  8. クリスティン・ミリオティ『パーム・スプリングス』
  9. ミリー・ボビー・ブラウン『エノーラ・ホームズの事件簿』
  10. メリル・ストリープ『Let Them All Talk

【コメント】

オスカーを含む他の映画賞では助演でキャンペーンされているマリア・バカローヴァは、ゴールデングローブ賞では主演でプッシュ。その他スターを好むゴールデングローブ賞では、メリル・ストリープミシェル・ファイファーなどが強いと予想。エミリー・ブラントの『Wild Mountain Thyme』は作品評価が伸びてないので、そこが不安要素です。

主演男優賞〈コメディ/ミュージカル部門〉

  1. サシャ・バロン・コーエン『続・ボラット
  2. アンディ・サムバーグ『パーム・スプリングス』
  3. デヴ・パテル『どん底作家の人生に幸あれ!』
  4. ピート・デヴィッドソン『The King of Staten Island』
  5. リン=マニュエル・ミランダ『ハミルトン』
  6. レスリー・オドム・Jr『ハミルトン』
  7. ジェイミー・ドーナンWild Mountain Thyme
  8. マッツ・ミケルセン『Another Round』
  9. ウィル・ファレル『ユーロビジョン歌合戦 ファイア・サーガ物語』
  10. ジェームズ・コーデン『ザ・プロム』

【コメント】

サシャ・バロン・コーエンは主演と助演のW候補も狙えるかも。今年はコメディ/ミュージカル部門は全体的に予想が難しく、とりあえず今はこのメンツで予想してみます。読めないのが舞台を収録した『ハミルトン』。この作品は評価が高いものの舞台映像ということでオスカーなどではエントリー資格がありません。リン=マニュエル・ミランダやレスリー・オドム・Jrがどう評価されるか気になるところです。

監督賞

  1. クロエ・ジャオ『ノマドランド』
  2. デヴィッド・フィンチャー『Mank マンク』
  3. アーロン・ソーキン『シカゴ7裁判』
  4. レジーナ・キング『あの夜、マイアミで』
  5. エメラルド・フェネル『Promising Young Woman』
  6. フローリアン・ぜレール『ファーザー』
  7. ジョージ・C・ウルフ『マ・レイニーのブラックボトム』
  8. リー・アイザック・チョン『ミナリ』
  9. ピート・ドクター『ソウルフル・ワールド』
  10. スパイク・リー『ザ・ファイブ・ブラッズ』

【コメント】

今年は例年以上にコメディ/ミュージカル部門が弱く、ドラマ部門の強力コンデンターがこの部門も強いと予想。特に『ノマドランド』のクロエ・ジャオは受賞も狙える勢い。女性監督というくくりで語るのはよくないかもしれませんが、今年もクロエ・ジャオ、レジーナ・キング、エメラルド・フェネルなど素晴らしい作品を手がけた女性監督が活躍。去年のように無視されないことを祈るばかりです。

助演女優賞

  1. アマンダ・セイフライド『Mank マンク』
  2. オリヴィア・コールマン『ファーザー』
  3. エレン・バースティン『私というパズル』
  4. ユン・ヨジョン『ミナリ』
  5. グレン・クローズヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』
  6. シアーシャ・ローナン『Ammonite』
  7. ジョディ・フォスター『The Mauritanian』
  8. ドミニク・フィッシュバック『Judas and the Black Messiah
  9. ヘレナ・ゼンゲル『この茫漠たる荒野で』
  10. 二コール・キッドマン『ザ・プロム』

【コメント】

マリア・バカローヴァはゴールデングローブ賞では主演でキャンペーンされるらしいので、この部門の上位4人はかなり強いんじゃないかなと思います(もちろんまだわからないけど)。最後の枠が誰になるのかが注目です。ベタランやスターを好むゴールデングローブ賞だとグレン・クローズジョディ・フォスターニコール・キッドマンシアーシャ・ローナンらが来てもおかしくないでしょう。

助演男優賞

  1. ダニエル・カルーヤJudas and the Black Messiah』
  2. レスリーオドム・Jr『あの夜、マイアミで』
  3. サシャ・バロン・コーエン『シカゴ7裁判』
  4. ポール・レイシー『サウンド・オブ・メタル聞こえるということ』
  5. マーク・ライランス『シカゴ7裁判』
  6. チャドウィック・ボーズマン『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  7. ビル・マーレイオン・ザ・ロック
  8. フランク・ランジェラ『シカゴ7裁判』
  9. ヤーヤ・アブドゥル=マーティン・セカンド『シカゴ7裁判』
  10. キングズリー・ベン=アディル『あの夜、マイアミで』

【コメント】

ダニエル・カルーヤは『Judas and the Black Messiah』をどのくらいの人が鑑賞したかにかかっていると思います。多くの投票者が本作を観ていれば間違いなくノミネートされるでしょうが、公開時期が本作は遅めなので、投票者に作品の浸透が行き渡っていないとかなり危ないと思います。ちなみに『あの夜、マイアミで』のメンツはゴールデングローブ賞では皆助演でキャンペーンするそうです。

脚本賞

  1. The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』
  2. Nomadland『ノマドランド』
  3. Mank『Mank マンク』
  4. The Father『ファーザー』
  5. One Night in Miami『あの夜、マイアミで』
  6. Promising Young Woman
  7. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
  8. Soul『ソウルフル・ワールド』
  9. News of the World『あの茫漠たる荒野で』
  10. Minari『ミナリ』

長編アニメーション映画賞

  1. Soul『ソウルフル・ワールド』
  2. Wolfwalkers『ウルフウォーカー』
  3. Onward『2分の1の魔法』
  4. Over the Moon『フェイフェイと月の冒険』
  5. The Willoughbys『ウィロビー家の子どもたち』
  6. The Croods: A New Age
  7. A Shaun the Sheep Movie: Farmageddon『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』
  8. Trolls World Tour『トロールズミュージック★パワー』
  9. Earwig and the Witch『アーヤと魔女』
  10. Scoob!『弱虫スクービーの大冒険』

外国語映画賞

  1. Minari『ミナリ』
  2. Another Round
  3. The Life Ahead『これからの人生』
  4. I'm No Longer Here『そして、俺はここにいない。』
  5. Night of the Kings
  6. Collective
  7. Quo Vadis, Aida?
  8. Notturno
  9. My Little Sister
  10. A Sun

作曲賞

  1. Soul『ソウルフル・ワールド』
  2. Mank『Mank マンク』
  3. Tenet『TENET テネット』
  4. Da 5 Bloods『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  5. Minari『ミナリ』
  6. News of the World『この茫漠たる荒野で』
  7. The Midnight Sky『ミッドナイト・スカイ
  8. The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』
  9. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
  10. Hillbilly Elegy『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』

歌曲賞

  1. "Speak Now"『あの夜、マイアミで』
  2. "Io Sì (Seen)"『これからの人生』
  3. “Rocket to the Moon”『フェイフェイと月の冒険』
  4. “Wear Your Crown”『ザ・プロム』
  5. "Only the Young"『ミス・アメリカーナ』
  6. “Hear My Voice”『シカゴ7裁判』
  7. “Turntables”『すべてをかけて:民主主義を守る戦い』
  8. "Husavik (My Hometown)"『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』
  9. “Just Sing”『トロールズミュージック★パワー』
  10. “Carried Me with You”『2分の1の魔法』 

まとめ

いかがだったでしょうか。ゴールデングローブ賞の予想、皆さんも教えてください。

他の賞と違いゴールデングローブ賞は、最も大衆の好みに近いと言われています。ぜひ授賞式を皆さんで楽しみに待ちましょう!

それではみなさん、また次回!

2020年10〜12月に観た新作映画 Top10

10〜12月の新作映画を勝手にランキング

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10〜12月に観た新作映画の個人的Top10をご紹介します。

『フェアウェル』『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は10月より前にオンライン試写会で鑑賞しましたが日本公開は10月なので、迷った結果、今回のランキングの対象としたいと思います。

Top10

1.Portrait of a Lady on Fire『燃ゆる女の肖像』

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2.Soul『ソウルフル・ワールド』

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3.Wolfwalkers『ウルフウォーカー』 

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4.About Endlessness『ホモ・サピエンスの涙』

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5.The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』

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6.The Farewell『フェアウェル』

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7.The Last Black Man in San Francisco『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』

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8.Sound of Metal『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』

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9.Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』

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10.Bacurau『バクラウ 地図から消された村』

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その他観た作品など、まとめ 

他にもがっちり心を掴まれた作品は、『異端の鳥』『レディ・マクベス』『パピチャ 未来へのランウェイ』『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』『Mank マンク』などです。いやぁ良作が多かった...。特に『Mank マンク』は日に日に自分の中で評価が上がっている作品です。

その他、好きな作品は、オン・ザ・ロック『浅田家!』『ある画家の数奇な運命』『星の子』『スパイの妻』『朝が来る』『キーパー ある兵士の奇跡』ストックホルム・ケース』『ジングル・ジャングル 魔法のクリスマスギフト』『泣く子はいねぇが』『folklore:ロングポンド・スタジオ・セッション』『アイム・ユア・ウーマン』『私をくいとめて』『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』『シルヴィ 恋のメロディ』でしょうか。

引っかかる部分がありながらも楽しめたのは『82年生まれ、キム・ジヨン』『フェイフェイと月の冒険』『ストレイ・ドッグ』『続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』『これからの人生』『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』『100日間のシンプルライフネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢』『ザ・プロム』『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』『ワンダーウーマン 1984

その他は、トロールズ ミュージック★パワー』レベッカ』(2020)『PLAY 25年分のラストシーン』『アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌』『エイブのキッチンストーリー』『STAND BY ME ドラえもん2』『サイレント・トーキョー』『魔女がいっぱい』『ミッドナイト・スカイ』『ソング・トゥ・ソング』『アーヤと魔女』

 

今回も好きな作品も苦手な作品もできた3ヶ月でしたが、映画ってやっぱり良いなとつくづく思います。2021年も素敵な映画ライフを送りたいな!

ではまた次回!!

 

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2020年7〜9月の個人的Top10はこちら↓↓↓

aoimujintoblueisland.hatenablog.com

第93回アカデミー賞 ノミネート予想第七弾(1/1)

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第93回アカデミー賞(短編を除く)全部門ノミネート予想

あけましておめでとうございます。更新頻度は少なくなっていますが、2021年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、今回はアカデミー賞ノミネート予想第七弾です。

感染拡大によりアメリカで以前のように劇場公開できない状況にあり、すでに多くの作品が無期限延期・来年公開を決定しています。それでも、アカデミー賞に絡むには十分な評価を得ている作品がたくさん公開・配信されているのも事実です。

今回は、短編の部門を除く全部門の予想をしていきます。

作品賞

  1. The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』
  2. Nomadland『ノマドランド』
  3. Mank『Mank マンク』
  4. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
  5. The Father
  6. One Night in Miami『あの夜、マイアミで』
  7. Minari『ミナリ』
  8. Soul『ソウルフル・ワールド』
  9. The United States vs. Billie Holiday
  10. Promising Young Woman
  11. Da 5 Bloods『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  12. Judas and the Black Messiah
  13. News of the World
  14. Sound of Metal『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』
  15. First Cow
  16. Malcolm & Marie
  17. Cherry
  18. The White Tiger『ザ・ホワイトタイガー』
  19. Never Rarely Sometimes Always
  20. On the Rocks『オン・ザ・ロック

監督賞

  1. クロエ・ジャオ『ノマドランド』
  2. デヴィッド・フィンチャー『Mank マンク』
  3. アーロン・ソーキン『シカゴ7裁判』
  4. ジョージ・C・ウルフ『マ・レイニーのブラックボトム』
  5. レジーナ・キング『あの夜、マイアミで』
  6. フローリアン・ぜレール『The Father』
  7. リー・アイザック・チョン『ミナリ』
  8. リー・ダニエルズ『The United States vs. Billie Holiday
  9. ピート・ドクター『ソウルフル・ワールド』
  10. エメラルド・フェネル『Promising Young Woman』

主演女優賞

  1. ヴィオラ・デイヴィス『マ・レイニーのブラックボトム』
  2. ヴァネッサ・カービー『私というパズル』
  3. フランシス・マクドーマンドノマドランド』
  4. アンドラ・デイ『The United States vs. Billie Holiday
  5. キャリー・マリガン『Promising Young Woman』
  6. シドニー・フラニガン『Never Rarely Sometimes Always』
  7. ソフィア・ローレン『これからの人生』
  8. ケイト・ウィンスレット『Ammonite』
  9. エイミー・アダムスヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』
  10. ミシェル・ファイファー『French Exit』

主演男優賞

  1. チャドウィック・ボーズマン『マ・レイニーのブラックボトム』
  2. アンソニー・ホプキンス『The Father』
  3. デルロイ・リンドー『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  4. リズ・アーメッドサウンド・オブ・メタル聞こえるということ』
  5. ラキース・スタンフィールド『Judas and the Black Messiah』
  6. ゲイリー・オールドマン『Mank マンク』
  7. ティーヴン・ユァン『ミナリ』
  8. トム・ハンクス『News of the World』
  9. キングズリー・ベン=アディル『あの夜、マイアミで』
  10. コリン・ファース『Supernova』

助演女優賞

  1. アマンダ・セイフライド『Mank マンク』
  2. オリヴィア・コールマン『The Father』
  3. ユン・ヨジョン『ミナリ』
  4. エレン・バースティン『私というパズル』
  5. グレン・クローズヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』
  6. マリア・バカローバ『続・ボラット
  7. ジョディ・フォスター『The Mauritanian』
  8. ヘレナ・ゼンゲル『News of the World』
  9. シアーシャ・ローナン『Ammonite』
  10. ナターシャ・リオンThe United States vs. Billie Holiday

助演男優賞

  1. ダニエル・カルーヤJudas and the Black Messiah』
  2. レスリーオドム・Jr『あの夜、マイアミで』
  3. サシャ・バロン・コーエン『シカゴ7裁判』
  4. ポール・レイシー『サウンド・オブ・メタル聞こえるということ』
  5. スタンリー・トゥッチ『Supernova』
  6. マーク・ライランス『シカゴ7裁判』
  7. チャドウィック・ボーズマン『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  8. ヤーヤ・アブドゥル=マーティン・セカンド『シカゴ7裁判』
  9. ビル・マーレイオン・ザ・ロック
  10. フランク・ランジェラ『シカゴ7裁判』

脚本賞

  1. The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』
  2. Mank『Mank マンク』
  3. Soul『ソウルフル・ワールド』
  4. Minari『ミナリ』
  5. Promising Young Woman
  6. Da 5 Bloods『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  7. Never Rarely Sometimes Always
  8. Judas and the Black Messiah
  9. On the Rocks『オン・ザ・ロック
  10. Nine Days

脚色賞

  1. Nomadland『ノマドランド』
  2. One Night in Miami『あの夜、マイアミで』
  3. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
  4. The Father
  5. First Cow
  6. The United States vs. Billie Holiday
  7. I'm Thinking of Ending Things『もう終わりにしよう。』
  8. News of the World
  9. Cherry
  10. The White Tiger『ザ・ホワイトタイガー』

長編アニメーション映画賞

  1. Soul『ソウルフル・ワールド』
  2. Wolfwalkers『ウルフウォーカー』
  3. Onward『2分の1の魔法』
  4. Over the Moon『フェイフェイと月の冒険』
  5. A Shaun the Sheep Movie: Farmageddon『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』
  6. The Willoughbys『ウィロビー家の子どもたち』
  7. Trolls World Tour『トロールズミュージック★パワー』
  8. The Croods: A New Age
  9. Lupin Ⅲ: The First『ルパン三世 THE FIRST』
  10. Demonslayer『劇場版「鬼滅の刃」無限列車版』

長編ドキュメンタリー映画

  1. Dick Johnson is Dead『ディック・ジョンソンの死』
  2. Totally Under Control
  3. Boys State『ボーイズ・ステイト』
  4. Collective
  5. Time
  6. Crip Camp『ハンディキャップ・キャンプ: 障がい者運動の夜明け』
  7. All In: The Fight for Democracy『すべてをかけて:民主主義を守る戦い』
  8. Welcome to Chechnya
  9. The Truffle Hunters
  10. 76 Days

国際長編映画

  1. Another Round(デンマーク
  2. I'm No Longer Here『そして、俺はここにいない。』(メキシコ)
  3. My Little Sister(スイス)
  4. Night of the Kings(コートジボワール
  5. Quo Vadis, Aida?(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
  6. The Disciple(インド)
  7. Notturno(イタリア)
  8. True Mothers『朝が来る』(日本)
  9. Atlantis『アトランティス』(ウクライナ
  10. Never Gonna Snow Again(ポーランド

撮影賞

  1. Mank『Mank マンク』
  2. Nomadland『ノマドランド』
  3. Tenet『TENET テネット』
  4. News of the World
  5. Judas and the Black Messiah
  6. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
  7. The Midnight Sky『ミッドナイト・スカイ』
  8. Da 5 Bloods『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  9. The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』
  10. One Night in Miami『あの夜、マイアミで』

編集賞

  1. Mank『Mank マンク』
  2. The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』
  3. Nomadland『ノマドランド』
  4. Judas and the Black Messiah
  5. The Father
  6. News of the World
  7. One Night in Miami『あの夜、マイアミで』
  8. I'm Thinking of Ending Things『もう終わりにしよう。』
  9. The United States vs. Billie Holiday
  10. Da 5 Bloods『ザ・ファイブ・ブラッズ』

美術賞

  1. Mank『Mank マンク』
  2. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
  3. Mulan『ムーラン』
  4. The United States vs. Billie Holiday
  5. News of the World
  6. The Midnight Sky『ミッドナイト・スカイ』
  7. The Personal History of David Copperfield『どん底作家の人生に幸あれ!』
  8. One Night in Miami『あの夜、マイアミで』
  9. The Father
  10. Tenet『TENET テネット』

衣装デザイン賞

  1. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
  2. Mank『Mank マンク』
  3. Mulan『ムーラン』
  4. The United States vs. Billie Holiday
  5. News of the World
  6. Emma.
  7. Ammonite
  8. One Night in Miami『あの夜、マイアミで』
  9. The Prom『ザ・プロム』
  10. Rebeccaレベッカ

メイクアップ&ヘアスタイリング賞

  1. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
  2. Mulan『ムーラン』
  3. Birds of Prey『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
  4. Hillbilly Elegy『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』
  5. Mank『Mank マンク』
  6. The Prom『ザ・プロム』
  7. Borat Subsequent Moviefilm『続・ボラット
  8. The United States vs. Billie Holiday
  9. News of the World
  10. Wonder Woman 1984ワンダーウーマン 1984

音響賞

  1. Tenet『TENET テネット』
  2. Sound of Metal『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』
  3. Mank『Mank マンク』
  4. News of the World
  5. Da 5 Bloods『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  6. Soul『ソウルフル・ワールド』
  7. Greyhound『グレイハウンド』
  8. The Midnight Sky『ミッドナイト・スカイ』
  9. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
  10. The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』

視覚効果賞

  1. The Midnight Sky『ミッドナイト・スカイ』
  2. Mulan『ムーラン』
  3. Tenet『TENET テネット』
  4. The One and Only Ivan『ゴリラのアイヴァン』
  5. Wonder Woman 1984ワンダーウーマン 1984
  6. Greyhound『グレイハウンド』
  7. Sonic the Hedgehogソニック・ザ・ムービー』
  8. Birds of Prey『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
  9. Soul『ソウルフル・ワールド』
  10. The Invisible Man『透明人間』

作曲賞

  1. Soul『ソウルフル・ワールド』
  2. Mank『Mank マンク』
  3. Minari『ミナリ』
  4. Tenet『TENET テネット』
  5. News of the World
  6. The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』
  7. Da 5 Bloods『ザ・ファイブ・ブラッズ』
  8. The Midnight Sky『ミッドナイト・スカイ
  9. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』
  10. Over the Moon『フェイフェイと月の冒険』

歌曲賞

  1. "Speak Now"『あの夜、マイアミで』
  2. "Io Sì (Seen)"『これからの人生』
  3. “Rocket to the Moon”『フェイフェイと月の冒険』
  4. “Hear My Voice”『シカゴ7裁判』
  5. “Turntables”『すべてをかけて:民主主義を守る戦い』
  6. “Wear Your Crown”『ザ・プロム』
  7. “Just Sing”『トロールズミュージック★パワー』
  8. “Free”『ゴリラのアイヴァン』
  9. “(If Only You Could) Save Me”『Mank マンク』
  10. “Love Myself”『ネクスト・ドリームふたりで叶える夢』 

まとめ

いかがだったでしょうか。今回除いた短編系の部門は、ノミネートが発表されてから受賞予想の時に加えたいと思います。みなさんの意見も是非聞かせてください!

こう言った(ほぼ)全部門予想記事も今後出していくのでよろしくお願いします。

それではみなさん、2021年も良い映画ライフを!

2020/2021賞レース ここまでの考察

2020/2021賞レース 前半戦

第93回アカデミー賞に向かって進んでいる賞レース。今回はここまでの賞レース前半戦をふまえて考察していきたいと思います。拙い文章ですが、お付き合いください。

作品賞

今、批評家関連の賞を快走しているのはノマドランド』『First Cow』『ザ・ファイブ・ブラッズ』あたりでしょうか。このうち、ノマドランド』は作品賞候補確実ではないかと思います。『First Cow』は想像以上に強く、少々驚いていますが、確かに今年一番だという批評家も多かったので納得。ただし大衆受けの作品ではないので、オスカー候補は難しいかもしれません。

 

前哨戦前に強いと思われていたのはノマドランド』『Mank マンク』『シカゴ7裁判』です。しかし驚くことに『Mank マンク』『シカゴ7裁判』はそこまで勢いがないように思えます。大衆受けの良い『シカゴ7裁判』はまだ良いとして、万人受けのしない『Mank マンク』が批評家賞ですらあまり奮っていないのは若干不安です。ただ、それでもオスカーへのノミネートは固いとみてよく、有力作品であることには変わりありません。

 

その他『ミナリ』『The Father』『マ・レイニーのブラックボトム』などが確実に賞レースで成果を残しています。さらに『Promising Young Woman』『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』なども予想以上に健闘していて要注目でしょう。一方で『あの夜、マイアミで』が予想よりは勢いが抑えめな印象です。

 

『ソウルフル・ワールド』がアニメーション映画として久々に作品賞候補を狙っていますが、今のところはその勢いは感じません。しかし、今年最も大衆を引くつける作品の一つになるはずなので、作品賞候補、大いにあり得るでしょう。

 

その他まだ評価が出ていない作品として、Judas and the Black Messiah』『The United States vs. Billie Holiday』『Cherry』『Malcolm & Marie』『ザ・ホワイトタイガー』などがあり、ここら辺の作品が急浮上する可能性もあるので、まだまだ目が離せません。

監督賞

今のところ完全にノマドランド』のクロエ・ジャオ監督の独壇場になっています。

他は、『Mank マンク』『シカゴ7裁判』『マ・レイニーのブラックボトム』『あの夜、マイアミで』『The Father』『ミナリ』『Promising Young Woman』等、作品賞有力作らが監督賞でも有力です。

主演女優賞

今、前哨戦前半で勢いがあるのは『マ・レイニーのブラックボトム』のヴィオラ・デイヴィスノマドランド』のフランシス・マクドーマンド『Promising Young Woman』のキャリー・マリガン『Never Rarely Sometimes Always』のシドニー・フラニガンあたりでしょう。 この中でも、ヴィオラ・デイヴィスフランシス・マクドーマンドキャリー・マリガンアカデミー賞でも有力です。シドニー・フラニガンはこの中でもかなり高評価で勢いがありますが、どうやら作品の大衆の受けが批評家ほどは高くなく、その点でマイナスになるかもしれません。

 

『私というパズル』のヴェネッサ・カービーも有力と言われていますが、今の所前哨戦では静かです。というのもこの作品は2021年の作品として認識されているようで、それが影響しているのでしょう。オスカーでは対象になるので、その辺りまでにはどんどん存在感を増していくでしょう。まだ評価の出ていない『The United States vs. Billie Holiday』のアンドラ・デイも要注目です。

主要男優賞

『マ・レイニーのブラックボトム』のチャドウィック・ボーズマン、『The Father』のアンソニー・ホプキンスが最も有力だとずっと言われていますが、確かにこの二人は前哨戦前半でも強さを発揮しています。ただし強いのはこの二人だけではなく『ザ・ファイブ・ブラッズ』のデルロイ・リンドー、『サウンド・オブ・メタル』のリズ・アーメッドもかなりの強さを発揮しています。この4人が現時点でのフロント・ランナーでしょう。

 

この4人を追いかけるように『ミナリ』のティーヴン・ユァン、『Mank マンク』のゲイリー・オールドマンなどがどこまで追いつけるかが見所でしょう。

 

さらにいうと2021年公開のためまだ賞レースに現れていないJudas and the Black Messiah』ラキース・スタンフィールドの急浮上にも要注意です。予告編でも演技のすごさが伝わってきたので。

助演女優賞

『続・ボラット』のマリア・バカローバ の猛進を予想できた人はいたでしょうか。いや、確かに評価されていた演技で批評家賞で少し顔を出すのではと言われていましたが、ここまでとは。現時点では彼女と、『ミナリ』のユン・ヨジョンがフロントランナーです。 

 

その他『Mank マンク』のアマンダ・セイフライド、『The Father』のオリヴィア・コールマンも予想通り強く、2021年作品の認識になっている『私というパズル』のエレン・バースティンも賞レース中盤から後半にかけて勢いが出てくるのではないでしょうか。『The Mauritanian』のジョディ・フォスターヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』のグレン・クローズも大注目です。

助演男優賞 

前哨戦前半では、サウンド・オブ・メタル』のポール・レイシー、『あの夜、マイアミで』のレスリー・ オドム・Jr、『ザ・ファイブ・ブラッズ』のチャドウィック・ボーズマンらが強いと言えるでしょう。特にポール・レイシーは予想外であり嬉しいサプライズ。『サウンド・オブ・メタル』を観た方はわかると思いますが、本当に素晴らしい演技でした。この3人がそのまますんなり候補入りするかは不明ですが、有力なのは間違いないです。

 

その他『シカゴ7裁判』のサシャ・バロン・コーエンマーク・ライランス、『Judas and the Black Messiah』のダニエル・カルーヤ、『Supernova』のスタンリー・トゥッチらも顔を出してくるでしょう。

長編アニメーション映画賞

『ソウルフル・ワールド』『ウルフウォーカー』『2分の1の魔法』『フェイフェイと月の冒険』あたりがオスカーでも顔を出すと思います。このうち『ソウルフル・ワールド』『ウルフウォーカー』は前哨戦でも非常に強いです。

第93回アカデミー賞 ノミネート予想第六弾(11/26)

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第93回アカデミー賞ノミネート予想

アカデミー賞ノミネート予想第六弾です。

 

感染拡大によりアメリカで以前のように劇場公開できない状況にあり、すでに多くの作品が無期限延期・来年公開を決定しています。

そんな中ですが、今回も作品賞予想をしていきます。

 

ちなみに『Respect』『Dune』が公開延期になったほか、『The French DIspatch』『Stillwater』『Red, White, and Water』等々も来年公開になると思われます。

作品賞ノミネート予想

作品賞ノミネートランキング

  1. The Trial of the Chicago 7『シカゴ7裁判』 
  2. Mank『Mank マンク』 
  3. Nomadland『ノマドランド』 -
  4. One Night in Miami... 
  5. Ma Rainey's Black Bottom『マ・レイニーのブラックボトム』 
  6. News of the World 
  7. The Father 
  8. Minari 
  9. Soul『ソウルフル・ワールド』 
  10. The United States vs. Billie Holiday 
  11. Judas and the Black Messiah -
  12. Da 5 Bloods『ザ・ファイブ・ブラッズ』 
  13. Cherry NEW
  14. Nine Days NEW
  15. Ammonite 
  16. On the Rocks『オン・ザ・ロック』 
  17. Tenet『TENET テネット』 
  18. Pieces of a Woman『私というパズル』 -
  19. Sound of Metal NEW
  20. The Midnight Sky『ミッドナイト・スカイ』 NEW

その他:
Hillbilly Elegy『ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-』
The White Tiger『ザ・ホワイトタイガー』
Promising Young Woman
Malcolm & Marie
Supernova
The Prom『ザ・プロム』
The Life Ahead『これからの人生』
The Mauritanian
Next Goal Winsなどなど...

 

この状況の中で、Netflixをはじめとする配信映画が強い傾向になっていくと思います。

Netflixからは、『シカゴ7裁判』『Mank マンク』『マ・レイニーのブラックボトム』『ザ・ファイブ・ブラッズ』『私というパズル』『ミッドナイト・スカイ』などが候補入りを狙っています。

 

ここからは簡単にこの私の予想について説明していきます。

今回の作品賞予想の簡単な説明

まず、作品賞候補入りの可能性が高くなっている作品は『シカゴ7裁判』『Mank マンク』『ノマドランド』『One Nigth in Miami...』『マ・レイニーのブラックボトム』の5本です。

特にNetflix『シカゴ7裁判』『Mank マンク』、サーチライト配給のノマドランド』は、受賞を争うとも予想されており、非常に強力です。

Netflix『マ・レイニーのブラックボトム』に関してもすでに鑑賞した批評家から演技陣を中心に絶賛されており、候補入りも見えてきています。

『One Night in Miami...』レジーナ・キングが監督を担当するという話題性だけでなく、各映画祭で絶賛されている一本。トロント国際映画祭ではノマドランド』に続く形で、観客賞次点を獲得しました。

 

まだ評価が公表されていない作品としは、ポール・グリーングラス監督×トム・ハンクス『News of the World』があります。予告のみしか公表されていないのでなんとも言えませんが、この二人のタッグは『キャプテン・フィリップス(2013)』と同じ。期待しないでという方が無理でしょう。大量ノミネートも期待されている一本です。

 

『One Night in Miami...』『マ・レイニーのブラックボトム』と同様、舞台・戯曲原作の有力作が『The Father』です。アンソニー・ホプキンスオリヴィア・コールマンという2大オスカー俳優をむかえた作品で、演技賞を中心に検討が期待されています。今年のはじめのサンダンス映画祭をはじめ、各重要映画祭で絶賛されていました。

 

『The Father』とともにサンダンス映画祭を沸かせたのは、A24の新作『Minari』です。韓国系移民を描いた本作は、ドラマ『ウォーキング・デッド』のスティーヴン・ユァンが出演する作品で、サンダンス映画祭の最高賞を受賞しています。規模の小さめの作品というのが若干気になりますが、十分に注目されているため非常に有力でしょう。

 

今回アニメーションからも作品賞への候補が期待されており、それは『ソウルフル・ワールド』です。ピクサーの最新作で、すでに鑑賞した批評家からの評価も素晴らしいものになっています。とは言ってもアニメーションが作品賞に候補入りした例は『美女と野獣(1991)』『カールじいさんの空飛ぶ家(2009)』『トイ・ストーリー3(2010)』の3例のみ。さらにこの作品はDisney+の配信での公開が決定。これらのマイナス要素がやや心配です。しかしながら、久々のアニメーションからの作品賞候補になる可能性は大いにあるでしょう。

 

『The United States vs. Billie Holidayもまだ評価は不明ですが、有力です。この作品はアンドラ・デイという歌手として有名な方の主演作品です。ここ最近は歌手活動を行なっている女優さんの候補例が多く、またこの作品の監督がリー・ダニエルズということで期待されています。

 

その他にもダニエル・カルーヤ出演Judas and the Black Messiah』スパイク・リー監督『ザ・ファイブ・ブラッズ』トム・ホランド主演『Cherry』が有力です。

 

『Next Goal Wins』は今回の公開は間に合わないのでは......と思っていたのですが、もしかすると来年の2月までに公開を準備しているとの噂も...。そうすると非常に有力でしょう。

 

個人的に気になっているのはNetflix『ザ・ホワイトタイガー』『Malcolm & Marie』。今回は20位以下ですが、今後の展開では一気に上に行く可能性があるように感じます。特に後者はエミー賞を獲ったばかりのゼンデイヤ出演の作品。とても楽しみです。

 

最後に注目したいのは『The Mauritanian』です。つい先日、今回のエントリー期間に公開されるという情報が入った一本。ジョディ・フォスターベネディクト・カンバーバッチ出演の作品で、監督は『ラストキング・オブ・スコットランド(2006)』のケヴィン・マクドナルド。突然の浮上もあるかもしれません。

2020年7〜9月に観た新作映画 Top10

7〜9月の新作映画を勝手にランキング

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7〜9月に観た新作映画の個人的Top10をご紹介します。

『はちどり』『SKIN/スキン』『コリーニ事件』は7月になってから鑑賞できたので、今回のランキングの対象にしています。

また、『フェアウェル』『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』をオンライン試写会で鑑賞しましたが日本公開は10月なので、迷った結果、次回の10〜12月のランキングの対象としたいと思います。

Top10

1.Honey Boy『ハニーボーイ』

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どうしてか、心にグッときた一本。

この作品は、シャイア・ラブーフの半自伝的映画で、このハニーボーイは彼の子供時代のニックネームだそう。
そこからもわかるように、パーソナルな色の強い作品ではあるので、はまるはまらないはあると思いますが、個人的には好きな一本。

監督のアルマ・ハレルの演出に感心したと同時に、ルーカス・ヘッジズ、ノア・ジュープの演技に感動。
特に、少年時代の主人公を演じたノア・ジュープが素晴らしい。彼の演技に完全に心を持っていかれました。

今回、一位作品は結構迷いましたが、演技の素晴らしさと、このパーソナルな作品に敬意を込めて、この作品を一位にしました。

2.House of Hummingbird『はちどり』

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6月公開でしたが、7月にようやく観ることができた一本。
ものすごく素晴らしかった...。

90年代の韓国を背景に、ある少女の物語。時代性と彼女の成長物語が美しくも切なくブレンドしており、本当に素敵な作品でした。

14歳の少女の物語は、監督の真摯な姿勢が反映されており、非常にリアル。それを映し出すカメラワークやストーリーがとても繊細で、見事に心にヒット...。
ワンシーンワンシーンが非常に印象的で、技術的にも素晴らしい作品でした。

「世の中は不合理にあふれている。それでも世界は不思議で美しい。」この言葉が頭から離れない...。これを普段から感じている人は、もっとこの作品に思い入れができる、そんな作品かもしれません。

変わるゆく時代の中で、主人公がどう生きるのか。その姿は揺れ動きながらも逞しかったです。

3.Minding the Gap『行き止まりの世界に生まれて』 

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第91回アカデミー長編ドキュメンタリー賞候補作品の一つ。

何だろう。激しく心を揺さぶられました。
家庭から逃げるようにスケートボードに没頭する青年たち。彼らも必ず大人になる時がやってくるわけで、その時の彼らの一言一言がものすごく胸に刺さって...。

彼らを通してちらつく、アメリカ特有の問題。人種、格差、家庭問題...。しかし同時にその問題は、普遍的なものでもあると僕は感じたんですよね。

もちろん彼ら彼女らと、僕の境遇も全く違うし、それこそ住んでいる国も違うのだけど、ところどころ自分と重ねながら全編鑑賞しました。

彼らが抱く単なる怒りだけで処理できない愛情や憎しみ、後悔、戸惑い。そしてそれも人によって捉え方、生かし方も変わってくる。そんな彼らの歩む道に涙が出てしまいました。

一度は必ず観て欲しいドキュメンタリー映画です。

4.Booksmart『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

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新たな青春映画の傑作だと個人的に思います。

まずキャラクターが全員たっていて、非常に愛らしい。最初の方はなんかなぁと思っていたキャラクターも、最後にはあらびっくり、すごく愛おしくて好きになってしまう。キャラクター造形や全体的な会話のテンポなども含め、脚本の素晴らしさは特筆すべきだと思います。

その登場人物たちに命を吹き込むキャスト陣も皆素晴らしい。本当に皆良い。

特に主人公の二人を演じたビーニー・フェルドスタインやケイトリン・ディーバー。彼女たちのコメディセンス、間の取り方、そして激しい中にも細やかな心の動きを表している点が素晴らしいと感じました。

これが映画監督デビューというオリヴィア・ワイルド。彼女の女優として以外の才能も発見できた良い機会でした。彼女の演出力に拍手!

5.Onward『2分の1の魔法』

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ピクサーの新作。

正直にいうと、序盤はピクサー映画にしてはちょっとごちゃっとしている印象がして、個人的には不安になってました。ただこれが後から効いてくるからピクサーは侮れない。伏線が回収されていくのは観ていて心地よかったです。

そして、ストーリーの着地点も他じゃ思いつかないようなピクサーらしい視点で素晴らしい。自分に兄弟がいるのもあって、すごく泣いてしまいました。キャラクターも立っていて良き。

最初の部分の観せ方にもっとスマートさがあればな...というのをはじめ、ピクサーだからこそ引っかかる部分は何点かありましたが、それを考慮しても、完成度の高い作品だったと思います。

ピクサーですが、配信になってしまったけど、今年は『ソウルフル・ワールド』もありますね!楽しみ!

6.Theatre: A Love Story『劇場』

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芸人としても小説家としても人気のある又吉直樹の作品を原作とした一本。行定勲さんの演出にも唸る一本でした。

人によっては共感するところは少なかったかもしれません。基本的にそういう作りでもない気がするので。でも理解はできるんですよね...。間違いなく、人間をしっかり観察しているからできることなのでしょう。人を選ぶ作品かもしれませんが、本当に泣けて楽しめる作品です。

もちろん演技も見所の一つで、山崎賢人さん、松岡茉優さんの演技を観るだけでも一見の価値があるように感じました。

語彙力ないのでこれ以上説明できませんが、演技も脚本も演出も優れた2020年を代表する邦画の一本と言えると思います。

7.The Invisible Man『透明人間』

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8.The Gangster, the Cop, the Devil『悪人伝』

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9.I'm Thinking of Ending Things『もう終わりにしよう。』

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10.WavesWAVES/ウェイブス』

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特別賞.Hamilton『ハミルトン』

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試写会で観た作品

『フェアウェル』『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』

どちらも素晴らしい作品でした。詳しくはTwitterなどを参考にしてください。10-12月のランキングの対象にする予定です。

その他観た作品など、まとめ 

その他、好きな作品は、『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』『SKIN/スキン』『カセットテープ・ダイアリーズ』『オールド・ガード』『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』『アルプススタンドのはしの方』『映画ドラえもん のび太の新恐竜』『オフィシャル・シークレット』『mid90s ミッドナインティーズ』『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』『エノーラ・ホームズの事件簿』あたり。

こう観るとこの3ヶ月は結構映画観れたなぁと。楽しかった...。

他にも『チア・アップ!』『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』『アンチグラビティ』『グッド・ワイフ』『アトラクション -侵略-』『ライド・ライク・ア・ガール』『リトル・ジョー』『スパイ in デンジャー』今日から俺は‼︎ 劇場版』『ディック・ロングはなぜ死んだのか?『ジョーンの秘密』『コリーニ事件』『プロジェクト・パワー』『ファヒム パリが見た奇跡』『グッバイ、リチャード!』『幸せへのまわり道』『ファナティック ハリウッドの狂愛者』スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』『悪魔はいつもそこに』『ミッドウェイ』『TENET テネット』アダムス・ファミリー『マティアス&マキシム』などを鑑賞しました。

特に話題となった『TENET テネット』。個人的には苦手な作品でしたが、こうやって公開に踏み切ってくださったことには感謝ですね!ありがとうございます。

 

好きな作品も苦手な作品もできた3ヶ月でしたが、映画ってやっぱり良いなとつくづく思います。

ではまた次回!!

 

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2020年4〜6月の個人的Top10はこちら↓↓↓

aoimujintoblueisland.hatenablog.com