青い無人島の映画館

アカデミー賞を中心に映画を語っています。映画に興味のある方、アカデミー賞に興味のある方、ぜひ足を運んで頂けると幸いです。

第95回アカデミー賞 期待作Part3!

早すぎる次のアカデミー賞での有力作品紹介 Part3

皆さんこんにちは!

今回も前回・前々回に続き、第95回アカデミー賞で活躍しそうな映画を紹介します。

カンヌ国際映画祭の結果も出ており、ますます次への賞レースへのエンジンがかかり始めていますね。

さて一体どんな作品がオスカー予想屋から注目されているのでしょうか。

Rustin

監督:ジョージ・C・ウルフ(代表作『マ・レイニーのブラックボトム』)

出演:コールマン・ドミンゴオードラ・マクドナルド、エイドリアン・ウォーレン、クリス・ロック

公民権活動家でワシントン大行進の主導者であるバイヤード・ラスティンについて描いた作品で、監督はジョージ・C・ウルフです。脚本は『ミルク』のダスティン・ランス・ブラック、製作はオバマ元大統領の製作会社ハイヤー・グラウンド・プロダクションズです。

コールマン・ドミンゴ主演であり主演男優賞最有力とも言われています。オードラ・マクドナルド、エイドリアン・ウォーレン、クリス・ロックも出演予定です。

Shazam! Fury of the Gods

監督:デヴィッド・F・サンドバーグ(代表作『シャザム!』『ライト/オフ』)

主演:ザッカリー・リーヴァイ

あのDCコミック原作で大ヒットした傑作『シャザム!』の続編となります。監督は前作に引き続きホラーが得意でもあるデヴィッド・F・サンドバーグです。

前作は弾けたコメディ映画である一方で、どこかホラーテイストもするとても面白い作風でしたが、今回もそうなるのでしょうか。一作目よりもよりスペクタクルになるとの噂もあり、非常に楽しみです。

She Said

監督:マリア・シュラーダー(代表作『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』)

出演:キャリー・マリガン、ゾーイ・カザン、パトリシア・クラークソン

この作品は、あの映画界、世界全体を震わせたハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ事件を元にしており、それを世に知らしめた二人のジャーナリストを描いた物語となっています。

2022年とても重要な作品になると思われますし、キャリー・マリガンやゾーイ・カザン、パトリシア・クラークソンなどの演技派の演技も非常に楽しみな一本です。

Shirley

監督:ジョン・リドリー

出演:レジーナ・キング

アフリカ系アメリカ人女性初の米連邦議会下院議員となったシャーリー・チザムについての作品だそうです。

監督はジョン・リドリーで、主演はオスカー女優のレジーナ・キングが務めます。まだ詳細もわかっていないようですが、大変楽しみな一本です。

Showing Up

監督:ケリー・ライカート(代表作『オールド・ジョイ』『ウェンディ&ルーシー』『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』『First Cow』)

出演:ミシェル・ウィリアムズ、ホン・チャウ

彫刻家の主人公が、作品を生み出すアーティストの自分と、私生活の自分とのバランス、そのバランスを考え始める...といった作品だそうです。

今注目されているケリー・ライカートの最新作で、『First Cow』の日本公開もまだかなまだかな...と待っています。『Showing Up』はミシェル・ウィリアムズ主演ということで、非常に楽しみです。

The Son

監督:フローリアン・ゼレール(代表作『ファーザー』)

出演:ヒュー・ジャックマンローラ・ダーン、ヴェネッサ・カービー、アンソニー・ホプキンス

主人公は現在新しい妻と生活中。そんな中、主人公の元奥さんと、息子がやってきて...という内容の一本で、『ファーザー』に続きフローリアン・ゼレール自身が作り上げた舞台が原作です(続編ではないです)。

主演はヒュー・ジャックマンで、彼の主演男優賞候補も期待されています。ローラ・ダーン、ヴェネッサ・カービーなど、新旧の名優が共演しています。

Stars at Noon

監督:クレール・ドゥニ(代表作『ハイ・ライフ』『35杯のラムショット』『美しき仕事』『パリ、18区、夜。』『ショコラ』)

出演:マーガレット・クアリー、ジョー・アルウィン

80年代のニカラグアを舞台に、あるイギリス人とアメリカ人の恋愛と国からの脱出を描いた作品になっているようで、カンヌでは次点のグランプリに輝きました。

監督はクレール・ドゥニ、出演はマーガレット・クアリー、ジョー・アルウィンで、注目の俳優さんが多数出演しています。

Strange World『ストレンジ・ワールド』

監督:ドン・ホール(代表作『ベイマックス』『ラーヤと龍の王国』)

声優:アラン・テュディック

ディズニー長編アニメーションの61作目の作品で、アクションアドベンジャー映画になるようです。

監督は『ベイマックス』などディズニーアニメーションで大活躍しているドン・ホール監督です。ディズニーファンとしてはマーカー引いてチェックしておきたい一本です。

Tár

監督:トッド・フィールド(代表作『イン・ザ・ベッドルーム』『リトル・チルドレン』)

出演:ケイト・ブランシェット

イン・ザ・ベッドルーム』『リトル・チルドレン』などで絶賛されたトッド・フィールド監督の最新作です。主演は言わずもがなの名優ケイト・ブランシェットです。

トッド・フィールドの前の作品はどちらも演技賞中心に賞レースでも大活躍。ケイト・ブランシェットの主演女優賞候補の可能性も密かに囁かれています。

Thirteen Lives

監督:ロン・ハワード(代表作『バックドラフト』『アポロ13』『ビューティフル・マインド』『シンデレラマン』『フロスト×ニクソン』『ラッシュ プライドと友情』)

出演:ヴィゴ・モーテンセンコリン・ファレルジョエル・エドガートン

『THE RESCUE 奇跡を起こした者たち』というドキュメンタリーでも描かれたタムルアン洞窟の遭難事故をもとにした映画です。

洞窟に閉じ込められたサッカーチームを助ける裏側には何があったのか、それをヴィゴ・モーテンセンら演技派によって紡いでいく作品になっています。公開が早いのが気になりますが、テスト試写ではかなり好評との噂も...。

Thor: Love and Thunder『ソー:ラブ&サンダー』

監督:タイカ・ワイティティ(代表作『ジョジョ・ラビット』『マイティ・ソー バトルロイヤル』)

出演:クリス・ヘムズワーステッサ・トンプソンナタリー・ポートマンクリスチャン・ベール

ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』に続くMCU映画の最新作です。サノスとの戦いの後のソーが描かれており、ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャーとの戦いが繰り広げられるようです。

ソーはもちろんクリス・ヘムズワース、後継となるであろうジェーン・フォスターもナタリー・ポートマンが続投。悪役にクリスチャン・ベールが出演します。

Three Thousand Years of Longing

監督:ジョージ・ミラー(代表作『マッドマックス』シリーズ)

出演:ティルダ・スウィントンイドリス・エルバ

ある学者の前に姿を現した魔神。魔神は「3つの願いを叶えてやろう」と学者に伝えるものの、この学者は...といった一風変わった作品だそうです。

魔神役にはイドリス・エルバ、そしてティルダ・スウィントンも出演しています。監督は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でオスカーを大いに盛り上げたジョージ・ミラーが担当します。

Till

監督:シノニエ・チュクウ(代表作『Clemency』)

出演:ダニエル・デッドワイラー、ウーピー・ゴールドバーグ

息子をころされたメイミー・ティルの長きに渡るたたかいを描いた作品です。監督は日本ではまだ未公開の『Clemency』のシノニエ・チュクウです。

主演には『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール:報復の荒野』で注目を浴びたダニエル・デッドワイラー、またオスカー俳優のウーピー・ゴールドバーグも出演しているようです。

Top Gun: Maverickトップガン マーヴェリック』

監督:ジョセフ・コシンスキー(代表作『オブリビオン』『オンリー・ザ・ブレイブ』)

出演:トム・クルーズマイルズ・テラージェニファー・コネリー

あの『トップガン』が、トム・クルーズが、帰ってくる!!!今年一番の期待作にして大作。すでに批評家からも熱狂的に迎えられ、日本でも公開中です。

トム・クルーズはもちろんのこと、マイルズ・テラージェニファー・コネリーらスターが多数出演。実際に飛行機を飛ばしたアクションも大きな大きな見所です。

Tori and Lokita

監督:リュック・ダルデンヌ、ジャン=ピエール・ダルデンヌ(代表作『ロゼッタ』『ある子供』『ロルナの祈り』『少年と自転車』『サンドラの週末』)

出演:Pablo Schils、Mbundu Joely

巨匠ダルデンヌ兄弟の最新作です。舞台はベルギーで、アフリカ系移民の若者たちが数々の壁を乗り越えていこうとするという作品だそうです。

カンヌでは特別賞に選ばれた本作。ダルデンヌ兄弟の優れた演出と語りが大好きな人は、絶対目が離せない一作だと思います。

Triangle of Sadness

監督:リューベン・オストルンド(代表作『フレンチアルプスで起きたこと』『ザ・スクエア 思いやりの聖域』)

出演:チャールビ・ディーン・クリーク、ウディ・ハレルソン、ハリス・ディキンソン

クルージングに乗っているセレブたちと、そのお世話をする乗組員が、船の事故をきっかけにそのパワーバランスが逆転する...といったなんとも面白そうな題材。料理人がヒエラルキーのトップに君臨したり...みたいなことが起きるそうです。

『フレンチアルプスで起きたこと』『ザ・スクエア 思いやりの聖域』のリューベン・オストルンド監督がメガホンを取ります。パルム・ドールを受賞した本作ですが、一体どんな作品なのか、とても楽しみにしている作品です。

Turning Red『私ときどきレッサーパンダ

監督:ドミー・シー

声優:ロザリー・チアン、サンドラ・オー

レッサーパンダに変身してしまう少女の自分さがしストーリーで、傑作を生み出し続けるピクサーの最新作です。

監督は短編『Bao』を監督したドミー・シーです。非常に普遍的でありながら斬新な大傑作であり、未見の方はぜひ。長編アニメーション賞などで大活躍しそうです。

The Whale

監督:ダーレン・アロノフスキー(代表作『ブラック・スワン』『レスラー』『レクイエム・フォー・ドリーム』『π』)

出演:ブレンダン・フレイザー、ホン・チャウ、セイディー・シンク

この作品の原作は舞台で、ヘビーな男性が娘との関係を修復しようと奮闘する物語だそうで、監督は『ブラック・スワン』『レクイエム・フォー・ドリーム』で観客を震わせたダーレン・アロノフスキーです。

主演はブレンダン・フレイザー。一時期大スターとしてハリウッドで活躍した彼が、ついにハリウッドにカムバック。彼のキャリアとも重なる部分もあるのかもしれませんし、主演男優賞の最有力だとも言われています。

White Noise

監督:ノア・バームバック(代表作『マリッジ・ストーリー』『フランシス・ハ』『イカとクジラ』)

出演:アダム・ドライバーグレタ・ガーウィグ

アメリカの大学教授が、犯罪に手を染めていく...。同名の小説を元にしており、ノア・バームバックが映像化します。

アダム・ドライバーと再タッグだけではなく、監督のパートナーであり、『フランシス・ハ』の主演であり、『レディ・バード』などで監督としても圧倒的才能を証明したグレタ・ガーウィグも出演しています。

The Woman King

監督:ジーナ・プリンス=バイスウッド(代表作『オールド・ガード』『ワン・オン・ワン ファイナル・ゲーム』)

出演:ヴィオラ・デイヴィス

『オールド・ガード』のジーナ・プリンス=バイスウッドが監督を務める歴史映画で、ファーストルックからもその迫力が伝わる作品になりそうです。

主演はヴィオラ・デイヴィス。彼女の主演女優賞も可能性があると言われています。個人的にもどんな作品なのか想像がつかず、非常に楽しみな一本です。

Women Talking

監督:サラ・ポーリー(代表作『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』)

出演:ジェシー・バックリー、フランシス・マクドーマンドルーニー・マーラクレア・フォイベン・ウィショー

同名のベストセラーを原作としており、女性が町の男たちに暴行されてしまうという事件をきっかけに、女性たちが自らと家族を守るために立ち上がる、という物語だそうです。

監督は大傑作『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』の監督、サラ・ポーリー。出演陣も豪華で、今年を代表する重要な一本となりそうです。作曲家は『ジョーカー』でオスカーを受賞した、ヒドゥル・グドナドッティルが担当します。

The Wonder

監督:セバスティアン・レリオ・ワット(代表作『グロリアの青春』『ナチュラルウーマン』)

出演:フローレンス・ピュー、ニアフ・アルガー、キアラン・ハインズ

この作品は『ナチュラルウーマン』など、世界で活躍する監督、セバスティアン・レリオ・ワットの新作で、二人の主人公がお互いに人生をスイッチする...という作品だという噂です。

出演はフローレンス・ピュー、ニアフ・アルガー、キアラン・ハインズと非常に豪華です。まだ詳細が不明ですが、是非ともチェックしたい一本です。

X『X エックス』

監督:タイ・ウェスト

出演:ミア・ゴス、ジェナ・オルテガ、マーティン・ヘンダーソンブリタニー・スノウ

A24が送るホラー映画です。ポルノ映画の撮影に、農場へやってきた若い一行。ある夜、農場の主の老夫婦の狂気が顕れ始め...。

ミア・ゴス、ジェナ・オルテガという若い注目の俳優が多く出ているのが非常に注目です。批評からも温かく迎えられており、オスカーは難しいものの、今年を代表する一作にはなりそうです。

The Zone of Interest

監督:ジョナサン・グレイザー(代表作『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』)

出演:不明

『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』のジョナサン・グレイザーの最新作です。

出演者なども不明で未だ謎が多い作品ですので、今年公開かは怪しいところですが、注目したい一本です。

 

まとめ

第95回アカデミー賞、候補になるであろう作品も、そうでない作品も、2022年はいろんな映画にまた出会えそうです。

さてみなさんきになる映画はありましたか?

それではまた次回!

第95回アカデミー賞 期待作Part2!

早すぎる次のアカデミー賞での有力作品紹介 Part2

皆さんこんにちは!

今回は前回に続き、第95回アカデミー賞で活躍しそうな期待の映画を紹介します。

2022年も様々な期待作が待機しており、ワクワクが今から止まりません...笑。

Empire of Light

監督:サム・メンデス(代表作『アメリカン・ビューティー』『ロード・トゥ・パーディション』『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』『1917 命をかけた伝令』)

出演:マイケル・ウォード、オリヴィア・コールマンコリン・ファース

この作品は、1980年代、イギリスと沿岸の映画館を舞台に繰り広げられるラブ・ストーリーです。メガホンは『アメリカン・ビューティー』で強烈な長編映画デビューをしたサム・メンデスです。

役者が非常に豪華で、『ブルー・ストーリー』のマイケル・ウォードという今期待の新人さんから、オリヴィア・コールマンコリン・ファースなどオスカー常連の俳優さんまで、演技派が集結しています。

Everything Everywhere All at Once

監督:ダニエル・クワンダニエル・シャイナート(代表作『スイス・アーミー・マン』)

出演:ミシェール・ヨー、ジョナサン・キー、ステファニー・スー、ジェイミー・リー・カーティス

今色々と話題のマルチバースが一つのテーマの作品で、主人公がマルチバースの存在に気づき、それぞれの世界の自分の能力を使って悪に立ち向かうというとんでもなく面白そうな内容の作品です。

主演はミシェール・ヨーで、彼女らしいキレキレのアクションを披露しながら、ドラマパートの演技も見事との評価を得ています。『インディー・ジョーンズ 魔宮の伝説』『グーニーズ』で子役として大活躍したジョナサン・キーも出演しており話題となっています。

The Fabelmans

監督:スティーヴン・スピルバーグ(代表作『ジョーズ 』『未知との遭遇』『E.T.』『カラー・パープル』『ジュラシック・パーク』『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』『ミュンヘン』『リンカーン』『ウエスト・サイド・ストーリー』)

出演:ミシェル・ウィリアムズポール・ダノセス・ローゲン

大巨匠スティーヴン・スピルバーグの幼少期の思い出をもとにしていると言われる作品で、戦後のアリゾナで育った監督の記憶を映像化したものという情報があるようです。

母親役にミシェル・ウィリアムズ、父親役にポール・ダノ、おじさん役にセス・ローゲンと、いずれも幅広い役柄を得意とする役者さんが揃っており、非常に楽しみな一本です。

Final Cut『キャメラを止めるな!』

監督:ミシェル・アザナヴィシウス(代表作『アーティスト』)

出演:ロマン・デュリスベレニス・ベジョ、グレゴリー・ガドゥボア

原題は"Coupez !"。カンヌ国際映画祭で上映予定の本作は、あの日本で大ヒットした『カメラを止めるな!』のフランス版リメイク作品!

メガホンをとるのは、オスカー作品賞を受賞した『アーティスト』の監督、ミシェル・アザナヴィシウス。『アーティスト』でタッグを組んだベレニス・ベジョをはじめ、ロマン・デュリスなどフランスや世界で活躍する俳優さんを集めた一作となっています。

Going Electric

監督:ジェームズ・マンゴールド(代表作『コップランド』『17歳のカルテ』『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』『ナイト&デイ』『LOGAN/ローガン』『フォードvsフェラーリ』)

出演:ティモシー・シャラメ

イライジャ・ウォルドの原作をもとにした作品で、ボブ・ディランについての物語になるよう。監督のジェームズ・マンゴールドは『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』でも歌手をテーマにしていましたよね。

主演はティモシー・シャラメ。本作も多くの作品同様新型コロナウイルスの影響で撮影が中止・延期になっているため、公開は今年なのか来年なのかまだ不明です。

The Good Nurse

監督:トビアス・リンホルム(代表作『ある戦争』)

出演:エディ・レッドメインジェシカ・チャステイン

多くの患者を手にかけた連続殺人犯である看護師を描いた犯罪・スリラー映画です。監督は『偽りなき者』『アナザーラウンド』の共同脚本も担当し、『ある戦争』では監督も務めたトビアス・リンホルムです。

出演はエディ・レッドメインジェシカ・チャステイン。どちらもオスカー俳優ということで、演技面でも非常に楽しみです。

The Greatest Beer Run Ever

監督:ピーター・ファレリー(代表作『グリーンブック』『メリーに首ったけ』)

出演:ザック・エフロンラッセル・クロウ

この作品は主人公が、ベトナム戦争の兵士らにビールと笑いを届けようと奮闘する、戦争ドラマとなるようです。

監督は『グリーンブック』が作品賞を受賞したピーター・ファレリーで、主演はザック・エフロンが務めます。ラッセル・クロウ助演男優賞候補ももしかしたらあるかもしれません。

Guillermo del Toro’s Pinocchio『ギレルモ・デル・トロピノッキオ』

監督:ギレルモ・デル・トロ(代表作『パンズ・ラビリンス』『シェイプ・オブ・ウォーター』『ナイトメア・アリー』)

声優:グレゴリー・マンユアン・マクレガー、デビッド・ブラッドリー、ティルダ・スウィントンクリストフ・ヴァルツケイト・ブランシェットロン・パールマン

ギレルモ・デル・トロの最新作はあの有名なピノキオの物語。ストップモーションアニメとなる予定で、監督曰く、誰もが知る物語とは一味違う様子。

声優も非常に豪華で、ユアン・マクレガーティルダ・スウィントンクリストフ・ヴァルツなどが参戦。非常に楽しみな一本です。Netflixで配信予定です。

I Wanna Dance with Somebody

監督:ケイシー・レモンズ(代表作『ハリエット』)

出演:ナオミ・アッキー、アシュトン・サンダース、スタンリー・トゥッチ

この作品は、ホイットニー・ヒューストンの伝記映画で、メガホンをとるのは『ハリエット』のケイシー・レモンズです。

主演を務めるのは『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』のナオミ・アッキー。彼女の主演女優賞候補を望む声が非常に高まっています。

The Killer

監督:デヴィッド・フィンチャー(代表作『セブン』 『ファイト・クラブ』 『ゾディアック』 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 『ソーシャル・ネットワーク』 『ドラゴン・タトゥーの女』 『ゴーン・ガール』『Mank マンク』)

出演:マイケル・ファスベンダーティルダ・スウィントン

アレクシス・ノランの小説を原作としたスリラー映画です。Netflixで配信予定で、冷酷なころし屋が主人公となる物語だそうです。

監督は鬼才デヴィッド・フィンチャー、主演はマイケル・ファスベンダーです。ジャンル色が強くオスカーでは不利と思われますが、一体どんな作品なのか非常に気になります。

Killers of the Flower Moon

監督:マーティン・スコセッシ(代表作『タクシードライバー』『レイジング・ブル』『グッドフェローズ』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『ディパーテッド』『ヒューゴの不思議な発明』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『アイリッシュマン』)

出演:レオナルド・ディカプリオジェシー・プレモンス、リリー・グラッドストーンロバート・デ・ニーロ

1920年代、先住民と関係した者が謎の死を遂げる殺人事件の捜査の中、人種問題などが浮き彫りになっていくという作品で、ジェシー・プレモンス、レオナルド・ディカプリオが出演予定です。

監督はあのマーティン・スコセッシ。説明不要の巨匠が放つ作品に期待が高まります。助演女優賞では、リリー・グラッドストーンの初候補も期待されています。受賞もあるとの声も...。

Knives Out 2

監督:ライアン・ジョンソン(代表作『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』『LOOPER/ルーパー』)

出演:ダニエル・クレイグ

高評価を得たオリジナル推理映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』の続編で、前作に続きライアン・ジョンソンがメガホンをとります。

詳細は不明ですが、傑作の続編ということで、非常に楽しみです。

Lightyear『バズ・ライトイヤー

監督:アンガス・マクレー

声優:クリス・エヴァンス、キキ・パーマー

ついに!あのピクサーの原点でも言える『トイ・ストーリー』のバズ・ライトイヤーが主人公のSF映画。傑作を生み出し続けるピクサーということで期待が高まります。

声はクリス・エヴァンスが担当。有名すぎるバズを主人公に改めて物語を紡ぐとは、なんとも挑戦的な姿勢で、ピクサーらしいと言えるでしょう。本当に楽しみです!

The Lost King

監督:スティーヴン・フリアーズ(代表作『マイ・ビューティフル・ランドレット』『危険な関係』『グリフターズ 詐欺師たち』『ハイロー・カントリー』『クィーン』『あなたを抱きしめる日まで』『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』)

出演:サリー・ホーキンススティーヴ・クーガン

リチャード三世が関係すると思われる物語で、コメディドラマになるようです。監督はこの人に任せておけば安心!とも言えるスティーヴン・フリアーズ

主演は『シェイプ・オブ・ウォーター』のサリー・ホーキンス。またスティーヴ・クーガンも出演予定です。

Maestro

監督:ブラッドリー・クーパー(代表作『アリー スター誕生』)

出演:ブラッドリー・クーパーキャリー・マリガン、ジェレミー・ストロング

こちらは今年公開かは微妙なところですが、念のため。『アリー スター誕生』で監督としても高い評価を得たブラッドリー・クーパーの最新作です。

キャリー・マリガンやジェレミー・ストロングなど実力派が出演しており、プロデューサーとしてスコセッシやスピルバーグなども参加しているそうです。

A Man Called Otto

監督:マーク・フォースター(代表作『チョコレート』『ネバーランド』)

出演:トム・ハンクス

外国語映画賞にノミネートされたスウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』のリメイクです。偏屈な男とその周りの人々が紡ぐ感動のコメディドラマであるオリジナルをどうリメイクするのか注目されています。

主演はトム・ハンクス、そして監督は『ネバーランド』などのマーク・フォースター。オリジナルと比べられるのはリメイクあるあるですが、一体どのような評価を得るのか注目されています。

Men

監督:アレックス・ガーランド(代表作『エクス・マキナ』『アナイアレイション -全滅領域-』)

出演:ジェシー・バックリー、ロリー・キニア

A24が送るホラー映画で、主人公がイギリスの田舎町での休暇で体験する恐怖を描いたものだそうです。

監督は『エクス・マキナ』で一気に注目されたアレックス・ガーランド。主演は今注目されているジェシー・バックリーです。ゾクゾク感が伝わる予告編をみてから、非常に待ちきれないなと思っている一本です。

Mission: Impossible - Dead Reckoning Part One

監督:クリストファー・マッカリー(代表作『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』『ミッション:インポッシブル フォールアウト』)

出演:トム・クルーズ

ミッション:インポッシブルシリーズの第7作目です。常に自らアクションするトム・クルーズだからこその躍動感を毎回感じるシリーズで、トップガン新作と並び今年を代表するアクションドラマになるでしょう。

監督は前々作・前作も担当したクリストファー・マッカリーです。

Next Goal Wins

監督:タイカ・ワイティティ(代表作『ジョジョ・ラビット』『マイティ・ソー バトルロイヤル』)

出演:マイケル・ファスベンダー、エリザベス・モス、Kaimana

ドキュメンタリー映画ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦』をもとにしたスポーツコメディ映画です。

マイケル・ファスベンダーとエリザベス・モスが出演し、『ジョジョ・ラビット』のタイカ・ワイティティがメガホンを取ります。おそらく独特なユーモアが飛び交う作品となるでしょう。楽しみです。 

Nope『NOPE/ノープ』

監督:ジョーダン・ピール(代表作『ゲット・アウト』『アス』)

出演:ダニエル・カルーヤ、キキ・パーマー、スティーヴン・ユァン

ジョーダン・ピールの最新ホラー映画で、とある牧場を舞台に、空に浮かんだ未知の雲に、突如人々が吸い上げられいくという恐怖を描いた作品だそう。

社会派とエンタメを毎度見事に融合するジョーダン・ピールだからこそ非常に楽しみな一本です。ダニエル・カルーヤ、キキ・パーマー、スティーヴン・ユァンが出演しています。

The Northman

監督:ロバート・エガース(代表作『ウィッチ』『ライトハウス』)

出演:アレクサンダー・スカルスガルドニコール・キッドマン、クレス・バング、アニャ・テイラー=ジョイ、イーサン・ホークビョークウィレム・デフォー

舞台は10世紀のアイスランドヴァイキングの王子が、叔父に倒された父親の仇と王座奪還を目指す姿を描いた歴史映画です。主人公はあの『ハムレット』のモデルとなっているアムレートで、アレクサンダー・スカルスガルドが演じています。

監督はロバート・エガース、アレクサンダー・スカルスガルドの他、ニコール・キッドマン、アニャ・テイラー=ジョイなどが出演しています。

Poor Things

監督:ヨルゴス・ランティモス(代表作『女王陛下のお気に入り』『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』『ロブスター』『籠の中の乙女』)

出演:エマ・ストーンウィレム・デフォーマーク・ラファロ

女王陛下のお気に入り』でオスカーでも注目されたヨルゴス・ランティモスの最新作です。夫から虐待を受ける主人公が、父親の助けによって、脳みそを胎児の脳みそに取り替えるといった、なんともヨルゴス・ランティモスらしい不思議な内容となっています。

エマ・ストーンウィレム・デフォーマーク・ラファロという実力派が多数出演しており、とても待ちきれない一作となっています。

Prince of Cats

監督:スパイク・リー(代表作『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』『ブラック・クランズマン』)

出演:ラキース・スタンフィールド

こちらも今年公開か不明な一本。『ロミオとジュリエット』を元に改編した同名の原作を元にした作品で、『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』『ブラック・クランズマン』のスパイク・リーがメガホンを取ります。

出演は『ユダ&ブラック・メシア』で初候補にあがった、今大注目の俳優、ラキース・スタンフィールドです。

Red, White and Water

監督:ライラ・ノイゲバウアー

出演:ジェニファー・ローレンス、ブライアン・タイリー・ヘンリー

あのA24が世に送り出す作品で、PTSDに悩まされる主人公を描いた話だそうです。監督は舞台演出家でもあるライラ・ノイゲバウアーが務めます。

ジェニファー・ローレンス、ブライアン・タイリー・ヘンリーが出演する予定で、俳優陣も非常に豪華なため、演技を堪能する映画でもありそうですね。

 

まとめ

Part2、いかがだったでしょうか。

オスカーに絡みそうなものから、単純に楽しみなものまで、2022年もたくさんの映画に出会えそうで、今からワクワクが止まりませんよね。

Part3もあるので、お楽しみに!

それではまた次回!

第95回アカデミー賞 期待作Part1!

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早すぎる次のアカデミー賞での有力作品紹介 Part1

皆さんこんにちは!

早速ですが、今回は次の第95回アカデミー賞で活躍しそうな期待の映画を紹介します。

今年全米公開か不明な作品も一部ありますが、ご了承ください。

After Yang

監督:コゴナダ(代表作『コロンバス』)

出演:コリン・ファレル、ジョディ・ターナー=スミス、ジャスティン・H・ミン

ロボットにベビーシッターを任せている世界で、主人公も娘のベビーシッターをロボットのヤンにお願いしていたが、ある日ヤンが突然稼働停止。人間とは、機械とは、そんなことを考えさせられる傑作SFだそうです。

アメリカでは2021年の映画祭などで上映され絶賛評を獲得したA24の期待作。アメリカで2022年の3月公開ということで若干不利ですが、どこまで勢いを伸ばせるでしょうか。

Aftersun

監督:シャーロット・ウェルズ

出演:ポール・メスカル

シャーロット・ウェルズの長編デビュー作です。90年代後半を舞台に、父親と11歳の娘のトルコでのヴァケーション、そして大人になった娘が父との関係に悩むといったことが描かれるようです。

A24が配給権を獲得しており、カンヌ国際映画祭でも上映予定です。とても素晴らしい作品との噂もあり、非常に楽しみです。

All Quiet on the Western Front

監督:エドワード・バーガー

出演:ダニエル・ブリュール、アルブレヒト・シュッフ

第一次世界大戦を舞台に、戦争の苦しみや恐ろしさをドイツ軍側から描いた作品で、エーリヒ・マリア・レマルクの小説を原作としています。主演を務めるのは『ラッシュ プライドと友情』で話題を呼んだダニエル・ブリュールです。

Netflixで公開予定の本作。同じ原作から生まれた同題名の1930年の傑作『西部戦線異状なし』は第3回アカデミー賞で作品賞を受賞。これに続くことはできるのでしょうか。

Allelujah

監督:リチャード・エアー(代表作『アイリス』『あるスキャンダルの覚え書き』)

出演:ジェニファー・ソーンダース、ジュディ・デンチ

『アイリス』『あるスキャンダルの覚え書き』などで知られるリチャード・エア監督の最新作です。まだ詳しいことはわかっていませんが、2022年のイギリス映画を代表する一本になるかもしれない作品です。

リチャード・エアー監督作品の常連であるジュディ・デンチも出演する予定で、演技賞などももしかしたら射止められるかもしれません。英国アカデミー賞で勢いを出せるのか注目です。

Amsterdam(追記:タイトルが変わったため修正しました)

監督:デヴィッド・O・ラッセル(代表作『ザ・ファイター』『世界にひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル』)

出演:クリスチャン・ベールマーゴット・ロビー、ジョン・デヴィッド・ワシントン、ラミ・マレック、アニャ・テイラー=ジョイ

俳優を最大限魅力的に魅せることのできるデヴィッド・O・ラッセル監督の新作です。医師と弁護士が織りなす物語ということで、詳細は不明ですが賞レースを盛り上げる可能性を秘めている一本です。

クリスチャン・ベールマーゴット・ロビー、ジョン・デヴィッド・ワシントン、ラミ・マレックマイケル・シャノン、アニャ・テイラー=ジョイ、テイラー・スウィフトなどが出演予定とされており、非常に豪華。楽しみです。

Apollo 10½: A Space Age Childhood『アポロ10号 1/2:宇宙時代のアドベンチャー

監督:リチャード・リンクレイター(代表作『スクール・オブ・ロック』『6才のボクが、大人になるまで。』『エブリバディ・ウォンツサム‼︎ 世界はボクらの手の中に』『ビフォア』シリーズ)

出演(声):ザッカリー・リーヴァイ、グレン・パウエル

60~70年代のヒューストンで生活をしていた主人公の少年。宇宙に、月旅行に憧れた少年時代の思い出がぎゅっと詰まった傑作アニメーション映画です。

すでにNetflixで観れる作品ですので、ぜひ観て欲しいのですが、仮にその時代を知らなくてもなぜか懐かしい気分になる不思議な魔法を持った作品です。映画好きにはたまらない描写もたくさん。アニメーション賞などで注目される可能性があるかもしれません。

Armageddon Time

監督:ジェームズ・グレイ(代表作『リトル・オデッサ』『エヴァの告白』『アド・アストラ』)

出演:アン・ハサウェイアンソニー・ホプキンス、ジェレミー・ストロング

ジェームズ・グレイ監督の学生時代を振り返る作品で、クイーンズの私立学校を舞台にしているそうです。いわゆる監督の半自伝的映画であり、当時の時代背景を交えながら友情などをテーマに紡がれる作品になるのではと噂されています。

主人公の家族を演じるのはアン・ハサウェイアンソニー・ホプキンス、ジェレミー・ストロングなど非常に豪華。オスカー好みではないと言われる監督の作風ですが、今回はいかに。

Asteroid City

監督:ウェス・アンダーソン(代表作『ムーンライズ・キングダム』『グランド・ブダペスト・ホテル』『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』)

出演:スカーレット・ヨハンソンマーゴット・ロビートム・ハンクスティルダ・スウィントンビル・マーレイ

映画ファンでなくとも知っている人が多いであろうファンの多いウェス・アンダーソンの新作で、あまり情報は出ていませんが「ロマンス・ストーリー」になる可能性が高いようです。

また、今回もいつも以上に豪華キャストが集結している様子。ウェス・アンダーソンは多くの人を惹きつける映像感覚を持つ監督なので、そこも注目したいなと思います。前作『フレンチ・ディスパッチ』はオスカーではシャットアウト。今回こそは...?

Avatar 2

監督:ジェームズ・キャメロン(代表作『ターミネーター』『エイリアン2』『タイタニック』『アバター』)

出演:サム・ワーシントンゾーイ・サルダナ

全世界で記録を作った『アバター』は、なんと5部作。今回はその2作目にあたります。出演陣もサム・ワーシントンゾーイ・サルダナが続投の予定です。

常にビジュアルで人を圧倒するのがジェームズ・キャメロンで技術賞ではかなり強いかもしれません。注目は主要部門に絡むのかどうか。『アバター』は作品賞などにノミネートされていましたが、本作はどうなるのか注目です。

Babylon

監督:デイミアン・チャゼル(代表作『セッション』『ラ・ラ・ランド』『ファースト・マン』)

出演:ディエゴ・カルバ、マーゴット・ロビーブラッド・ピット

デイミアン・チャゼルの監督の新作『Babylon』は、トーキー映画が登場する1920年代のハリウッドを舞台にした歴史劇だそうで、フィクションとノンフィクションが混じり合った一作なるとのことです。

ブラッド・ピットマーゴット・ロビーら豪華スターが出演。テスト試写では特にマーゴット・ロビーの前評判が高く、期待が非常に高まります。

The Banshees of Inisherin

監督:マーティン・マクドナー(代表作『スリー・ビルボード』『セブン・サイコパス』)

出演:コリン・ファレルブレンダン・グリーソン

この作品はアイルランド映画で、2人の友人の対立を描いた作品だそうです。あまり前情報がないですが、『スリー・ビルボード』の監督作ということで期待が高まります。

出演陣も豪華で、コリン・ファレルが主演を務めると報道されています。賞レース向きの題材なのかは不明ですが、どちらにしろ楽しみです。

Bardo (or False Chronicle of a Handful of Truths)

監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(代表作『レヴェナント:蘇えりし者』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『バベル』『21グラム』『アモーレス・ペロス』)

主演:ダニエル・ヒメネス・カチョ、グリゼルダ・シシリアニ

主人公であるメキシコ人ジャーナリストが、故郷で自分自身のあり方・過去、家族、そして故郷を見つめる作品とのことです。

『レヴェナント 蘇えりし者』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の作品の多くは演技賞に絡むことも多く、ダニエル・ヒメネス・カチョ、グリゼルダ・シシリアニらの演技も注目と言えます。

The Batman『THE BATMAN -ザ・バットマン-』

監督:マット・リーヴス(代表作『クローバーフィールド/HAKAISHA』『モールス』『猿の惑星』シリーズ)

出演:ロバート・パティンソンゾーイ・クラヴィッツ、、ポール・ダノジェフリー・ライトアンディ・サーキス

DCコミックの中でも有名なバットマン。そんな彼が、ゴッサム・シティバットマンとして活動を始めた頃のお話。リドラーという殺人犯を捉えるべく、警察やキャットウーマン接触しながらゴッサム・シティへの闇へ近づいていく...というお話です。

すでに日本でも公開されており、大ヒット。オスカーの観点では技術部門で何かノミネートされるかもしれません。グリーグ・フレイザーの撮影賞候補も可能性ありです。マット・リーヴス、これからも期待の監督です。

Black Panther: Wakanda Forever

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監督:ライアン・クーグラー(代表作『ブラックパンサー』『クリード チャンプを継ぐ男』『フルートベール駅で』)

出演:ルピタ・ニョンゴダナイ・グリラ

傑作『ブラックパンサー』の次の作品はその名も『Wakanda Forever』。チャドウィック・ボーズマンの意思を受け継いだ物語になっていくのしょうか、非常に期待が高まる一本です。

前作『ブラックパンサー』はアカデミー賞で作品賞候補にあがるなど、映画史に残る伝説を生み出した一本。本作もMCU作品としてその伝説に続くことができるのか、というところにもぜひ注目したいです。

Blonde

監督:アンドリュー・ドミニク(代表作『ジェシー・ジェームズの暗殺』『ジャッキー・コーガン』)

出演:アナ・デ・アルマス、エイドリアン・ブロディ

Netflixで配信予定の作品で、50年代~60年代のマリリン・モンローを描く伝記映画となっています。テスト試写ではその独特なタッチに賛否両論との噂があり、一体どんな作品なのかむしろ気になります。

マリリン・モンローを演じるのは今注目のアナ・デ・アルマス。当初受賞確実とも言われた主演女優BUZZは少しづつ落ち着いてしまっていますが、ここから盛り返すことはできるのでしょうか。

Bones & All

監督:ルカ・グァダニーノ(代表作『君の名前で僕を呼んで』『ミラノ、愛に生きる』)

出演:ティモシー・シャラメ、テイラー・ラッセ

この作品はアメリカとイタリアの合作だそうで、大切にされるとその人を食べたくなるという秘密を抱える少女が、流れ者の少年と父親を探す旅に出る、という青春ホラーだそうです。

君の名前で僕を呼んで』で一躍有名になったルカ・グァダニーノ監督とティモシー・シャラメの再タッグということで非常に注目の一本です。『WAVES ウェイブス』で素晴らしい演技を披露したテイラー・ラッセルの演技にも大注目です。

Boy From Heaven

監督:タリク・サレ(代表作『ザ・コントラクター』)

出演:タウフィーク・バルホーム、ファレス・ファレス、マハディ・ザハビ、モハマド・バクリ、マクラム・フーリー

主人公は漁師の息子。彼はある有名大学に入学することになるが、学長の死をきっかけに激しい権力争いに巻き込まれる...という内容の作品だそうです。

カンヌ国際映画祭で公開予定であり、非常に楽しみな一本です。内容がとても惹かれるものなので、期待している作品です。

Broker『ベイビー・ブローカー』

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監督:是枝裕和(代表作『万引き家族』『海街diary』『そして父になる』『誰も知らない』)

出演:ソン・ガンホカン・ドンウォン、イ・ジウン

万引き家族』の是枝監督の新作で、親が育てられない新生児を預ける「ベイビー・ボックス」、そしてその周囲の人々の姿を描き出す映画だそうです。カンヌ国際映画祭で公開予定です。

『真実』ではフランスで映画を撮った是枝監督が、今回は韓国を舞台に選択。ソン・ガンホなど韓国の名俳優らとタッグを組み作品を作ったということで、個人的にもすごく楽しみにしている一本です。

Cha Cha Real Smooth

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監督:クーパー・レイフ

出演:クーパー・レイフ、ダコタ・ジョンソン

サンダンス映画祭で評価された新人クーパー・レイフ監督の作品です。監督自身が出演もしています。人生の目的がない大学卒の主人公が、自閉症の娘を育てる母親と出会い...。

サンダンス映画祭で評価された『コーダ あいのうた』『ミナリ』などに続くことができるのか注目されており、この若いクーパー・レイフの才能の今後も非常に楽しみです。

Close

監督:ルーカス・ドン(代表作『Girl ガール』)

出演:レア・ドリュッケール、ケヴィン・ヤンセンス、エミリー・ドゥケンヌ、イガー・バン・デッセル

13歳の少年レオとレミ。仲良しだった二人が突然の仲違い。一体何があったのか。当の本人レオ自身もわからず、彼はレミの母親を頼るのだが...。

『Girl ガール』で高い評価を受けたルーカス・ドン監督の最新作です。国際長編映画賞のベルギー代表に選ばれる可能性が高く、注目の作品です。

Crimes of the Future

監督:デヴィッド・クローネンバーグ(代表作『ザ・フライ』『裸のランチ』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『イースタン・プロミス』)

出演:ヴィゴ・モーテンセン、レア・セドゥ、クリステン・スチュワート

ヴィゴ・モーテンセンが演じるのは、レア・セドゥ演じるパートナーとあまりにも独特で恐ろしいパフォーマンスをするアーティスト。予告編からも刺激的な映像の数々に本編が気になってしまいます。

カンヌ国際映画祭での公開が決定となっており、多くの映画ファンが首を長くして待っていた新作。ヴィゴ・モーテンセン、レア・セドゥ、クリステン・スチュワートという豪華キャストも注目ポイントです。

Decision to Leave

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監督:パク・チャヌク(代表作『お嬢さん』『オールド・ボーイ』『JSA』)

出演:タン・ウェイ、パク・ヘイル

ある殺人事件の容疑者となった未亡人。そんな女性に惹かれてしまう刑事さん。その2人の関係を描いた作品になるそうです。

パク・チャヌクの久しぶりの新作ということで待ちわびていた映画ファンも多いのでは。タン・ウェイ、パク・ヘイルが紡ぐミステリー&ロマンス、非常に楽しみです。

Disappointment Blvd.

監督:アリ・アスター(代表作『ヘレディタリー 継承』『ミッドサマー』)

出演:ホアキン・フェニックス

『ミッドサマー』で映画ファン以外でも話題となったアリ・アスター監督。今回は、史上最も成功した起業家の、数々の出来事を描いたホラー作品になるようです。

そんな作品で主演を務めるのは『ジョーカー』でのオスカー受賞も記憶に新しいホアキン・フェニックス。心温まる役柄から、悪役、うちに狂気を秘めた役柄までなんでもこなす名優の演技にも注目したいです。

Doctor Strange in the Multiverse of Madness『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』

監督:サム・ライミ(代表作『死霊のはらわた』『スパイダーマン』『スペル』)

出演:ベネディクト・カンバーバッチエリザベス・オルセンベネディクト・ウォンレイチェル・マクアダムスキウェテル・イジョフォー

MCUの新作でドクター・ストレンジの続編。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でも鍵を握っていたマルチバースを舞台に繰り広げられる作品で、ドクター・ストレンジ、ワンダ・マキシモフらが大きな危機に立ち向かっていくというストーリーです。

ベネディクト・カンバーバッチベネディクト・ウォンキウェテル・イジョフォーはもちろん、ワンダを演じるエリザベス・オルセン、そして新たにレイチェル・マクアダムスなども出演する超大作です。

Don’t Worry Darling

監督:オリヴィア・ワイルド(代表作『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』)

出演:フローレンス・ピュー、ハリー・スタイルズ

舞台は1950年代で、フローレンス・ピュー演じる主婦が、自分の夫の秘密や恐ろしい真実に翻弄される物語、だそうです。予告からもスリルあふれる作風だということが伝わってきますよね。

今大注目の若手実力派フローレンス・ピューが主演を務め、またハリー・スタイルズなども出演しています。オリヴィア・ワイルドは監督デビュー作から、監督としても才能があることを証明。今後ますます期待が膨らみます。

892

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監督:アビ・ダマリス・コービン

出演:ジョン・ボヤーガ、ニコール・ベハーリー

元軍人の主人公は経済的に苦しい生活をしており、なおかつ妻や娘と別居中。そんな彼がある日爆弾も持って銀行を襲撃。一体何が彼をそうさせたのか、一体どうなっていくのか...という作品だそうです。

サンダンス映画祭で上映された一本で、ジョン・ボヤーガの演技が賞賛されています。緊迫感が半端じゃない作品だそうで、ひっそりと注目を集めています。

Elvis『エルヴィス』

監督:バズ・ラーマン(代表作『ロミオ+ジュリエット』『ムーラン・ルージュ』『華麗なるギャツビー』)

出演:オースティン・バトラー、トム・ハンクス

この作品はその名の通り、エルヴィス・プレスリーの人生を描いた伝記映画です。『ボヘミアン・ラプソディ』の例を挙げるまでもなくこの手の映画はうまくいくとオスカーでも大変好まれます。

主演を務めるのはオースティン・バトラー。そしてトム・パーカー大佐を演じるのはトム・ハンクス。豪華な顔ぶれで一体どんな作品になるのでしょうか。ワクワクしますね!

 

まとめ

さていかがだったでしょう。

今年もたくさんの期待作が公開されますね。オスカーに関わらずどれも楽しみな作品ばかりです。

紹介したい作品が多すぎるため、残りはPart2、Part3という形式で紹介したいと思います。まだまだ多くの期待作が残っているので、是非楽しみにしていてください。

それではまた次回!

第94回アカデミー賞 受賞結果!!!!!

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第94回アカデミー賞結果!

皆様、こんにちは!

第94回アカデミー賞の結果が発表されましたね!!

今回の記事ではその結果をまとめたいと思います。

ちなみに今回はかなり予想通りの展開で、予想は23部門中21部門的中していました。自分でも信じられない...。まぁ肝心の作品賞は外れたんですけど笑。

色々なことが話題となってしまった授賞式ですが、良い点も悪い点も議論すべき授賞式だったのではないでしょうか。

作品賞

  • Belfast『ベルファスト
  • CODA『コーダ あいのうた』
  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • King Richard『ドリームプラン』
  • Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
  • Nightmare Alley『ナイトメア・アリー』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
  • West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』

監督賞

主演女優賞

主演男優賞

助演女優賞

助演男優賞

脚本賞

  • Belfast『ベルファスト
  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • King Richard『ドリームプラン』
  • Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
  • The Worst Person in the World『わたしは最悪。』

脚色賞

  • CODA『コーダ あいのうた』
  • Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • The Lost Daughter『ロスト・ドーター』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

撮影賞

編集賞

  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • King Richard『ドリームプラン』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
  • tick, tick... BOOM!『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』

美術賞

衣装デザイン賞

メイクアップ&ヘアスタイリング賞

  • Coming 2 America『星の王子 ニューヨークへ行く2』
  • Cruella『クルエラ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • The Eyes of Tammy Faye『タミー・フェイの瞳』
  • House of Gucci『ハウス・オブ・グッチ』

音響賞

視覚効果賞

  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • Free Guy『フリー・ガイ』
  • No Time to Die『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』
  • Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
  • Spider-Man: No Way Home『スパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム』

作曲賞

  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • Encanto『ミラベルと魔法だらけの家』
  • Pararell Mothers
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

歌曲賞

  • "Be Alive"『ドリームプラン』
  • "Dos Oruguitas"『ミラベルと魔法だらけの家』
  • "Down to Joy"『ベルファスト
  • "No Time to Die"『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』
  • "Somehow You Do"『Four Good Days

長編アニメーション賞

  • Encanto『ミラベルと魔法だらけの家』
  • Flee『FLEE フリー』
  • Luca『あの夏のルカ』
  • The Mitchells vs. the Machines『ミッチェル家とマシンの反乱』
  • Raya and the Last Dragon『ラーヤと龍の王国』

長編ドキュメンタリー賞 

  • Ascension
  • Attica
  • Flee『FLEE フリー』
  • Summer of Soul (…Or, When the Revolution Could Not Be Televised)『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』
  • Writing with Fire『燃え上がる記者たち』

国際長編映画賞 

  • Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』(日本)
  • Flee『FLEE フリー』(デンマーク)
  • The Hand of God『The Hand of God』(イタリア)
  • Lunana: A Yak in the Classroom『ブータン 山の教室』(ブータン)
  • The Worst Person in the World『わたしは最悪。』(ノルウェー)

短編映画賞

  • Ala Kachuu - Take and Run
  • The Dress
  • The Long Goodbye
  • On My Mind
  • Please Hold

短編アニメーション賞

  • Affairs of the Art
  • Bestia
  • BoxBallet『ボクシングバレー』
  • Robin Robin『ことりのロビン』
  • The Windshield Wiper

短編ドキュメンタリー賞

  • Audible『オーディブル:鼓動を響かせて』
  • Lead Me Home『私の帰る場所』
  • The Queen of Basketball
  • Three Songs for Benazir『ベナジルに捧げる3つの歌』
  • When We Were Bullies

第94回アカデミー賞 受賞最終予想(3/26)

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第94回アカデミー賞受賞予想

皆様、こんにちは!

第94回アカデミー賞受賞予想!!

今回も全部門を予想!

いつも通り文章力のない雑なメモ書き付きです(笑)

作品賞

  • Belfast『ベルファスト
  • CODA『コーダ あいのうた』
  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • King Richard『ドリームプラン』
  • Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
  • Nightmare Alley『ナイトメア・アリー』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
  • West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』

 

 もし前哨戦通りにいけば『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が受賞するでしょう。昨年の『ノマドランド』に続き、批評家好みの作品が受賞を果たしそうです。ただしもし脚色賞と撮影賞を逃した場合、監督賞と作品賞の2部門のみの受賞というのはやや違和感、というのが引っかかりますが...。また監督の失言問題がどう影響するかは未知です...。

 対抗は当初『ベルファスト』と言われていましたが、実際には『コーダ あいのうた』の方が受賞可能性が高いでしょう。何と言っても製作者組合賞(PGA)と、俳優組合賞(SAG)のアンサンブル賞を受賞していることが大きな追い風となっています。また誰もが感動し、嫌いになる人が少ないだろう作風も強い要素の一つです。ただ監督・編集賞の候補漏れをして作品賞を受賞した例というのは非常に珍しく、なんとなく同じくPGASAGを制し作品賞は逃した『リトル・ミス・サンシャイン』と同じ匂いを感じます。

監督賞

 

 この部門は完全にジェーン・カンピオンの独走状態。失言などの問題が影響しなければ、90%の確率でジェーン・カンピオンが受賞を果たすと思われます。対抗のドゥニ・ヴィルヌーヴは候補入りすらされていないので...。

主演女優賞

 

 演技賞のうち最も混戦なのがこの主演女優賞です。賞レース前はクリステン・スチュワートの受賞を信じる人が多かったのですが、まさかのSAG落ち。ゴールデングローブ賞はなんと二コール・キッドマンがとり、今度は彼女がフロントランナーなのではという声が続出。こんな感じでフロントランナーが全く読めない賞レース展開が続いていました。

 しかしながら俳優組合賞(SAG)とCritics' Choiceをジェシカ・チャステインが受賞してからなんとなく流れが見えてきた気がします。ジェシカ・チャステインはこれが3度目のノミネーション。そろそろ受賞してもおかしくない頃であり、今回こそオスカーを手にしそうです。

主演男優賞

 

 賞レース前半はベネディクト・カンバーバッチの独走状態、後半はウィル・スミスが圧倒的な追い上げを見せる、主演男優賞は今シーズンそういった賞レース展開でした。

 ではオスカーを手するのは誰か。おそらくウィル・スミスかなと思われます。長年スターとして活躍していた彼がついにオスカーを手にする時。去年のチャドウィック・ボーズマン英国アカデミー賞(BAFTA)でアンソニー・ホプキンスに敗れてしまいオスカーにも届きませんでしたが、今回ウィル・スミスはBAFTAを含めた重要な4つの賞を全て受賞。オスカーもこのまま受賞しそうです。

助演女優賞

 

 この部門はアリアナ・デボーズが受賞するでしょう。対抗だと思われていたカトリーナ・バルフは候補漏れをしてしまったので...。

 『ウエスト・サイド・ストーリー』を観た方ならわかると思うのですが、このアリアナ・デボーズのアニータ、本当に素晴らしんですよね。演技もパフォーマンスも、ものすごい迫力で目が釘付けになってしまいました。60年代にもリタ・モレノがアニータ役でオスカーを受賞しているので、それに続く形で受賞すれば非常に感慨深いものになると思います。

助演男優賞

 

 批評家系の賞では圧倒的にコディ・スミット=マクフィーが独占。どちらかといえば大衆寄りのゴールデングローブ賞でもコディ・スミット=マクフィーが受賞し、オスカーも...と思われたとき、待ったをかけたのがトロイ・コッツァーです。

 『コーダ あいのうた』で最も観客のハートを揺さぶったのがトロイ・コッツァー演じる父親で、それを証明するようにゴールデングローブ以外の重要賞を次々と制覇。作品人気に火がついていることもあり、オスカーも彼が受賞しそうです。今回夫婦役で共演したマーリー・マトリンに続く聾唖者の受賞になるのでしょうか。

脚本賞

  • Belfast『ベルファスト
  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • King Richard『ドリームプラン』
  • Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
  • The Worst Person in the World『わたしは最悪。』

 

 この部門は『リコリス・ピザ』と『ベルファスト』の一騎打ちと言われています。私としては『リコリス・ピザ』のポール・トーマス・アンダーソンにとってほしいと思っていますが、作品にアジア人のステレオタイプ的描写があるらしく、そこが大きなマイナスポイントになるかもしれません。

 特に脚本家組合賞(WGA)では『ドント・ルック・アップ』が脚本賞を受賞。『ベルファスト』は対象外のため仕方ないのですが、『リコリス・ピザ』が敗れたのはやや衝撃の結果であり、想像以上に票が割れているのかもしれません。ということでゴールデングローブでも脚本賞を受賞した『ベルファスト』を予想します。

脚色賞

  • CODA『コーダ あいのうた』
  • Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • The Lost Daughter『ロスト・ドーター』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

 

 この部門も一騎打ちで、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』と『コーダ あいのうた』のどちらかになると思われます。

 当初は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が圧倒的に強かったのですが、ここにきて『コーダ あいのうた』の作品人気が急上昇。作品賞は難しいとしても脚色賞に票が集まることもあるのではと思い、『コーダ あいのうた』を予想しました。去年の『ファーザー』が『ノマドランド』を脚色賞で敗ったときのような流れになるような気がします。まぁ『パワー・オブ・ザ・ドッグ』もかなり強いのも事実ですが。

撮影賞

 

 この部門はおそらく『パワー・オブ・ザ・ドッグ』vs『DUNE/デューン 砂の惑星』となると思われます。本当は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』にもとってほしいとも思っていますが、撮影監督組合賞を受賞した『DUNE/デューン 砂の惑星』を予想しました。

編集賞

  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • King Richard『ドリームプラン』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
  • tick, tick... BOOM!『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』

 

 編集賞は今年一番予想が難しい部門。編集の組合賞では『ドリームプラン』が受賞。その他英国アカデミー賞やCritics' Choiceなどの重要賞では、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』や『ウエスト・サイド・ストーリー』などオスカーではノミネートされていない作品が受賞。ということが何がきてもおかしくないのですが、SF大作である『DUNE/デューン 砂の惑星』をとりあえず予想。

美術賞

 

 こちらもSF超大作が強い部門ですので、『DUNE/デューン 砂の惑星』を予想。対抗は『ナイトメア・アリー』。もし『ナイトメア・アリー』が何か受賞するとしたらこの賞でしょう。そうでないと無冠になりそうな気配。

衣装デザイン賞

 

 この部門は『クルエラ』が非常に強いです。何と言っても「衣装」が一つのテーマになっている作品なので...。

メイクアップ&ヘアスタイリング賞

  • Coming 2 America『星の王子 ニューヨークへ行く2』
  • Cruella『クルエラ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • The Eyes of Tammy Faye『タミー・フェイの瞳』
  • House of Gucci『ハウス・オブ・グッチ』

 

 メイクアップ&ヘアスタイリングの組合賞では『クルエラ』『星の王子 ニューヨークへ行く2』が受賞。しかしそのあとの大きな賞では『タミー・フェイの瞳』が一歩リードという感じ。主演女優賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞のダブル受賞はよくあるみたい。

音響賞

 

 『DUNE/デューン 砂の惑星』を予想。この部門は編集賞とペアで受賞することが多い。

視覚効果賞

  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • Free Guy『フリー・ガイ』
  • No Time to Die『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』
  • Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
  • Spider-Man: No Way Home『スパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム』

 

 『DUNE/デューン 砂の惑星』しかないのでは...。とても予想がしやすい部門。

作曲賞

  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • Encanto『ミラベルと魔法だらけの家』
  • Pararell Mothers
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

 

 ハンス・ジマーの2度目の受賞を予想ということで、『DUNE/デューン 砂の惑星』。『スペンサー ダイアナの決意』との合わせ技で、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジョニー・グリーンウッドも有力か。

歌曲賞

  • "Be Alive"『ドリームプラン』
  • "Dos Oruguitas"『ミラベルと魔法だらけの家』
  • "Down to Joy"『ベルファスト
  • "No Time to Die"『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』
  • "Somehow You Do"『Four Good Days

 

 ビリー・アイリッシュが大きくリード。今までもサム・スミス、アデルと、007シリーズの主題歌はオスカーを受賞しているので。『ミラベルと魔法だらけの家』は"We Don't Talk About Bruno"の人気にどれだけ乗れるか。ビヨンセも逆転を狙う。

長編アニメーション賞

  • Encanto『ミラベルと魔法だらけの家』
  • Flee『FLEE フリー』
  • Luca『あの夏のルカ』
  • The Mitchells vs. the Machines『ミッチェル家とマシンの反乱』
  • Raya and the Last Dragon『ラーヤと龍の王国』

 

 ディズニーかピクサー。それでいうと今年はディズニーの『ミラベルと魔法だらけの家』が有力。対抗は批評家大絶賛の『ミッチェル家とマシンの反乱』か。

長編ドキュメンタリー賞 

  • Ascension
  • Attica
  • Flee『FLEE フリー』
  • Summer of Soul (…Or, When the Revolution Could Not Be Televised)『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』
  • Writing with Fire『燃え上がる記者たち』

 

 『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』が圧倒的。おそらく順調に受賞を勝ち取りそうです。『FLEE フリー』の可能性はややあり。

国際長編映画賞 

  • Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』(日本)
  • Flee『FLEE フリー』(デンマーク)
  • The Hand of God『The Hand of God』(イタリア)
  • Lunana: A Yak in the Classroom『ブータン 山の教室』(ブータン)
  • The Worst Person in the World『わたしは最悪。』(ノルウェー)

 

 『ドライブ・マイ・カー』でしょう。作品・監督・脚色にノミネートされた作品に逆らうのは難しいので。今までのオスカーなら『わたしは最悪。』のような作品が強かったはず。『わたしは最悪。』は脚本賞ノミネートされているので、対抗となりうるでしょう。

短編映画賞

  • Ala Kachuu - Take and Run
  • The Dress
  • The Long Goodbye
  • On My Mind
  • Please Hold

短編アニメーション賞

  • Affairs of the Art
  • Bestia
  • BoxBallet『ボクシングバレー』
  • Robin Robin『ことりのロビン』
  • The Windshield Wiper

短編ドキュメンタリー賞

  • Audible『オーディブル:鼓動を響かせて』
  • Lead Me Home『私の帰る場所』
  • The Queen of Basketball
  • Three Songs for Benazir『ベナジルに捧げる3つの歌』
  • When We Were Bullies

まとめ

いかがでしょうか。

今年は作品賞から難しいですよね...。

皆さんもぜひ予想して、作品を観て、臨みましょう!

第94回アカデミー賞授賞式は現地の3/27、日本時間の3/28に行われます。

第94回アカデミー賞ノミネーション発表!!!

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第94回アカデミー賞ノミネーション発表!!!

皆様、こんにちは!

第94回アカデミー賞ノミネーションが発表されました!

今回も例年通り、いえ、例年以上にサプライズも多く、非常に面白い結果となりましたね!

 

というわけで今回はノミネーション結果と、それぞれの部門についての雑感(メモ的なものなので文章力0です。あっそれはいつものことか。)を残しておきます。

ちなみに今回の予想の的中率は、短編抜きの20部門で約77.1%、短編込みの23部門で約73.3%でした。あまり良くないですが、サプライズが多い方がアカデミー賞は面白いですから!(半分本気、半分負け惜しみ)

作品賞

  • Belfast『ベルファスト
  • CODA『コーダ あいのうた』
  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • King Richard『ドリームプラン』
  • Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
  • Nightmare Alley『ナイトメア・アリー』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
  • West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』
主な候補漏れ

Being the Ricardos『愛すべき夫婦の秘密』
tick, tick... BOOM!『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』など

 

 まず、『ドライブ・マイ・カー』、おめでとうございます!!!まさか監督賞や脚色賞だけでなく作品賞にも入るなんて!もしかした入るのではと思っていたものの、実際現実になると、なんだか涙が...。日本映画をはじめ外国語映画にもチャンスはあることを、改めてしっかり証明してくれたと思います。日本映画界にはおそらく様々な問題点や課題があると思いますが、この結果を気に良い方向へと進化し続けることを願っております。

 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『ベルファスト『DUNE/デューン 砂の惑星『ウエスト・サイド・ストーリー』リコリス・ピザ』『コーダ あいのうた』『ドリームプラン』『ドント・ルック・アップ』の8本は順調に入りましたね。ここは予想通りでした。受賞予想はまたしますが、現時点では『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が一歩リードしているでしょうか。『ベルファスト』『リコリス・ピザ』は編集賞もれ、『DUNE/デューン 砂の惑星』はまさかの監督賞もれ、『ウエスト・サイド・ストーリー』は編集賞と脚色賞もれという結果になっている一方、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』はサプライズも含めて、最多の12ノミネート。圧倒的に有利な立場にいると言えるでしょう。

 さて『ドライブ・マイ・カー』よりもサプライズと言えるのが、『ナイトメア・アリー』の候補入りです。編集賞に入った『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』や、『愛すべき夫婦の秘密』『ハウス・オブ・グッチ』を抑えての候補入りは本当に衝撃的でした。

監督賞

 

 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェーン・カンピオンは、今回の全部門の中で最も受賞に近い位置にいるかもしれません。リコリス・ピザ』のポール・トーマス・アンダーソンも、予想通りしっかりノミネートを勝ち取りました。そしてジェーン・カンピオンが「ピアノ・レッスンvs.シンドラーのリスト」の時に戦った相手でもある『ウエスト・サイド・ストーリー』のスティーヴン・スピルバーグもしっかり候補入りをしました。

 私が予想から外していたベルファスト』のケネス・ブラナーは、なんとかノミネート。そして我らが『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介も候補入り。濱口監督は非常に才能のある監督さんですから嬉しい限りです。

 逆に涙をのんだのがまさかの『DUNE/デューン 砂の惑星』のドゥニ・ヴィルヌーヴ。これは正直非常に驚きました。ジェーン・カンピオンに並んで有力だったのに...。

主演女優賞

主な候補漏れ

レディー・ガガ『House of Gucci』など

 

 まずはすみません。予想の記事で『Parallel Mothers』のペネロペ・クルスの候補入りは難しいとかいてしまった件です。なんだか恥ずかしい笑。これは本当に驚きましたよ。さすがというしかないです。

 俳優組合賞の候補漏れで万事休す、と言われていた『スペンサー ダイアナの決意』のクリステン・スチュワートは、なんとか初候補。これ非常に嬉しかったですねぇ...。候補発表の瞬間はドキドキが止まらなかったです。

 逆に候補入りは確実と言われていながらも候補漏れしてしまったのは、『ハウス・オブ・グッチ』のレディー・ガガでした。これは本当に驚きましたよ。作品の好き嫌いとは別に申し上げると、レディー・ガガはこの作品を支配していたと言っても良い存在感だったので非常に残念です。

 その他の有力な女優さんたち、具体的には『愛すべき夫婦の秘密』のニコール・キッドマン『タミー・フェイの瞳』のジェシカ・チャステイン『ロスト・ドーター』のオリヴィア・コールマンは、順調に候補入りしています。さて受賞は5人のうち誰になるのか、去年に引き続き大混戦で注目の部門です。

主演男優賞

主な候補漏れ

ピーター・ディンクレイジ『Cyrano』など

 

 今回のこの部門は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のベネディクト・カンバーバッチ『ドリームプラン』のウィル・スミスの一騎打ちと言われています。2人とも順調に候補入りはされました。

 Top2を追いかけるのは、tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』のアンドリュー・ガーフィールドマクベス』のデンゼル・ワシントンです。この2人もしっかりとノミネーションを勝ち取っていて、さすがだなぁと感じました。

 最後の一枠を手に入れたのは、『シラノ』のピーター・ディンクレイジではなく、『愛すべき夫婦の秘密』のハビエル・バルデムでした。すでに『ノーカントリー』で受賞経験のある名優が再びノミネートされました。個人的にはピーター・ディンクレイジに初候補となって欲しかったという想いもありましたが...。『Pig』のニコラス・ケイジが入っても盛り上がったのかなぁとも思ったり

助演女優賞

主な候補漏れ

カトリーナ・バルフ『Belfast』
ルース・ネッガ『Passingなど

 

 『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズ『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のキルスティン・ダンスト『ドリームプラン』のアーンジャニュー・エリスは前哨戦でも強く、オスカーでもしっかりとノミネート。

 この部門での最大のサプライズは『ベルファスト』のカトリーナ・バルフを差し置いてベルファスト』のジュディ・デンチがノミネートされたことでしょうか。これは非常に衝撃の結果でした。特にカトリーナ・バルフは重要三賞全てに候補入りしていたので、びっくりです。

 また、英国アカデミー賞などで急浮上した『ロスト・ドーター』のジェシー・バックリーが、オスカーでも這い上がってきたのは面白いポイントでしたね。特に彼女は最近の活躍が凄まじく、いつかはノミネートされるべき人だと思っていたので、非常に嬉しいサプライズでした。

助演男優賞

主な候補漏れ

ブラッドリー・クーパー『Licorice Pizza』
ジャレッド・レト『House of Gucciなど

 

 トップメンバーたちはサプライズなく候補入り、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のコディ・スミット=マクフィ『コーダ あいのうた』のトロイ・コッツァベルファスト』のキアラン・ハインズの3人です。同じく『ベルファスト』のジェイミー・ドーナンは候補落ちしてしまいましたが...。

 今回同じ作品で同じ部門でのダブルノミネートが期待されていたのは『ベルファスト』でしたが、実際蓋を開けてみると、それを達成したのは『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でした。そう、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェシー・プレモンスがサプライズノミネートを達成したからです。また、前哨戦であまり目立ってはいなかった受賞済の名優『愛すべき夫婦の秘密』のJ・K・シモンズも滑り込みノミネートを獲得しました。

 全米俳優賞で候補入りした『リコリス・ピザ』のブラッドリー・クーパーや、『ハウス・オブ・グッチ』のジャレッド・レトは残念ながら今回は候補入りできませんでした。

脚本賞

  • Belfast『ベルファスト
  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • King Richard『ドリームプラン』
  • Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
  • The Worst Person in the World
主な候補漏れ

Being the Ricardos『愛すべき夫婦の秘密』など

 

 ベルファスト『ドント・ルック・アップ』『ドリームプラン』リコリス・ピザ』の4本は順調に候補入り。最後の枠は『愛すべき夫婦の秘密』ではなく、The Worst Person in the World』でした!

脚色賞

  • CODA『コーダ あいのうた』
  • Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • The Lost Daughter『ロスト・ドーター』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

主な候補漏れ

West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』など

 

 この部門は完全に予想通りでした。『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『DUNE/デューン 砂の惑星『コーダ あいのうた』『ロスト・ドーター』、そして日本の『ドライブ・マイ・カー』が候補入りしました。

撮影賞

主な候補漏れ

Belfast『ベルファストなど

 

 全米撮影組合賞とブロードキャスト映画批評家協会賞、そして英国アカデミー賞(BAFTA)でコンプリートノミネートされた作品である『DUNE/デューン 砂の惑星『パワー・オブ・ザ・ドッグ』マクベスの3本は順調に候補入り。『ナイトメア・アリー』も予想通りでした。ラストはベルファストではなく『ウエスト・サイド・ストーリー』が滑り込み。とても良いラインナップだと思います。

編集賞

  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • King Richard『ドリームプラン』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
  • tick, tick... BOOM!『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』

主な候補漏れ

Belfast『ベルファスト
Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
など

 

 編集賞は、監督賞や脚本・脚色賞に並び非常に重要な部門。作品賞本命の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』はしっかりと候補入りした一方で、ベルファストリコリス・ピザ』などの対抗馬はまさかの候補漏れ。その他は、『DUNE/デューン 砂の惑星『ドント・ルック・アップ』『ドリームプラン』と、ダークホースとしてあげていた『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』が候補入りしました。

美術賞

主な候補漏れ

The French Dispatch『フレンチ・ディスパッチ』など

 

 『フレンチ・ディスパッチ』の候補漏れがこの部門最大のサプライズでした。衝撃です。そして代わりにノミネーションを勝ち取ったのは、まさかまさかの『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でした。これは全く想定していなかったので...。その他は予想通りで、『DUNE/デューン 砂の惑星『ナイトメア・アリー』『ウエスト・サイド・ストーリー』マクベスがノミネート。

衣装デザイン賞

主な候補漏れ

House of Gucci『ハウス・オブ・グッチ』など

 

 『クルエラ』『DUNE/デューン 砂の惑星『ナイトメア・アリー』『ウエスト・サイド・ストーリー』が順調に候補入り。『ハウス・オブ・グッチ』の失速により、なんとかノミネートを獲得したのが『シラノ』。観るのがより楽しみになりました

メイクアップ&ヘアスタイリング賞

  • Coming 2 America『星の王子 ニューヨークへ行く2』
  • Cruella『クルエラ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • The Eyes of Tammy Faye『タミー・フェイの瞳』
  • House of Gucci『ハウス・オブ・グッチ』

主な候補漏れ

Being the Ricardos『愛すべき夫婦の秘密』など

 

 この部門は全て予想が当たっていました。『クルエラ』『DUNE/デューン 砂の惑星』『タミー・フェイの瞳』『ハウス・オブ・グッチ』の4本と、『星の王子 ニューヨークへ行く2』です。

音響賞

主な候補漏れ

A Quiet Place: Part Ⅱ『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
Spider-Man: No Way Home『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』など

 

 有力な『DUNE/デューン 砂の惑星『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』『ウエスト・サイド・ストーリー』は候補入り。対策であるスパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』や、予想していた『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』は候補漏れ。薄々入るかもと思っていた『パワー・オブ・ザ・ドッグ』と、ベルファストが滑り込みました。

視覚効果賞

  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • Free Guy『フリー・ガイ』
  • No Time to Die『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』
  • Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
  • Spider-Man: No Way Home『スパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム』

主な候補漏れ

The Matrix Resurrections『マトリックス レザレクションズ』など

 

 サプライズはマトリックス レザレクションズ』の候補漏れでしょうか。DUNE/デューン 砂の惑星『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』スパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム』『シャン・チー/テン・リングスの伝説』『フリー・ガイ』がノミネートされました。

作曲賞

  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • Encanto『ミラベルと魔法だらけの家』
  • Pararell Mothers
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

主な候補漏れ

The French Dispatch『フレンチ・ディスパッチ』など

 

 受賞を狙う『DUNE/デューン 砂の惑星ハンス・ジマーはもちろん候補入り。『ドント・ルック・アップ』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』もしっかりと前哨戦通り強かったです。最後の2枠は『ミラベルと魔法だらけの家』『Pararell Mothers』。『フレンチ・ディスパッチ』アレクサンドル・デスプラがまさかのアウトでした。

歌曲賞

  • "Be Alive"『ドリームプラン』
  • "Dos Oruguitas"『ミラベルと魔法だらけの家』
  • "Down to Joy"『ベルファスト
  • "No Time to Die"『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』
  • "Somehow You Do"『Four Good Days

主な候補漏れ

"Just Look Up"『ドント・ルック・アップ』など

 

 ビリー・アイリッシュ"No Time to Die"『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』ビヨンセ"Be Alive"『ドリームプラン』、リン=マニュエル・ミランダが曲を手がけた"Dos Oruguitas"『ミラベルと魔法だらけの家』、作品に勢いのある"Down to Joy"ベルファストがノミネート。一方、アリアナ・グランデ"Just Look Up"『ドント・ルック・アップ』はアウトに。無冠の女王であるダイアン・ウォーレンがさすがの強さを見せ、"Somehow You Do"『Four Good Daysがノミネート。

長編アニメーション賞

  • Encanto『ミラベルと魔法だらけの家』
  • Flee
  • Luca『あの夏のルカ』
  • The Mitchells vs. the Machines『ミッチェル家とマシンの反乱』
  • Raya and the Last Dragon『ラーヤと龍の王国』

主な候補漏れ

Belle『竜とそばかすの姫』など

 

 この部門は予想通りでした。『ミラベルと魔法だらけの家』『Flee』『あの夏のルカ』『ミッチェル家とマシンの反乱』『ラーヤと龍の王国』が候補入り。

長編ドキュメンタリー賞 

  • Ascension
  • Attica
  • Flee
  • Summer of Soul (…Or, When the Revolution Could Not Be Televised)『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』
  • Writing with Fire『燃え上がる記者たち』

主な候補漏れ

The Rescue『THE RESCUE/奇跡を起こした者たち』
Procession『プロセッション -救済への行進-』など

 

 やはりありましたね、波乱が。強かった『THE RESCUE/奇跡を起こした者たち』がまさかのアウト。『Flee』『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』が予想通り候補入りし、『Ascension』『Attica』『燃え上がる記者たち』も入り込みました。

国際長編映画賞 

主な候補漏れ

A Hero『英雄の証明』(イラン) など

 

 『The Hand of God』『ドライブ・マイ・カー』『The Worst Person in the World』『Flee』は順調に候補入り。サプライズは『英雄の証明』ではなくブータン 山の教室』がノミネートされたことでしょうか。

短編映画賞

  • Ala Kachuu - Take and Run
  • The Dress
  • The Long Goodbye
  • On My Mind
  • Please Hold

短編アニメーション賞

  • Affairs of the Art
  • Bestia
  • BoxBallet『ボクシングバレー』
  • Robin Robin『ことりのロビン』
  • The Windshield Wiper

短編ドキュメンタリー賞

  • Audible『オーディブル:鼓動を響かせて』
  • Lead Me Home『私の帰る場所』
  • The Queen of Basketball
  • Three Songs for Benazir『ベナジルに捧げる3つの歌』
  • When We Were Bullies

第94回アカデミー賞 ノミネーション最終予想

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第94回アカデミー賞全部門ノミネート最終予想

皆様、こんにちは!

ついに...
第94回アカデミー賞ノミネーション最終予想
です!!!

というわけで、短編も含む全部門の予想をします!

コメントも各部門しているので、ぜひ読んでいってくださいね🤗

※順序はアルファベット順(冠詞を除く)、演技賞はファミリーネームのアルファベット順です。監督賞は作品のアルファベット順で並べています。

作品賞

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  • Being the Ricardos『愛すべき夫婦の秘密』
  • Belfast『ベルファスト
  • CODA『コーダ あいのうた』
  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • King Richard『ドリームプラン』
  • Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
  • tick, tick... BOOM!『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』
  • West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』
その他

Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』
House of Gucci『ハウス・オブ・グッチ』
Nightmare Alley『ナイトメア・アリー』
The Lost Daughter『ロスト・ドーター』
The Tragedy of Macbethマクベス
C'mon C'mon『カモン カモン』
Spider-Man: No Way Home『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』など...

 

 今年から作品賞の候補数は10本に固定されました。というわけで、受賞を狙う『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『ベルファストのノミネーションはLOCKとみて良いかなと思います。『DUNE/デューン 砂の惑星もSFというオスカー好みではない作風とはいえ、これまでの勢いを考えると候補入りまでは間違いなさそうです。

 当初、受賞可能性も囁かれていた『ウエスト・サイド・ストーリー』は、組合賞や英国アカデミー賞(BAFTA)で思ったよりふるわなかったことから、若干後退。とはいえ枠は10本なので、候補入りはできそうな気がします。批評家に愛されたリコリス・ピザ』は、逆に英国アカデミー賞(BAFTA)で愛され、より勢いが増しているように思います。

 サンダンス映画祭で注目された『コーダ あいのうた』は、サマーリリースであるというディスアドバンテージを吹き飛ばす強さを前哨戦で発揮しており、ノミネーションは勝ち取りそうです。『ドリームプラン』も、当初ほどの勢いはないものの、一定の支持は得ており、こちらもノミネートまでは間違いなさそうです。

 今年最も賛否の分かれた作品は『ドント・ルック・アップ』。アダム・マッケイ監督らしく政治色の強い作りで、圧倒的な否定評がある一方、支持している層はかなりの熱量で推しているそうで、一位票をかき集めると思われます。

 以上の8本は他の作品に大きな差をつけて勢いのある作品で、波乱がなければ8本全てノミネーションを勝ち取りそうです。というわけで問題は残り2枠。前哨戦を信じるならば『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』は入りそうです。天才リン=マニュエル・ミランダが初めてメガホンをとった一本で、全米製作者組合賞(PGA)などにノミネートされているのを見る限り、入りそうかなと思っています。

 本当に難しいのが最後の1枠。可能性があると考えられているのは、評価の伸び悩んだ『愛すべき夫婦の秘密』『ハウス・オブ・グッチ』、批評家に愛され圧倒的な強さを見せる日本映画『ドライブ・マイ・カー』、オスカー受賞済の名監督らが監督を務める最新作『ナイトメア・アリー』マクベス、マギー・ジレンホールが初監督を務め、主演女優賞や脚色賞の候補入りも狙っている『ロスト・ドーター』...などなど。このうち『ドライブ・マイ・カー』を推す声が日本では非常に強く、また実際に前哨戦では圧倒的な強さでしたが、最も重要と言われる組合系の賞で姿を見せなかったのをみると作品賞候補は若干難しいのではというのが私の考えです。そうすると評価は伸び悩んだものの、全米製作者組合賞(PGA)に滑り込み、ニコール・キッドマンのみならずハビエル・バルデムが全米俳優組合賞(SAG)に候補入りした『愛すべき夫婦の秘密』を予想したいと思います。俳優人気も高いですし、アーロン・ソーキンの脚本はかなりアカデミー会員のお気に入りなので...。

 ちなみに、スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は圧倒的興行収入で話題沸騰中ですが、さすがにそれだけで候補入りできるとは思えず(もちろん評価は高いですが)、さすがに作品賞候補はないかなと思っています。

監督賞

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その他

ケネス・ブラナー『Belfast』
アダム・マッケイ『Don't Look Up』
ジュリア・デュクルノー『Titane』など...

 

 監督賞は、作品賞を狙う作品としては必ずといっていいほどノミネートしておきたい部門です。過去、この部門でノミネートされずに作品賞を受賞した作品はたったの5本です。

 というわけで、作品賞の受賞に最も近い『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェーン・カンピオンの候補入りはLOCKでしょう。すでに『ピアノ・レッスン』で候補入り経験もあり、非常に尊敬されている女性監督です。また、『DUNE/デューン 砂の惑星』のドゥニ・ヴィルヌーヴもかなり強く、監督賞候補は当確と言ってよいでしょう。

 当初もしかしたら候補入りしないのではと言われていたリコリス・ピザ』のポール・トーマス・アンダーソンは、賞レース後半で着実に勢いを増しており、ほぼ当確の位置まで近づいています。私個人としても大好きな監督なので、応援したいと思います。

 『ウエスト・サイド・ストーリー』のスティーヴン・スピルバーグは、英国アカデミー賞(BAFTA)で候補漏れしてしまったものの、全米監督組合賞(DGA)などでは着実に結果を残していること、圧倒的な知名度があることを考慮すると、候補入りまではいけるかなと予想をしてみました。...が残念ながらノミネーション落ちしてしまう可能性は、なきにしもあらず...というのが正直なところです。ベルファスト』のケネス・ブラナーも、全米監督組合賞(DGA)に入ったものの、俳優が監督した時はなぜか監督賞で無視される例が多く(ブラッドリー・クーパーベン・アフレックなど)、候補漏れの可能性は高いと言われています。もっともケネス・ブラナーは『ヘンリー五世』で監督賞にあがってはいるのですが...。

 さて仮にスティーヴン・スピルバーグケネス・ブラナーが候補落ちした場合、そこに入るのは誰なのか。最も可能性が高いのは、我らが『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介でしょう。全米監督組合賞(DGA)では候補入りしなかったものの、英国アカデミー賞(BAFTA)で候補入り。そもそもこの監督賞という部門は、作品賞よりも外国語映画に対して懐が広いことでも知られていて、今までも『アナザーラウンド』『COLD WAR あの歌、2つの心』『愛、アムール』『潜水服は蝶の夢を見る』などがその例として挙げられます。『パラサイト 半地下の家族』や『ROMA ローマ』ほどの勢いはないものの、サプライズに上がる可能性は高く、希望を込めて今回は濱口竜介を予想してみました。

主演女優賞

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その他

アラナ・ハイム『Licorice Pizza』
レイチェル・ゼグラー『West Side Story
ジェニファー・ハドソン『Respect』
エミリア・ジョーンズ『CODA』など...

 

 賞レース前、受賞は『スペンサー ダイアナの決意』のクリステン・スチュワートで決まりと言われていました。オスカーは実在の人物を演じると受賞しやすいと言われており、それもあのダイアナ妃。実際クリステン・スチュワートの演技は前評判に負けないほど素晴らしいようで、瞬く間にBUZZは拡大していきました。

 しかしながらゴールデングローブ賞では受賞を逃し、最も重要な賞である全米俳優組合賞(SAG)ではまさかの候補落ち。これは全ての予想屋を震え上がらせたと言っても過言ではないでしょう。おそらくクリステン・スチュワートが『トワイライト』シリーズで有名になったスター女優というイメージが未だに業界内では強いのかもしれません。スキャンダルが頭に残っている映画人も多いのも一つの要因でしょうか。監督が独特な作品を撮るパブロ・ララインであり、大衆受けしていないのも大きいのかもしれません。実際『スペンサー ダイアナの決意』は他の部門の組合賞でも無視されており、英国アカデミー賞(BAFTA)などでも衣装デザイン賞や作曲賞で無視されているのを考えると作品パワーの弱さが影響しているのかもしれません。(批評家からの評価は高いのですが...。)

 ではゴールデングローブ賞クリステン・スチュワートを破ったのは誰か。それは『愛すべき夫婦の秘密』のニコール・キッドマンでした。すでにオスカーを受賞済みの大スター。そんな彼女が一歩オスカーに近づいています。

 しかし今回、ゴールデングローブ賞、ブロードキャスト映画批評家協会賞、全米俳優組合賞(SAG)、英国アカデミー賞(BAFTA)という重要な4つの賞をコンプリートした主演女優はたったの一人、『ハウス・オブ・グッチ』のレディー・ガガです。作品が賛否分かれていたことが彼女の足を引っ張ると思われていましたが、今の所、勢いをキープしており、候補入りまでは間違いないように思います。

 その他、『タミー・フェイの瞳』のジェシカ・チャステイン『ロスト・ドーター』のオリヴィア・コールマンなどが強いと言われています。ジェシカ・チャステインはすでに2度の候補経験がありそろそろ受賞するべき女優さんとも言われているほどの名優さんです。今回はメイクアップの力も借り実在の人物を見事に演じているようです。オリヴィア・コールマンは『女王陛下のお気に入り』でオスカーをすでに受賞した女優さん。本当に演技が巧く、スピーチも毎回ユーモアに富み非常にチャーミング。アカデミー会員に好かれているのもあり、非常に有力です。

 もしクリステン・スチュワートが前述の理由で候補落ちするとしたら誰が入るでしょうか。批評家系の賞で強かったリコリス・ピザ』のアラナ・ハイムでしょうか。『ウエスト・サイド・ストーリー』のレイチェル・ゼグラー『コーダ あいのうた』のエミリア・ジョーンズなどの作品パワーが強いかつ若手の女優さんがくるのでしょうか。全米俳優組合賞(SAG)にサプライズ候補入りした『リスペクト』のジェニファー・ハドソンの可能性も捨て切れません。でも個人的には結局クリステン・スチュワートがくるのでは、いやきて欲しいと願っています。

 最後に一部の人が予想している『Parallel Mothers』のペネロペ・クルスについて。ペネロペ・クルスは『それでも恋するバルセロナ』でアカデミー賞をすでに受賞している名優で、実際今回も候補入りする可能性もあるにはありそうです。しかしながら、ゴールデングローブ賞、ブロードキャスト映画批評家協会賞、全米俳優組合賞(SAG)、英国アカデミー賞(BAFTA)という重要な4つの賞のどこにも候補入りしていないことを考えると非常に厳しいように思います。今まで重要賞に現れず候補入りした例としては、『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』のラキース・スタンフィールドや『ROMA ローマ』のマリナ・デ・タヴィラなどですが、どちらも作品賞パワーが非常に強く、それに引っ張られた形でノミネートされています(もちろん演技が素晴らしいのもあります)。一方『Parallel Mothers』は国際長編映画賞のスペイン代表に選出されていないだけでなく、他の部門でも作曲賞以外の浮上は難しい状況。作品自体の評価は高くても、賞レースでのパワー不足は否めず、ペネロペ・クルスの候補入りは難しいと考えます。私個人としては『Parallel Mothers』は非常に期待している作品なのですが...。

主演男優賞

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その他

ハビエル・バルデム『Being the Ricardos』
ニコラス・ケイジ『Pig』
ホアキン・フェニックス『C'mon C'mon』
マハーシャラ・アリSwan Song』など...

 

 批評家に最も愛されたのは間違いなく『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のベネディクト・カンバーバッチです。ジェーン・カンピオンの新作での彼の存在感は圧倒的で、本当に素晴らしい演技でした。もう一人の本命は『ドリームプラン』のウィル・スミスです。映画界が誇る大スターであり、オスカーの候補経験もあるウィル・スミス。今回ついにオスカーも受賞するのではと言われています。この二人は間違いなく候補入りすると思われます。

 上記のTop2を追いかけるのは、tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』のアンドリュー・ガーフィールドマクベス』のデンゼル・ワシントンです。どちらも英国アカデミー賞(BAFTA)では候補落ちをしてしまいましたが、英国アカデミー賞(BAFTA)の投票方法は2021年より変わっており、ノミニーが尖っている傾向にあるのでそこまで痛手ではないはずです。どちらも確実とは言い切れませんが、ネームバリュー・評価共に高く、強いことは間違いないでしょう。

 以上で4枠が埋まるとすれば、あと1枠。この1枠に頭をかかえる人も多いでしょう。賞レース中盤まで勢いのあったのは『シラノ』のピーター・ディンクレイジです。テレビドラマで活躍しながら、映画界でも『スリー・ビルボード』などの傑作にも出演を続ける俳優さんです。今回はジョー・ライト監督のミュージカル映画で、素晴らしい演技を披露していると話題沸騰中です。ただし実は作品自体の評価はそこそこにとどまっており、映画の全米公開日も遅いことから作品がしっかりアカデミー会員に浸透していない可能性が考えられます。実際、ピーター・ディンクレイジは最も重要な全米俳優組合賞(SAG)で候補入りを逃しています。これが一体何を意味するのか。

 では全米俳優組合賞(SAG)で代わりに候補入りしたのは誰か。そう、『愛すべき夫婦の秘密』のハビエル・バルデムです。作品自体の評価は低めではあるものの、作品のBUZZは伸びていて、ニコール・キッドマンと一緒にノミネートされる可能性は非常に高いと思います。また、候補入りは厳しいと言われていた『ドント・ルック・アップ』のレオナルド・ディカプリオ英国アカデミー賞(BAFTA)にノミネートされてから再び勢いが増しています。ただし英国アカデミー賞(BAFTA)は、アカデミー賞の投票終了後にノミネーション発表されたため、どこまで影響するかは未知数というのが正直なところです。(英国アカデミー賞(BAFTA)の演技賞の投票方法は2021年から変わっていて、トップの2人以外は少人数の審査員による調整が入るようで、米国のアカデミー賞の投票方法とは大きく異なっています。)

 批評家系の賞で非常に強かったのは『Pig』のニコラス・ケイジです。既にオスカーを受賞している名優ニコラス・ケイジですが、近年はあまり評判の良くない作品を連発しており、完全に下降気味。そんな彼が久々に素晴らしい作品で素晴らしい演技を披露していると批評家の中で非常に話題になっています。ただし、賞レース前半で快走したからといってアカデミー賞にもノミネートされるとは限らないのが賞レースの面白いところであり、残酷なところで、例えば『魂のゆくえ』のイーサン・ホークや、『ヘレディタリー 継承』のトニ・コレット、『アンカット・ダイヤモンド』のアダム・サンドラーのように、評判が非常によく前半勢いあったにもかかわらず、オスカーまで届かないパターンになってしまうかもしれません。

 そのほか、『カモン カモン』が後半伸びれば、『カモン カモン』のホアキン・フェニックスが来るかもしれませんし、『スワン・ソング』のマハーシャラ・アリが滑り込む可能性もあります。個人的な希望はピーター・ディンクレイジですが、最後の一枠は大きく開かれており、誰が来てもおかしくないです。

助演女優賞

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その他

アン・ダウド『Mass』
リタ・モレノWest Side Story
マーリー・マトリン『CODA』
ケイト・ブランシェット『Nightmare Alley』
ジェシー・バックリー『The Lost Daughter』など...

 

 『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズは、助演女優賞の受賞が確実と言われており、候補入りはほぼ当確と言えるでしょう。『ウエスト・サイド・ストーリー』の勢いはやや下降傾向ですが、作品自体の評価は非常に高く、彼女の圧倒的なパフォーマンスは圧巻という声は非常に大きいため、ノミネーションは間違いないと思われます。オリジナル版で同じ役柄で助演女優賞を受賞し、今回も主演している『ウエスト・サイド・ストーリー』のリタ・モレノとの票割れのみがやや気がかりですが、勢いをかき消すほどの心配要素ではないでしょう。

 重要賞でノミネーションされているベルファスト』のカトリーナ・バルフも強いでしょう。実は批評家の賞では受賞はほとんどしておらず、その点ではやや不安ですが、それでも候補入りまでは大丈夫なのではと思います。批評家好みで終わるかと思われた『PASSING 白い黒人』のルース・ネッガも強いです。作品が小品であることが気にかかりますが、候補経験もある女優さんで、作品・演技ともに評価が高いことから、候補入りが期待されます。白人と偽り生きる女性を繊細に大胆に演じており、本当に素晴らしい演技でした。

 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のキルスティン・ダンスト英国アカデミー賞(BAFTA)で候補漏れ、『ドリームプラン』のアーンジャニュー・エリスは最重要である全米俳優組合賞で候補漏れしてしまいましたが、携えている作品はどちらも勢いのある作品で、アカデミー賞では候補入りまでは安全なのではと考えています。特に英国アカデミー賞は独特な選考方法なので、そこまで影響はないかなと思います。絶対とは言い切れませんが...。

 その他有力なメンバーとしては、リタ・モレノをはじめ、『Mass』のアン・ダウド『コーダ あいのうた』のマーリー・マトリン『ナイトメア・アリー』のケイト・ブランシェットあたりでしょうか。個人的に応援しているのはアン・ダウドです。テレビや映画などの名バイプレイヤーとして知られる女優さんで、今回の作品も非常に素晴らしい演技との声があがっています。作品規模が非常に小さく、賞レースでもそこまで快走していないことを考えると、やや難しいかなと思っています。可能性は0ではないので、個人的には滑り込んで欲しいのですが...。全米俳優組合賞(SAG)でサプライズ候補となったケイト・ブランシェットも有力ですが、他メンバーが強力なため、オスカー候補入りの可能性はそこまで高くないように思います。

助演男優賞

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その他

ジェシー・プレモンス『The Power of the Dog』
ジェイミー・ドーナン『Belfast』
ベン・アフレック『The Tender Bar』
J・K・シモンズ『Being the Ricardos』
マイク・ファイスト『West Side Story』など...

 

 今年も混沌が予想されていた助演男優賞部門ですが、トップのメンバーたちは固まってきたように思います。批評家に最も愛され、現在フロントランナーと言われているのは、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のコディ・スミット=マクフィです。作品がお披露目された段階では、主演のベネディクト・カンバーバッチや、キルスティン・ダンストなどの方が注目を集めており、コディ・スミット=マクフィは候補入りすら怪しいと言われておりました。しかしながら蓋を開けてみると、ノミネートどころが受賞も近い位置に。今最も勢いのある若手俳優さんです。

 彼の受賞に待ったをかけるのが、『コーダ あいのうた』のトロイ・コッツァです。重要賞全てに候補入りし、作品内でも圧倒的な存在感・ユーモアセンス、そして素晴らしい演技を披露しており、勢いは増すばかり。私も拝見しましたが、最後には彼に泣かされること間違いなしの演技です。彼の候補入りもLOCKとして良いでしょう。

 全米俳優組合賞(SAG)での衝撃はベルファスト』のキアラン・ハインズ、及びジェイミー・ドーナンが候補落ちしたことです。近年、助演部門は同じ作品からのダブルノミネートが続いていて、今年もそれが実現すると思われていましたが、今の勢いを見る限りどちらかが候補漏れしてもおかしくないように思います。キアラン・ハインズは勢いがあるため候補入り可能性はたかそうですが、ジェイミー・ドーナンはノミネーションも怪しい位置にいるでしょう。

 全米俳優組合賞(SAG)に入ったのは『ハウス・オブ・グッチ』のジャレット・レトリコリス・ピザ』のブラッドリー・クーパー『僕を育ててくれたテンダー・バー』のベン・アフレックです。ジャレット・レトは作品評価が低いものの、圧倒的なメイクの力を借り全くの別人に返信。俳優人気も高そうなので、酷評を吹き飛ばし候補入りするかもです。ブラッドリー・クーパーは皆が認める演技派でありスター俳優でもありますが、今回は出演時間がごくわずか。そこがマイナスになるかもしれません。

 他に考えらるのは『愛すべき夫婦の秘密』のJ・K・シモンズ『ウエスト・サイド・ストーリー』のマイク・ファイストなど。もし『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の勢いに乗った場合、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェシー・プレモンスがサプライズで入るかもしれません。今年の助演でのダブルノミネートはベルファストではなく『パワー・オブ・ザ・ドッグ』なのでは...、とも言われているようです。

脚本賞

  • Being the Ricardos『愛すべき夫婦の秘密』
  • Belfast『ベルファスト
  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • King Richard『ドリームプラン』
  • Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
その他

The French Dispatch『フレンチ・ディスパッチ』
C'mon C'mon『カモン カモン』
Mass
The Worst Person in the World など...

 

 Original Screenplayこと脚本賞のトップ5はかなり固まってきていて、予想しやすいと言えるでしょう。逆に言えば、予想する側としてはあまり面白くない部門かもしれません。

 その5本というのは、『愛すべき夫婦の秘密』ベルファスト『ドント・ルック・アップ』『ドリームプラン』リコリス・ピザ』です。このうちベルファスト『ドント・ルック・アップ』『ドリームプラン』リコリス・ピザ』の4本はかなり強いでしょう。

 もし大きなサプライズがあるとしたら『愛すべき夫婦の秘密』の枠でしょうか。『愛すべき夫婦の秘密』を押しのけて候補入りする可能性があるのは、『フレンチ・ディスパッチ』『カモン カモン』『Mass』『The Worst Person in the World』あたり。特に現実的なのは『フレンチ・ディスパッチ』かもしれませんが、個人的にはThe Worst Person in the World』がくるかもと思っています。脚色賞の『ドライブ・マイ・カー』と並んで外国語映画が脚本で評価される可能性はそう低くないと思います。

 ただ、結局は『愛すべき夫婦の秘密』で落ち着くのかなと思っています。監督と脚本を務めたアーロン・ソーキンが非常に脚本部門で愛されている、というのがその根拠です。

脚色賞

  • CODA『コーダ あいのうた』
  • Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • The Lost Daughter『ロスト・ドーター』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

その他

tick, tick... BOOM!『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』
West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』
Nightmare Alley『ナイトメア・アリー』
The Tragedy of Macbeth『マクベス
Passing『PASSING -白い黒人-』など...

 

 Adapted Screenplay、つまり脚色賞は原作などが存在する脚本へ与えらえる賞です。フロントランナーは、作品賞本命である『パワー・オブ・ザ・ドッグ』です。また原作が大変有名な『DUNE/デューン 砂の惑星も、SFでありながら非常に有力です。この2作品は余程のことがない限りノミネートされるでしょう。

 フランスの映画『エール!』をリメイクした『コーダ あいのうた』も非常に有力です。全米脚本家組合賞にも候補入りしており、作品の勢いもあることを考えると、こちらもノミネートまでは安全かなと思っています。

 残りの2枠が難しいのですが、順当にいけばマギー・ジレンホールの『ロスト・ドーター』がくるように思います。日本からは『ドライブ・マイ・カー』英国アカデミー賞(BAFTA)にノミネートされており、安全とは言えませんが候補入りする可能性は大いにあり得そうです。『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』『ウエスト・サイド・ストーリー』などがくる可能性もありますが、ミュージカル映画というのがどこまで影響するか。特に『ウエスト・サイド・ストーリー』は元々有力候補だったにもかかわらず英国アカデミー賞(BAFTA)では落選。案外厳しい立ち位置にいるのかもしれません。

撮影賞

その他

West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』
The French Dispatch『フレンチ・ディスパッチ』
Cyrano『シラノ』
No Time to Die『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』など...

 

 全米撮影組合賞とブロードキャスト映画批評家協会賞、そして英国アカデミー賞(BAFTA)でコンプリートノミネートされた作品で且つ、候補入りも安全圏内だと思われるのはで『DUNE/デューン 砂の惑星『パワー・オブ・ザ・ドッグ』マクベスの3本だと思います。

 一方で当初強いと思われていた『ウエスト・サイド・ストーリー』は完全に失速。個人的に予告編を観る限り、なぜ『ウエスト・サイド・ストーリー』がここまで撮影賞で無視されているのが理解ができないのですが、大変厳しい位置にいることは間違いないようです。代わりに前述した3つの賞をコンプリートしたのは『ナイトメア・アリー』です。『ナイトメア・アリー』もオスカーでノミネートを勝ち取りそうだなと思っています。

 最後の一枠は、全米撮影組合賞などで快走しているベルファストかなと思っています。他の作品の方がノミネートされるべきという声もちらほら聞こえてきますが、白黒映画というのはこの部門では愛されがちなので、私はベルファストを予想したいと思います。

 その他、『ウエスト・サイド・ストーリー』をはじめ、『フレンチ・ディスパッチ』『シラノ』『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』あたりが匂う気がします。

編集賞

その他

No Time to Die『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』
West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』
King Richard『ドリームプラン』
tick, tick... BOOM!『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』
Summer of Soul (…Or, When the Revolution Could Not Be Televised)『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』など...

 

 編集賞は、監督賞や脚本・脚色賞に並び非常に重要な部門と言われています。作品賞受賞を目指す作品は、是非ともこの部門のノミネートを勝ち取っておきたいものです。

 ということで作品賞本命の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』英国アカデミー賞(BAFTA)を落としているものの、オスカーでは復活できるのではと思っています。その他『DUNE/デューン 砂の惑星』『ベルファストも非常に強く全米編集者組合賞などで候補入りしていることから、オスカーでもノミネーションを勝ち取るだろうと言われています。

 さて残り2枠の戦い。有力なのは『ドント・ルック・アップ』『リコリス・ピザ』『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』などでしょうか。今回の予想では、個人的に編集が素晴らしいと思った『ドント・ルック・アップ』と、監督を応援しているリコリス・ピザ』を予想しました。『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』英国アカデミー賞(BAFTA)に候補入りしていますが、なんとなくイギリス映画だったからという要素もあったと思うので、今回は外しました。

 ダークホースは『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』でしょうか。『ウエスト・サイド・ストーリー』は完全に失速。また、個人的に編集が本当に素晴らしいと思ったのはドキュメンタリーの『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』。まぁ何れにしても、上位の作品を打ち破るのは困難な気がします。

美術賞

その他

Cyrano『シラノ』
Licorice Pizza『リコリス・ピザ』
Cruella『クルエラ』
Belfast『ベルファスト』など...

 

 映画のセットや小物などの美しさを思いっきり堪能するのも映画の醍醐味の一つですよね。毎年美術賞に候補入りする作品たちは、みているだけで美術の美しさにうっとりしてしまうものばかりです。

 今年候補落ちが考えられないと多くの予想屋が太鼓判を押すのが、『DUNE/デューン 砂の惑星』『フレンチ・ディスパッチ』『ナイトメア・アリー』『ウエスト・サイド・ストーリー』の4本です。ウェス・アンダーソン作品の美術の美しさはもちろんですし、ギレルモ・デル・トロ作品の美的センスも独特で素晴らしい、『DUNE/デューン 砂の惑星のSFらしいスケールの大きい美術も見ものです。『ウエスト・サイド・ストーリー』は、英国アカデミー賞(BAFTA)の他部門では無視されがちだったものの、美術賞はしっかりおさえており、この部門の候補入りは安全圏内です。

 残り一枠に頭を抱えているのですが、私はマクベスを予想。本当に美しい美術でしたので、是非皆さんも観てみてください。マクベスの代わりに他が入るとすれば、『シラノ』リコリス・ピザ』などでしょうか。特に『シラノ』がどこまでアカデミー会員に浸透しているのか、ピーター・ディンクレイジの主演男優賞と含めて注目です。

衣装デザイン賞

その他

Cyrano『シラノ』
The French Dispatch『フレンチ・ディスパッチ』
The Green Knight など...

 

 候補入り安全圏内に入っていると言えるのは、『クルエラ』『DUNE/デューン 砂の惑星でしょう。特に『クルエラ』は衣装が主題の映画であり、エマ・ストーンはじめとするキャラクターたちが着ているゴージャスでアイデア満載の衣装を、たくさん堪能できる映画でしたよね。

 また、『ナイトメア・アリー』も非常に有力でしょう。全米衣装デザイナー組合賞をはじめとした様々な賞に候補入りしており、順当に行けば候補入りまではいけるのではと思います。

 衣装主体の映画といえば、あのグッチ一族を描いた『ハウス・オブ・グッチ』です。英国アカデミー賞(BAFTA)では候補漏れしたものの、レディー・ガガの主演女優賞BUZZと共にこちらも勢いありで、なんとかノミネーションは勝ち取るのではと思われます。

 ギリギリのラインにいるのは『ウエスト・サイド・ストーリー』英国アカデミー賞(BAFTA)での候補落ちによりやや勢いは下降気味...、ではあるものの、予告を見る限り本当に素晴らしい衣装ばかりで、普通に考えればノミネートされそうだと思っています。もし仮に別の作品が入るとすれば、『シラノ』『フレンチ・ディスパッチ』などが強いと思われます。

メイクアップ&ヘアスタイリング賞

  • Coming 2 America『星の王子 ニューヨークへ行く2』
  • Cruella『クルエラ』
  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • The Eyes of Tammy Faye『タミー・フェイの瞳』
  • House of Gucci『ハウス・オブ・グッチ』

その他

Being the Ricardos『愛すべき夫婦の秘密』
Nightmare Alley『ナイトメア・アリー』
Cyrano『シラノ』
The Suicide Squad『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』
West Side Story『ウエスト・サイド・ストーリー』

 

 全米メイクアップアーティスト&ヘアスタイリスト組合賞やブロードキャスト映画批評家協会賞などの重要賞にノミネートされた『クルエラ』『DUNE/デューン 砂の惑星』『タミー・フェイの瞳』『ハウス・オブ・グッチ』の4本は圧倒的な強さがあり、どの作品も候補入りまではかたいと思います。

 もし上記の4作品が入るとすると、他の作品は残りの一枠をかけた戦いになると考えられます。その座を狙うのは、『星の王子 ニューヨークへ行く2』『愛すべき夫婦の秘密』『シラノ』『ナイトメア・アリー』『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』など。この中だと『愛すべき夫婦の秘密』『ナイトメア・アリー』あたりが作品力を携えて滑り込む可能性がありそうですが、個人的には『星の王子 ニューヨークへ行く2』を予想します。年寄りメイクなどは非常にオスカー好みであり、コメディ映画は何気にこの部門は強いため、この作品を予想したいと思います。

 その他ショートリストに残っているのは、『ウエスト・サイド・ストーリー』。サプライズももしかしたらあるかもしれません。

音響賞

その他

Belfast『ベルファスト
The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
The Matrix Resurrections『マトリックス レザレクションズ』
tick, tick... BOOM!『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』
Last Night in Soho『ラストナイト・イン・ソーホー』

 

 前回より録音賞と音響編集賞が一つに。今回の予想は全米録音監督組合賞と全米音響効果監督組合賞の両者を参考にしながら、作成いたしました。

 有力なのは、『DUNE/デューン 砂の惑星『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』です。どちらも大作であり、それぞれSFとスパイアクションというジャンルであり、非常に音響が効果的に使われています。『DUNE/デューン 砂の惑星が作品として合わなかった人も、音響の素晴らしさだけは同意していただけると思います。

 また大作といえば、MCUの特大ヒット作、スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が有力と言われています。またこの部門はミュージカル映画も有力で、今年でいうと『ウエスト・サイド・ストーリー』『tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン!』がそれにあたります。この2本だと『ウエスト・サイド・ストーリー』がより候補可能性が高そうです。

 そして今回私はちょっと挑戦的にクワイエット・プレイス 破られた沈黙』を予想してみました。前作もオスカーの音響編集賞に候補入りしているため、この作品を予想してみました。『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の可能性も高そうですが...。

視覚効果賞

その他

Godzilla vs. Kong『ゴジラvsコング』
Free Guy『フリー・ガイ』
Ghostbusters: Afterlife『ゴーストバスターズ アフターライフ』など...

 

 確実に候補入り、そしておそらく受賞するのは『DUNE/デューン 砂の惑星でしょう。こちらの候補入りは当確として良いと思います。また『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』『マトリックス レザレクションズ』の2作品も非常に強く、視覚効果賞候補入りも安全圏内です。

 残りの2枠がやや流動的で迷いどころですが、興行成績が無視できないスパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム』と、同じくMCUでそれなりの評価を得ている『シャン・チー/テン・リングスの伝説』を予想しました。どちらも超大作で、わかりやすい視覚効果をふんだんに使用しているので、そういう意味でも強力です。

 逆転を狙うのは、ゴジラvsコング』『フリー・ガイ』ゴーストバスターズ アフターライフ』でしょうか。後者2作品は英国アカデミー賞(BAFTA)、前者1作品は全米視覚効果組合賞にノミネートされており、可能性は0ではありません。

 その他ショートリストに残っているのはMCU『エターナルズ』『ブラック・ウィドウ』。ただしどちらも難しい位置にあると言って良いでしょう。

作曲賞

  • Dune『DUNE/デューン 砂の惑星
  • Don't Look Up『ドント・ルック・アップ』
  • Encanto『ミラベルと魔法だらけの家』
  • The French Dispatch『フレンチ・ディスパッチ』
  • The Power of the Dog『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

その他

Being the Ricardos『愛すべき夫婦の秘密』
Pararell Mothers
Spencer『スペンサー ダイアナの決意』など...

 

 受賞を狙うのは『DUNE/デューン 砂の惑星ハンス・ジマーです。彼の候補落ちはないでしょう。また『ドント・ルック・アップ』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』も非常に強く、候補入りまでは順調にいけるのではと言われています。

 常連である『フレンチ・ディスパッチ』アレクサンドル・デスプラは、ブロードキャスト映画批評家協会賞で候補漏れしてしまいましたが、他では強く、こちらもかなり有力です。

 残りの枠に収まりそうなのはおそらく『ミラベルと魔法だらけの家』『愛すべき夫婦の秘密』『Pararell Mothers』のどれか。『愛すべき夫婦の秘密』が入りそうな気がしていますが、ディズニー映画でスコアも絶賛されている『ミラベルと魔法だらけの家』を予想してみました。

 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』といえば、同じ作曲家の『スペンサー ダイアナの決意』も有力ですが、賞レースではふるっておらず、難しいでしょう。

歌曲賞

  • "Down to Joy"『ベルファスト
  • "Just Look Up"『ドント・ルック・アップ』
  • "Dos Oruguitas"『ミラベルと魔法だらけの家』
  • "Be Alive"『ドリームプラン』
  • "No Time to Die"『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』

その他

"Somehow You Do"『Four Good Days
"Here I Am (Singing My Way Home)"『リスペクト』
"Beyond the Shore"『コーダ あいのうた』
"Guns Go Bang"『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール:報復の荒野』など...

 

 今年の主題歌のラインナップは非常に豪華。ビリー・アイリッシュ"No Time to Die"『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』ビヨンセ"Be Alive"『ドリームプラン』を筆頭に、アリアナ・グランデ"Just Look Up"『ドント・ルック・アップ』も非常に有力です。

 またあのリン=マニュエル・ミランダが曲を手がけた"Dos Oruguitas"『ミラベルと魔法だらけの家』も候補入りしそうです。もともとディズニー音楽は強いですからね。

 作品の勢いを信じれば"Down to Joy"ベルファストも強そうです。無冠の女王であるダイアン・ウォーレンの"Somehow You Do"『Four Good Daysも注目です。ネームバリューでいえば、キッド・カディとジェイ・Zの"Guns Go Bang"『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール:報復の荒野』がくるかもしれません。もちろん曲も素晴らしいです。ゴールデングローブ賞にノミネートされた"Here I Am (Singing My Way Home)"『リスペクト』も可能性はありそうです。

長編アニメーション賞

  • Encanto『ミラベルと魔法だらけの家』
  • Flee
  • Luca『あの夏のルカ』
  • The Mitchells vs. the Machines『ミッチェル家とマシンの反乱』
  • Raya and the Last Dragon『ラーヤと龍の王国』

その他

Belle『竜とそばかすの姫』
Vivo『ビーボ』
Ron's Gone Wrong『ロン 僕のポンコツ・ボット』
The Summit of the Gods など...

 

 この部門はほぼノミネーションは固定されていて、波乱なければ5本はもう決まっています。その5本とは...、『ミラベルと魔法だらけの家』『Flee』『あの夏のルカ』『ミッチェル家とマシンの反乱』『ラーヤと龍の王国』です。ディズニー映画から『ミラベルと魔法だらけの家』『ラーヤと龍の王国』ピクサーから『あの夏のルカ』、そしてNetflixソニーからは『ミッチェル家とマシンの反乱』が参戦。ドキュメンタリー映画でアニメーションでもあるという異色の作品Flee』も圧倒的な強さを発揮しています。受賞は『ミラベルと魔法だらけの家』『ミッチェル家とマシンの反乱』のどちらかでしょう。

 日本からは『竜とそばかすの姫』がノミネートを狙っていますが、上位5本が強すぎるため、やや難しいというのが正直なところでしょう。

長編ドキュメンタリー賞 

  • Flee
  • Procession『プロセッション -救済への行進-』
  • The Rescue『THE RESCUE/奇跡を起こした者たち』
  • Summer of Soul (…Or, When the Revolution Could Not Be Televised)『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』
  • The Velvet Undergroundヴェルヴェット・アンダーグラウンド

その他

Ascension
Attica
Julia
President
Billie Eilish: The World’s a Little Blurry『ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている』など...

 

 この部門は毎年波乱が起こりやすい部門です。毎年最も賞レースを快走していた作品がなぜかノミネートされないという事件が起きているからです。

 そんな中今年賞レースを快走しているのは3本。それは『Flee』『THE RESCUE/奇跡を起こした者たち』『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』です。何もなければ全てノミネートされそうですが、前述の通りフロントランナーでも平気で候補漏れする部門なので、どの作品も確実とはいえません。...が、色々考えても何も始まらないので、とりあえず3本全部が候補入りするとして予想を立てました。ちなみに『THE RESCUE/奇跡を起こした者たち』は試写会で、『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』は劇場で鑑賞しましたが、どちらも大大大傑作でしたのでぜひ。

 残りの枠は非常に難しく、とりあえずよく耳にしたヴェルヴェット・アンダーグラウンド『プロセッション -救済への行進-』を予想しました。

国際長編映画賞 

  • Drive My Car『ドライブ・マイ・カー』(日本)
  • Flee (デンマーク)
  • The Hand of God『The Hand of God』(イタリア)
  • A Hero『英雄の証明』(イラン)
  • The Worst Person in the World (ノルウェー)

その他

Compartment No. 6 (フィンランド)
I'm Your Man『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』(ドイツ)
Prayers for the Stolen (メキシコ) など...

 

 アカデミー賞常連の監督といえば、イランのアスガー・ファルハディ監督。同じくオスカー受賞済みのイタリアのパオロ・ソレンティーノ監督。彼らは今回それぞれ『英雄の証明』『The Hand of God』を携えて参戦。非常に有力です。

 また我らが日本からは、濱口監督の『ドライブ・マイ・カー』参戦。正直他の作品よりも圧倒的な強さで、受賞も最も近い位置にいます。

 その受賞に待ったをかけられる作品はノルウェー『The Worst Person in the World』かもしれません。今回参戦しているどの作品よりもチャーミングで素晴らしいという評価もあがっており、受賞可能性もあります。

 『Flee』は誰も成し遂げていない長編ドキュメンタリー賞・長編アニメーション賞・国際長編映画賞のトリプルノミネートを目指します。実現すれば歴史的出来事として語り継がれるでしょう。もしかするとフィンランド『Compartment No. 6』、ドイツのアイム・ユア・マン 恋人はアンドロイドがそれを阻止するかもしれませんし、メキシコのPrayers for the Stolenのサプライズもあるかもです。非常に注目の部門ですね!

短編映画賞

  • Censor of Dreams
  • The Long Goodbye
  • Tala'vision
  • When the Sun Sets
  • You're Dead Helen

 

 他には『天空の下で』『あのクリスマス』なども有力です。

短編アニメーション賞

  • Only a Child
  • Robin Robin『ことりのロビン』
  • Step into the River
  • Us Again『あの頃をもう一度』
  • The Windshield Wiper

 

 ディズニーから『あの頃をもう一度』が参戦。『ことりのロビン』Netflixで観れます。

短編ドキュメンタリー賞

  • Audible『オーディブル:鼓動を響かせて』
  • Coded: The Hidden Love of J.C. Leyendecker
  • The Queen of Basketball
  • Three Songs for Benazir『ベナジルに捧げる3つの歌』
  • When We Were Bullies

 

 オーディブル:鼓動を響かせて』『ベナジルに捧げる3つの歌』Netflixですでに観ることができますので是非。

まとめ

さていかがでしたか?大変長い駄文になってしまいましたが、楽しんでいただけたら幸いです。あくまで予想なので外れる可能性の方が高いですが(笑)

第94回アカデミー賞は現地時間2/8の朝に発表予定となっています。

皆さんもぜひ予想を立てて挑んでみてください。

それでは、また、次回!