青い無人島の映画館

アカデミー賞を中心に映画を語っています。映画に興味のある方、アカデミー賞に興味のある方、ぜひ足を運んで頂けると幸いです。

第96回アカデミー賞 期待作Part4

早すぎる次のアカデミー賞での有力作品紹介 Part4

皆さんこんにちは!

第96回アカデミー賞にて注目されそうな作品をまとめた記事です。今回はPart4。

ここでは超有力作『Past Lives』『哀れなるものたち』などをご紹介。

Past Lives

監督:セリーヌ・ソン

出演:グレタ・リー、ユ・テオ、ジョン・マガロ

幼少期を韓国で過ごした男女が、20年後ニューヨークで再会する...。サンダンス映画祭で絶賛されたA24の作品。そう、この流れはエブエブと一緒。

韓国系カナダ人のセリーヌ・ソンが監督、グレタ・リー、ユ・テオ、そして『First Cow』のジョン・マガロ出演。演技賞や監督賞、脚本賞、そして作品賞などで候補に上がる可能性が高そうです。

Perfect Days

監督:ヴィム・ヴェンダース(代表作『さすらい』『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』)

出演:役所広司

カンヌ国際映画祭にてお披露目予定の一作。渋谷のトイレに関するプロジェクトをテーマに暑かった作品です。

パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』のヴィム・ヴェンダースがメガホンをとり、日本の名俳優、役所広司さんが出演予定です。

The Perfumed Hill

監督:アブデラマン・シサコ(代表作『禁じられた歌声』『バマコ』)

出演:ニナ・メロ

結婚式の日に逃げ出した女性が、中国にて新たな生活を始める様子を描いた作品です。

監督は『禁じられた歌声』『バマコ』のアブデラマン・シサコ監督が務めます。

The Persian Version

監督:マリアム・ケシャヴァルズ

出演:レイラ・モハマディ

アメリカとイランの文化の間で悩む母と娘のストーリー。サンダンス映画祭脚本賞を受賞した作品です。

ドラマとコメディのバランスが見事との噂で、監督はマリアム・ケシャヴァルズが務めています。

Peter Pan & Wendy『ピーター・パン & ウェンディ』

監督:デヴィッド・ロウリー(代表作『ピートと秘密の友達』『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』『さらば愛しきアウトロー』『グリーン・ナイト』 )

出演:アレクサンダー・モロニー、エヴァー・アンダーソン、ジュード・ロウ

ディズニーの人気アニメーション『ピーター・パン』の実写リメイク映画です。Disney+にて配信されています。

『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』『さらば愛しきアウトロー』のデヴィッド・ロウリーによって新たなストーリーで語られています。

Poor Things『哀れなるものたち』

監督:ヨルゴス・ランティモス(代表作『女王陛下のお気に入り』『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』『ロブスター』『籠の中の乙女』)

出演:エマ・ストーンウィレム・デフォーマーク・ラファロ、ラミ・ユセフ、マーガレット・クアリー

身投げした女性からフランケンシュタインをうみだした医師が、彼女を妻にしようとするも...。ヨルゴス・ランティモス監督作。

何とも不思議な内容だが、『女王陛下のお気に入り』の監督×脚本家コンビ。期待が膨らみます。エマ・ストーン主演です。

The Pot-au-Feu

監督:トラン・アン・ユン(代表作『青いパパイヤの香り』『シクロ』『ノルウェイの森』)

出演:ジュリエット・ビノシュブノワ・マジメル

カンヌ国際映画祭にて披露。1885年、料理人である主人公と、ある美食家とのロマンスを描いた作品とのこと。

青いパパイヤの香り』などで知られるベトナム出身のトラン・アン・ユン監督の新作であり、オスカー女優のジュリエット・ビノシュや、過去に『ピアニスト』で若い存在感を発揮していたブノワ・マジメルが出演しています。

Price of Cats

監督:スパイク・リー(代表作『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』『ブラック・クランズマン』)

出演:ラキース・スタンフィールド

今年公開かは不明な一本。『ロミオとジュリエット』を元に改編した同名の原作があり、そちらを元にした作品とのこと。

ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』『ブラック・クランズマン』のスパイク・リーがメガホンを取り、出演は『ユダ&ブラック・メシア』で初候補にあがった、今大注目の俳優、ラキース・スタンフィールドです。

Priscilla

監督:ソフィア・コッポラ(代表作『ヴァージン・スーサイズ』『ロスト・イン・トランスレーション』『マリー・アントワネット』『SOMEWHERE』『ブリングリング』『The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ』『オン・ザ・ロック 』)

出演:ケイリー・スピーニー、ジェイコブ・エロルディ

エリヴィスの元奥さんであり、女優のプリシラプレスリーについての作品です。

ロスト・イン・トランスレーション』のソフィア・コッポラ監督の最新作で、ケイリー・スピーニーが主演を務めます。また今回エルヴィスを演じるのは、ジェイコブ・エロルディ。オースティン・バトラーに続けるか。

Rebel Moon

監督:ザック・スナイダー(代表作『ドーン・オブ・ザ・デッド』『300 〈スリーハンドレッド〉』『ウォッチメン』『ガフールの伝説』『マン・オブ・スティール』

出演:ソフィア・ブテラジャイモン・フンスー

銀河の端にある植民地を舞台に、その平和が脅かされ、ある女性を送り出すことから物語が始まります。

このスペースオペラを手がけるのは、ザック・スナイダー監督。ジャイモン・フンスーなど名優が出演しています。

Renfield

監督:クリス・マッケイ(代表作『レゴバットマン ザ・ムービー』『トゥモロー・ウォー』

出演:ニコラス・ホルトニコラス・ケイジ、オークワフィナ

小説『吸血鬼ドラキュラ』を元に着想を得た、ホラーコメディ映画だそう。

監督は、クリス・マッケイ。新旧スターである、ニコラス・ホルトニコラス・ケイジ、オークワフィナなどが出演しています。

Rob Peace

監督:キウェテル・イジョフォー(代表作『風をつかまえた少年』

出演:キウェテル・イジョフォー、メアリー・J.ブライジ、ジェイ・ウィル、カミラ・カベロ

イェール大学を卒業した研究者でありながら、同時に薬物の売人であったロバート・ピースの物語を書いたベストセラー伝記を原作とした作品です。

それでも夜は明ける』で主演男優賞にノミネートされたキウェテル・イジョフォーがメガホンを取ります。メアリー・J.ブライジ、ジェイ・ウィル、カミラ・カベロも出演します。

Rustin

監督:ジョージ・C・ウルフ(代表作『マ・レイニーのブラックボトム』)

出演:コールマン・ドミンゴオードラ・マクドナルド、エイドリアン・ウォーレン

公民権活動家でワシントン大行進の主導者であるバイヤード・ラスティンについて描いた作品で、監督はジョージ・C・ウルフです。

脚本は『ミルク』のダスティン・ランス・ブラック、製作はオバマ元大統領の製作会社ハイヤー・グラウンド・プロダクションズ。コールマン・ドミンゴ主演であり主演男優賞最有力とも言われています。

Rye Lane

監督:レイン・アレン・ミラー

出演:デヴィッド・ジョンソン、ヴィヴィアン・オパラ

舞台はサウス・ロンドン。コミカルな演出と会話劇で、恋愛に翻弄されてきた主人公らが、再生していく様を描いた物語。

レイン・アレン・ミラー監督、デヴィッド・ジョンソンとヴィヴィアン・オパラが出演します。日本でも現在Disney+で鑑賞できます。

Saltburn

監督:エメラルド・フェネル(代表作『プロミシング・ヤング・ウーマン』)

出演:バリー・コーガンロザムンド・パイクキャリー・マリガン

太陽がいっぱい』『リプリー』を元にした作品で、イギリスの裕福な家庭を題材とした物語とのこと。テスト試写は好評との噂。個人的にも楽しみな一作。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』のエメラルド・フェネル監督の新作。『イニシェリン島の精霊』のバリー・コーガン、『ゴーン・ガール』のロザムンド・パイク出演。スリラーとなる予定だが、オスカーはスリラーとは相性が悪いと言われているが、果たして。

Scrapper

監督:シャーロット・リーガン

出演:ハリス・ディキンソン

イビサ島での生活から戻ってきた主人公が、これまで会ったことのない12歳のジョージーと一緒に暮らすことになる...という物語。

主演は今絶好調のハリス・ディキンソン。シャーロット・リーガン監督の作品です。

Sharper『Sharper:騙す人』

監督:ベンジャミン・キャロン

出演:ジュリアン・ムーアセバスチャン・スタンジャスティス・スミス、ブリアナ・ミドルトン

Apple TV+にて配信が始まっているクライムサスペンス。舞台はニューヨーク。書店の青年と大学院生の恋など、愛と憎しみが繰り出す騙し合いを描いた作品とのこと。

アリスのままで』でオスカーを手にしたジュリアン・ムーアや、セバスチャン・スタンジャスティス・スミス、ブリアナ・ミドルトンが出演。テレビドラマ「キャシアン・アンドー」のベンジャミン・カロン監督を演出を担当。

Shayda

監督:Noora Niasari

出演:ザーラ・アミル・エブラヒミ

サンダンス映画祭にてお披露目された一本。

主演のShaydaを演じるのは、『聖地には蜘蛛が巣を張る』で高い評価を獲得した、ザーラ・アミル・エブラヒミです。

Shazam! Fury of the Gods『シャザム! 〜神々の怒り〜』

監督:デヴィッド・F・サンドバーグ(代表作『シャザム!』『ライト/オフ』)

主演:ザッカリー・リーヴァイ、アッシャー・エンジェル、ジャック・ディラン・グレイザー、ジャイモン・フンスー、レイチェル・ゼグラー、ヘレン・ミレンルーシー・リュー 

あのDCコミック原作で大ヒットした傑作『シャザム!』の続編となります。ビリー・バットソンと義兄弟達は前作で得た力を使ってヒーロー活動中。しかし、シャザムに奪われた神々の力を取り戻そうとアトラスの娘らが襲ってくる...。

監督は前作に引き続きホラーが得意でもあるデヴィッド・F・サンドバーグです。すでに日本公開済みの作品です。

Shirley

監督:ジョン・リドリー

出演:レジーナ・キング

アフリカ系アメリカ人女性初の米連邦議会下院議員となったシャーリー・チザムについて描いた作品。

監督は『それでも夜は明ける』に脚本家で参加したジョン・リドリーで、主演はオスカー女優のレジーナ・キングが務めます。

Showing Up

監督:ケリー・ライカート(代表作『オールド・ジョイ』『ウェンディ&ルーシー』『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』『First Cow』)

出演:ミシェル・ウィリアムズ、ホン・チャウ

彫刻家の主人公が、作品を生み出すアーティストの自分と、私生活の自分とのバランス、そのバランスを考え始める...といった作品だそうです。

今注目されているケリー・ライカートの最新作で、未だ日本未公開の『First Cow』も大好評でした。主演はミシェル・ウィリアムズです。

Spaceman

監督:ヨハン・レンク

出演:アダム・サンドラーポール・ダノキャリー・マリガン

Netflixの新作です。宇宙飛行士である主人公が、銀河の謎の生物と出会うことで、彼の人生、そして妻との関係を考えてゆく...と言った物語になるようです。

監督は、映画監督としてだけでなく、ミュージシャンでもあるヨハン・レンク。主演は最近良作が続くアダム・サンドラー、そしてその妻役にキャリー・マンガンが出演予定です。

Spider-Man: Across the Spider-Verse『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』

監督:ホアキンドス・サントス、ケンプ・パワーズジャスティン・K・トンプソン

声の出演:シャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ルナ・ローレン・ベレス、ジェイク・ジョンソン、ジェイソン・シュワルツマン、イッサ・レイ、カラン・ソーニ、シェー・ウィガム、グレタ・リー、ダニエル・カルーヤマハーシャラ・アリオスカー・アイザック

あの大傑作『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編。たくさんのユニバースのスパイダーマンたちが共有する悲しい運命とは、、、。そして主人公は何を選択するのか。

後編に続く形ではありますが、オスカーではアニメーション賞のほか、作品賞など主要部門などで絡む可能性も秘めています。

The Starling Girl

監督:ローレル・パルメ

出演:イライザ・スキャンレン、ルイス・プルマン

サンダンス映画祭にて公開された作品です。17歳の女性が、信仰や情熱の中で迷いながら自分の居場所を探す物語とのことです。

主演は『ベイビーティース』『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』『オールド』などで引っ張りだこの若手イライザ・スキャンレンです。

Stone Mattress

監督:リン・ラムジー(代表作『少年は残酷な弓を射る』『ビューティフル・デイ』)

出演:ジュリアン・ムーア、サンドラ・オー

北極の船で繰り広げられるリベンジ・スリラーとのことですが、まだ情報がほとんどない一本です。

監督は、高評価作品を立て続けにはなっているリン・ラムジー監督。出演するのはオスカー女優ジュリアン・ムーアと、アジア系スターの先頭を立っているサンドラ・オーです。

Strangers

監督:アンドリュー・ヘイ(代表作『ウィークエンド』『さざなみ』『荒野にて』)

出演:アンドリュー・スコット、ポール・メスカル、クレア・フォイジェイミー・ベル

山田太一さんの『異人たちとの夏』を原作とした作品です。

メガホンを取るのはアンドリュー・ヘイ監督。『さざなみ』では主演女優賞にノミネートされており、今回も役者さんたちの演技が一つ見所になると思います。

The Super Mario Bros. Movie『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』

監督:アーロン・ホーバス、マイケル・イェレニック

声の出演:クリス・プラットチャーリー・デイ、アニャ・テイラー=ジョイ、ジャック・ブラックキーガン=マイケル・キーセス・ローゲン

2023年、大ヒットを記録しているアニメーション映画です。あの懐かしのマリオたちが、スクリーンで大暴れ。

実は評価自体は低く、オスカーは難しいかと思われましたが、興行成績はばっちし。もしかするとアニメーション映画賞に滑り込める...!?

20 Days in Mariupol

監督:ムスチスラフ・チェルノフ

ロシアがマリウポリに侵略してからの20日間を描いたドキュメンタリー。恐ろしく思わず目を背けたくなるような現実に心から震える作品だそうです。

サンダンス映画祭にてワールド・シネマ・ドキュメンタリー部門の観客賞を受賞。オスカーのドキュメンタリー賞に候補入りする可能性もあるかもしれません。

Wish『ウィッシュ』

監督:クリス・バック、ファウン・ヴィーラスンソーン(代表作(クリス・バック)『サーフズ・アップ』『ターザン』『アナと雪の女王』シリーズ)

出演:アリアナ・デボーズ、クリス・パイン、アラン・テュディック

どんな「願い」も叶うとある王国、「ロサス王国」。主人公であるアーシャは、王国には秘密があることを知り...。

本作は、2023年に創立100周年を迎えるウォルト・ディズニー・カンパニーの記念作品です。かつての手描きアニメーションとCGアニメーションを融合したタッチで描かれるそう。

Wonka『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』

監督:ポール・キング(代表作『パディントン』シリーズ)

出演:ティモシー・シャラメ

ロアルド・ダール原作の小説『チョコレート工場の秘密』に登場するチョコレート工場主ウィリー・ウォンカの若き日を描いた物語。

ミュージカル映画になっているようで、主演は大スター、ティモシー・シャラメです。技術賞などでノミネートされるのでしょうか。

The Zone of Interest

監督:ジョナサン・グレイザー(代表作『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』)

出演:サンドラ・フラー、クリスティアン・フリーデル

カンヌ国際映画祭で非常に高い評価を獲得した一作。ナチスの一家から描かれるホロコーストの恐怖を生々しく描いているそうです。

非常に実験的な作りでもあるらしく、オスカーでどれくらい存在感を示すか未知数ですが、重要な一作であることは間違いなく、とても楽しみな一本です。